多彩なオフェンスで相手を圧倒 キーパーのスーパーセーブも光り見事勝利

女子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月15日 東京・国士舘大学多摩体育館 

 秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)5戦目のこの日は、日女体大との対戦。立ち上がりにはディフェンスを崩されたことでやや苦戦し、点数の取り合いが続いた。しかし後半からは、完全な早大ペースに持ち込む。高さのあるミドルシュートや相手に得点を一切与えないキーパーの好セーブが光った。終わってみれば27ー21の快勝。秋季リーグ5戦終了時点で4勝1敗とし、4位につけている。

 ディフェンスから開始した早大は、開始30秒で先制点を奪われるがその後、井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)が1、2枚目間を割ったステップシュートで鮮やかに1点目を獲得。しかしその後は「ディフェンスから崩された印象」と木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)が振り返ったように、上手くディフェンスが機能せず、点差をつけられない状況が続いた。それでも連日活躍を見せる江頭理沙(スポ2=東京・ICU)のサイドシュートや山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)による高さのあるミドルシュートでなんとか点数を稼いだ。前半21分、木村が速攻で点数を決め、全身全霊のプレーで7メートルスローを獲得。里村采音(商2=岩手・不来方)がキーパーの動きを読み着実に決めると、ここから早大のオフェンスに火がついた。前半終了間際、これまでチームを何度も救ってきた堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)が相手の7メートルスローを止めて見せるとチームは大盛り上がり。前半の流れを吹き飛ばし、早大ペースで前半を終えた。

7メートルスローを決めた里村

 前半の勢いそのまま、木村から秋季リーグのキーマンに挙げられた石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)によるスピード感のある速攻などで得点を重ねる。また、作本夕莉(スポ2=福岡・明光学園)と堀内のGKコンビが脅威のキープ力を発揮。作本が相手の7メートルスローを止めると、堀内はその後、逆速攻や角度の厳しいボールなどを止め、約9分間にわたって相手に1得点も与えなかった。その間、早大は杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)によるバウンドシュートや木村の自ら回り込んでからのシュートなどで得点を量産。山野も持ち前のアグレッシブなミドルシュートで2連続得点を決め、最大10点差まで日女体大を引き離した。さらに、井橋が冷静な状況判断で相手から守り切り、杉浦が相手ボール読み、カットするなど運動量マックスのディフェンスも見られた。試合は、27ー21で終了。秋季リーグ4勝目を挙げた。

好セーブを連発し笑顔を見せる堀内

 負けから一夜明け、それぞれの選手が課題を整理し、切り替えて臨んだ今試合。序盤は若干の苦戦を強いられたものの、そこからは一気に流れを引き寄せ勝利をつかんだ。明日は秋季リーグの山場となる3連戦の最終日、順大とのゲーム。目標達成に向けて、負けられない早稲田セブンは戦い続ける。

(記事 大村谷芳、写真 権藤彩乃)

結果
早大27-21日女体大

前半 
早大13-11日女体大

後半
早大14-10日女体大

スタメン
GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)

LB山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

PV石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

CB井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

RW江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

コメント
木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)

――立ち上がりにやや苦戦、要因は

 自分たちがディフェンスでやられちゃいけないっていうところをやられてしまっていたのと、最初に展開を、決めてはいましたが、それがうまくできなくて、シュートもそんなに入らなくて。結構ディフェンスから崩された印象で、それが原因でちょっと立ち上がりが悪かったかなと思います。

――前日も含めて流れが停滞した際に木村さん自身がシュートを決めにいきました、意識していることはありますか

 今日の試合とかも打たされてたというか、自分が45の時にアウト打たせのようなことをされていました。なので突っ込むしかなくて、アウトから攻めないと中も開かないし、サイドもいけないので。そこに突っ込もうという意識は常に持ちながら、あとはタイミングを見て自分がいける時は全部いってやろうという気持ちではあります。

――ミドルシュートが増えた印象

 そうですね。元々怪我する前はミドルシュートがとても好きでめちゃくちゃ打ってたんですけど、最近距離感があまりつかめなくて打つタイミングがなくて。慣れてきたので打ってみよう、タイミング見極めながら打とうとは思ってます。

――秋季リーグ、これまでのチームのキーマンは

 石坂美紀選手(スポ2=千葉・昭和学院)は、常に安定してディフェンスもできていてディフェンスも真ん中を守っているのですが、2枚目とかに対しても声をかけて守りやすくしてくれてるので、そこはすごく助かっています。オフェンスでもスピードを持った1対1とか速攻とかが速いので、それで助けられてる場面がすごく多いなと思っています。

――ここまでの戦いを振り返って

 自分としては本当に2年ぶりぐらいのリーグ戦で、本当に毎試合毎試合必死なんですけど、楽しさも感じながら、ただ自分のミスで結構流れを持っていかれる、良い流れできているとこで自分のミスをしてしまうみたいな場面が多いなと思っています。そこは本当に改善して、あと4試合あるので、もっとチームをプレーで引っ張れるようにしたいなと思っています。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 明日は順天堂大学で3連戦の3戦目で、しかも相手は 多分めちゃくちゃ早稲田に勝ちたいと思ってかかってくるので、それを跳ね返せるように絶対に勝ちたいと思っています。勝ちます!

山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

ーー昨日の敗戦からどのように気持ちを切り替えて臨みましたか

 昨日は自分たちのやるべきことが全くできなくて、自分たちの流れを持ってくことができなかったので、とにかく昨日の夜からずっと今日の日女体大戦に向けてやることを自分の中でもう一度イメージして試合に臨みました。

ーーそのやるべきことというのは

 昨日は、特に自分がセンターに入った時にものすごく困ってしまって、チームの流れを作ることができなかったので、今日は 45に入った時ももちろんそうなんですけど、特にセンターに入った時の動きを重点的にイメージしていました。

ーーご自身のプレーについて振り返ってみていかがですか

 全然自分の中ではあまりいいプレーはできなかったと思っていて、ケガ明けから自分らしいプレーがまだできていないので、明日はもっと空いているところを思いっきり狙って、もっと役割を果たせるように頑張りたいと思います。

ーー前半は競る展開になりましたが、後半から流れを変えるためにチームで意識したことは

 ディフェンスです。前半に左側、自分の入っているところがものすごくやられてしまったので、1、2枚目のディフェンスを強化することと、駆け引きの部分を意識しました。キーパーもものすごく止めてくれたので、そこからいい流れができたと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします

 明日のチームはものすごく勢いのあるチームで、自分たちが消極的になっていたら流れは来ないと思うので、全員が積極的に、守りに入らずに、いい流れで勝ち切りたいと思います。