関東学生秋季リーグ 9月15日 茨城・水海道総合体育館
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も折り返しを迎え、6位につける早大。山場の3連戦の中日、3連勝を懸けて今春王者・日体大と対戦した。優勝を目指す早大にとって絶対に負けられない一戦。運動量が持ち味の両校が繰り広げる試合は序盤から激しい点の取り合いになる。しかし要所で点を取れず、20ー27で試合を折り返すと、後半も日体大の勢いは止まらず。点差はさらに開き、34ー46で大敗を喫した。
試合は序盤から目まぐるしい展開となった。日体大が先制点を取ると、早大は外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)が連続得点で食らいつく。さらにクロスプレーで的を絞らせず、外種子田、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)のミドルで得点を奪う。対する日体大は素早いリスタートで主導権を渡さない。前半8分にサイドシュートと速攻で4連続得点を奪われ、6ー10とされたところで早大は早くもタイムアウト。
シュートを狙う白築
タイムアウト明け、体勢を整えると今度は早大の3連続得点で反撃の狼煙(のろし)を上げる。しなやかな腕の振りから放たれる杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)の強烈なミドル、さらに相手の退場も相まって前半15分に白築主将のカットインで12ー12とし、日体大の背中を捉えた。ここから逆転したい早大だったが、オフェンスでのミスが目立ち、拙攻が続く。この隙を逃さなかった日体大は着実に点を積み重ね、前半23分には早大のパスミスからエンプティシュートで15ー21の6点差に。早大は要所でシュートを決められず、20ー27で前半を終えることとなった。
豊富な運動量で3枚目を守る小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)
勝負の命運を握る後半。7点差を縮めたい早大だったが、日体大の勢いは止まらない。藤坂尚輝(日体大4年)のスタンディングシュートで口火を切ると、速攻を中心としたスピード感あふれる攻撃で後半5分には10点差となった。早大も果敢にシュートを狙っていくが、またしてもシュートミスを連発。そこから速攻につなげられ、点差がさらに開き始めると、日体大は控え選手を投入。敗戦ムードが漂い始めたが、ここから早大が意地を見せる。この間に早大は守屋雄司副将(スポ3=神奈川・法政二)のポストシュートや速攻などで4連続得点を奪い、後半16分に28ー35で再び7点差とした。
ペナルティースローを放つ尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)
大逆転を狙う終盤だが、日体大は攻撃の手を緩めなかった。再び主力選手をコートに戻すと、精度の高いサイドシュートで早大を突き放す。早大もミドルを警戒する日体大の高めに浮いたディフェンスに対してカットインで応戦するが、いまひとつ波に乗り切れない。点を取っては取られての平行線を辿り、そのままゲームセット。壮絶な殴り合いは34ー46で日体大に軍配が上がり、連勝は「2」で止まった。
昨季王者に圧倒された早大。速攻を得意とする日体大に対して、ここ一番でのシュートミスが致命傷となった。これで2勝3敗とし、リーグ戦もいよいよ後半戦にさしかかる。3連戦の最終日、迎えるは順大戦。疲労が抜け切らない中でワセダセブンは最後の力を振り絞る。まずは次戦を良いかたちで勝ち切り、後半戦飛躍の足がかりにしたい。
(記事 丸山勝央、写真 片山和香)
結果
関東学生秋季リーグ | ||||
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早大 | ● | 34―46 | 日体大 | |
20―27 |
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スタメン | ||||
GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園) |
コメント
白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
――取り合いの展開が続いた試合でしたが振り返っていかがですか
走り負けというか、やっぱりあれだけ失点数が多いとこっちがどれだけ得点しても追いつけないし、最後のシュートのところで相手の方が一枚上手だった試合なのかなと思います。こっちとしてもシュートで終われないミスだとか、戻れないミスで終わってしまったっていうところが今日の課題かなと思います。
――攻撃力が強い日体大に対して、ディフェンスではどんなことを心がけていましたか
相手の1対1が強いので1、2枚目から寄せてコンパクトに守ろうっていうことを試合前話していました。でもいざ試合となった時に間が広くなって上から打ち込まれるっていう場面が多かったので、その意識を全体として共有していたはずなんですけどそれがコート上で体現できなかったっていうのがディフェンスの課題かなとは思います。
――後半途中には相手のオフェンスミスを誘うようなディフェンスも見られましたが、その場面を振り返っていかがですか
相手が1人ボール持った時に、他の選手に着いて仕掛けようというところは、ハーフタイムの中で話はありました。それをやろうとは思っていたところで結局相手がメンバーを変えてきた場面ではあったので分からないですけど、このゲームの最初から最後まで通してその守り方ができていれば、また結果は変わってきたのかなとは思います。
――前戦から1年生のバックと合わせる場面が増えていますが、下級生との連携はいかがですか
球離れ良くというところは頭の中に入れてやっていたんですけど、思った以上に球離れはあまりスムーズではなかったところがオフェンスの課題ではあります。両45の1年生がミスしてしまった時には、それを背負っていくのが4年生だと思っているので、もう少し4年生として、センターとして統率を取ってやれたことがあったんじゃないかなとも思っています。
――3連戦最終日、明日の順大戦に向けて意気込みをお願いします
3連戦の最後で山場ではあると思うんですけど、今日の試合は一旦忘れて切り替えて、120パーセント順天堂戦にぶつけられるように準備していきたいなと思います。
外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
――序盤は競った展開が続きましたが、立ち上がりの部分を振り返っていかがですか
結構点の取り合いになっちゃって。それは想定していたんですけど、出だしの場面でディフェンスガツガツ行かないといけないところを、クロスプレーから気持ちよく打たれたり、サイドまで綺麗に回されて打たれたりしたので、出だしから綺麗に攻めさせないようなディフェンスができていたら良かったと思います。
――取り合いの展開が続いた中で、チームではどういう守り方をしていこうと話されていましたか
前半途中(相手の)のサイドシュートが結構入っちゃっていて、それをなしにしようと言っていたんですけど打たれる展開が多くて。約束事を自分たちが守れてなかったところがあったので、まずはそこを徹底しないと早稲田みたいなチームは勝って行けないし、やっぱり約束事の徹底はしっかりしていきたいです。松信さん(松信亮平コーチ、平20スポ卒=伊奈)からも指示があったんですけど、そこが徹底できていなかったです。
――オフェンスではどういう攻め方を意識されてましたか
ミーティングでは、ポストのスライドに対する相手のディフェンスがあまり良くないということを話したんですけど、前半のうちからもっとそれをうまく使っていければ攻撃としては良かったのかなと思います。その中でも尾上(悠利、スポ1=大阪・大体大浪商)だったり杉田(一輝、スポ1=岩手・不来方)だったり、1年生が苦しい時間帯に点取ってくれたのはすごいありがたかったので、そこで自分がもうちょっと活性化させられるような攻撃をしないといけなかったなと思っています。
――この連戦では序盤から45でもサイドでもプレーされていますが、ポジションによって切り替えはしていますか
尾上と僕が右2人で入っているので、そこは練習の時からどっちがサイド入ってもいいし、どっちが45入ってもいいように準備はしているので、ただ固定化するんじゃなくて試合の流れによってうまく合わせるようにしています。2人ともどっちでもプレーできるので、それをもうちょっとうまく使っていけたら良いのかなと思います。ただ試合前から話していても、実際試合になるとうまく回せなくなった時もあったのでそこをもう少しうまくできたらいいなと思います。
――明日の順大戦に向けて意気込みを聞かせてください
今日はもう切り替えて。3連戦最後なので体力的にはきついと思うんですけど、必ず勝ち点取れるように頑張ります。
杉田一輝(スポ1=岩手・不来方)
――前戦に続いてスタメンでの起用となりましたが、どんな気持ちで今日の試合に臨まれましたか
前回は消極的にプレーしてしまっていらないミスが出たんですけど、今回は三津監督(三津英士監督、平8人卒=久留米工業大附)からも「ミスしてもいいから全力でやってこい」と言ってもらったので、やっぱり積極的にプレーしようと心がけて挑みました。
――積極的なミドルなどで複数得点挙げられましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
チームとしてアウトカットインで終わらせるという目標があったので、それに近い形で終らせたのが個人として良かったかなと思います。
――最後は12点差での敗戦となりました。点差をつけられてしまった要因として考えられることはありますか
オフェンスで自分がミスしてしまったのもそうですし、ディフェンスで守れなかったのがやっぱ1番の要因かなと思います。
――バックとして活躍されていますが、チームメイトとの連携はいかがですか
センターの琢磨さん(白築琢磨、文構4=東京・早実)もさばいてくれてやりやすかったですし、崚汰さん(外種子田崚汰、スポ3=鹿児島・国分)や先輩方が自分の尻拭いじゃないですけど、助けてもらったのでありがたいなと思っています。
――次戦、順大戦への意気込みを聞かせてください
絶対落とせない試合なので自分が活躍することもそうですけど、やっぱりチームの勝利のために貢献できるように頑張ろうと思います。