終始流れを引き寄せられず 日体大に悔しい敗戦

女子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月14日 埼玉・三郷市総合体育館

 秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)は早くも中盤戦に突入した。前週の試合では、史上初の秋季リーグ3連勝を成し遂げ、未だ負けなし。3連戦初日のこの日の相手は、春季リーグ(関東学生春季リーグ)で10点以上差をつけて勝利した日体大。更なる記録更新へ、1戦に臨んだ。試合開始直後、勢い良く先制するもその後は相手にペースをつかまれる。強みのディフェンスにも乱れが生じ、日体大の速攻を止めることができなかった。前半は同点で折り返したが、後半は徐々に点差が開き23ー27で試合終了。悔しい黒星となった。

 「サイドシュートが入らなくて自信を持って打てなくなった」と話した江頭理沙(スポ2=東京・ICU)がこの日先制点を挙げると、その後も井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)や木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)が連続して得点。相手になかなか得点を与えず、好調に見えたが、日体大に3連続得点を許して以降、終始リードされるかたちとなる。悪い流れを断ち切るために、タイムアウトなどで選手同士の声掛けもいつも以上になされた。ここで流れを変えたのは、常にチームを支える木村だった。バック陣がシュートを打ち込みにくい時には、自らミドルシュートやサイドシュートを決めにいった。木村の活躍もあり、サイドシューター、江頭と里村采音(商2=岩手・不来方)も奮起。前半終了間際の得点により、同点で前半を終えた。



パスを回す井橋

 勝利を呼び寄せたい後半、木村の得点からスタートすると、相手の速攻をGK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)が体を張って次々と止めてみせた。後半10分までは一進一退の攻撃となるが、そこから早大は、高めのパス回しからのミスやディフェンスの乱れによって点差を開かれる。オフェンスでもシュートを決めきれず、キーパーによって阻まれる回数が多くなった。それでも「チームがまとまって最後まで戦い切ろう」という宇野譲監督(平19年人科卒=熊本・濟々黌)や夏山陽平コーチ(平21年スポ卒=神奈川・法大第二)の言葉のもと、選手たちは戦うことをやめなかった。後半20分からは、相手の得点を最小限に抑え、大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)や石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)らが得点シーンを演出。3連続得点で追い上げを見せたが、ここで試合終了。23ー27で敗戦となった。



試合終了後の選手ら

 試合終了後選手からは、チームの意思統一や精神面での課題が挙げられた。これまで秋季リーグ4試合をこなし選手たちは疲れもで始めるが、休んでいる暇はない。目標とする3位以上という結果を求めて、着実に勝利を重ねたい。

(記事 大村谷芳、写真 三浦佑亮、佐野真悠子、林朋亜)

 

結果
早大23-27日体大

前半 
早大14-14日体大

後半
早大9-13日体大

スタメン
GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)

LB山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

PV石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

CB井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

RW江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

コメント
江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

――先制点を挙げた、どのような気持ちで試合に臨みましたか

 秋リーグが始まってからあまりサイドシュートが入らなくて自信を持って打てなくなったので、まずは自分の得意なコースに打つことを意識して思いっきり打つことを意識して試合に臨みました。

――自身のプレーを振り返って

シュートが何本か入って安心したところもあるのですが、自分の実力不足を感じた試合でした。ディフェンスも自分側ではやられてはいけないと分かっていても、シュートの何本かは入りましたが、コースが甘かったりするので練習しないといけないと思いました。

――後半、点差が離れた要因は

 自分も声を出せませんでしたし、チームとしても流れが分かりにくくて、相手に速攻をやらせて完全に流れが相手にいってしまったので、そこは自分もサイドシュートをもっと決めるべきでした。コーチが言っていたようにアウトとサイドの切り替えで点差を縮められていたら良かったと思います。

―― 秋季リーグ4試合、どのように振り返りますか

 初戦の国士舘大戦はそこまで手応えは悪くなかったのですが、3試合でオフェンスでシュートが全然入らなかったりディフェンスでサイド切りを何回もさせちゃったりしたのであまり良いイメージを持っていないのが正直なところです。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 良いイメージはないと言いましたが、残りの試合もそんなにないので下級生だからこそ思いっきりプレーして、チームで今日みたいな悔しい思いをしないよう4年生と楽しみながら秋リーグを乗り越えたいです。

堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

――試合を振り返っていかがですか

 今日の試合全体を通して、自分もチームも微妙な空気のままいってしまったのがやはり敗因だったのかなとすごく思います。自分でもあともう一歩で切り替えられそうな場面でもシュートを止めきれなかったりとか流れを持っていけなかったりというのが反省すべき点なのかなと思います。

――1対1になった際も好セーブ、自身のプレーを振り返って

 今日に関しては止めきれてた場面は自分でも自信を持ってできていたのですが、サイドシュートの角度がないところや、勝負になるであろうところの場面に対して自分が少し弱気になっていた部分があるのでそういうところは明日から改善してもっとメンタルの部分から少しずつ切り替えられていけたらと思います。

――タイムアウトではどんな話を

 タイムアウトの時は特にオフェンスに関しての話が多く出ました。オフェンスもディフェンスもなのですが、チーム全体の意思統一ができていなくてそういうところをコーチや監督からおっしゃってもらって少しでもチームがまとまって最後まで戦い切ろうという話が出ました。

――ここまでの4戦、自身のプレーを振り返って

 直近の3試合に関しては、自分の中でも今まで夏にやってきたことが出し切れていたのでそういうところは明日からも継続していきたいです。自分が苦手なシュートのポイントは改善し切れていない場面が多かったので、期間も短いので修正し切るというのはできないのですが、少しずつ自分の中でやり方を変えたり調整したりしながらというのをやっていけたらなと思います。

――次戦に向けて一言お願いします

 4連勝はできなかったのですが、ここからまた1つでも多く勝ち点を取り切れるように自分からチームを盛り上げられるようなプレーができたらいいなと思います。