粘り強さが光り、秋季リーグ戦負けなしの4連勝! 

卓球女子

秋季関東学生リーグ戦 9月10日 東京・港区スポーツセンター

 2連勝で迎えた秋季リーグ戦2日目。今日の相手は、春季リーグ戦で3ー4で敗れた日大と今秋から1部に昇格した國學院大だ。まず行われた日大戦では、7番手の福岡乃愛副将(スポ4=兵庫・三田学園)がフルゲームのデュースを制し、チームも勝利。春の雪辱を果たした。次の國學院大戦はシングルス3連敗で後がない状態に。しかしダブルスの杉田陽南主将(スポ4=大阪・香ヶ丘リベルテ)・司千莉(スポ1=大阪・香ヶ丘リベルテ)ペアが勝利をもぎ取ると、そこから4連勝で大逆転勝利を決めた。

日大戦、7番手で勝利し応援とグータッチする福岡副将

 日大戦の1番手は杉田主将。これぞエースという気迫溢れるプレーであっという間に2ゲームを先取。第3ゲームは8連続得点で、まず勝ち点を奪った。続く第2試合は顧琳婧(スポ4=愛知・桜丘)が出場。序盤から顧の変化のあるカットが対応され、大差で第1ゲームを落とす。その後も相手の速い強打を対処できず、1ー3で敗れた。3番手の宮脇心和子(社3=鳥取敬愛)も、ラリーに強い相手を前にミスが続き、敗戦。1勝2敗で迎えたダブルスには杉田・司ペアが出場。杉田主将のスマッシュを中心とした攻撃的なプレーで順当に点を重ね、3-0で秋季リーグ戦初勝利を収めた。これでチームの勝敗は2勝2敗と再び並ぶ。ダブルスから続いての出場となった司はキレのあるドライブで相手を翻弄。一気に2ゲームを先取する。第3ゲームは相手がドライブに対応し、ラリーが続く展開になり落としたものの、第4ゲームは落ち着いて取り返した。これで6番手の深谷和花(スポ3=愛知みずほ大瑞穂)・7番手の福岡副将のどちらかが勝利すればチームの勝利が決まることに。この2試合は規定により2台進行で行われた。深谷は第1ゲームを落としたものの、第2ゲームは8-10から追いつき取り返す。互いにミスが少なく、ラリーが途切れない展開の中、第3ゲームと第4ゲームは交互に取り合い、迎えた第5ゲーム目。一気に試合が動いた。相手がラブオールから5連続得点。すでにタイムアウトを使っていた早大は、流れを取り返すことができない。そのまま2-11と点数を重ねられ、惜しくも敗戦した。同時に行われていた福岡副将の試合は福岡副将のカットとドライブを織り交ぜたプレーに相手が初めから対応し、秋季リーグ戦で初めて福岡副将が第1ゲームを落とす。第2ゲームも相手のペースかと思われたが、相手がゲームポイントを握った6-10から怒涛の6連続得点で逆転に成功。試合を振り出しに戻した。第3ゲームも相手にゲームポイントを握られてからデュースに持ち込み、ゲームカウント2-1とリードする。しかし第4ゲームは相手に奪われ、迎えた第5ゲーム。第4ゲームの勢いのまま2-4で相手にリードされるが、タイムアウトを取ってからはより攻撃的にプレーを切り替えた福岡。それが相手に刺さり、7点目でついに追いつく。しかしそこから連続得点を許し、7-9に。この時点で深谷の敗戦が決まり、チームの勝敗は福岡副将にゆだねられることになった。張り詰めた空気の中、9-10で相手がマッチポイントを握るが、福岡副将は冷静だった。「相手が最後まで頑張って攻めてくるということが分かっていたので、逆に自分はそれに対して、わざと打ちやすいボールを送って、(相手に)攻めさせてミスさせた」と試合後に話したように、相手のミスを誘い、連続得点。12-10で勝利した。負けた相手も思わず笑ってしまうほどの福岡副将の執念の粘り勝ち。これでチームは3連勝を決めた。

 次は2部から昇格した國學院大との試合。ここで早大はいきなりピンチを迎える。1番手の顧、2番手のここまで全勝の司、3番手の宮脇が全員0-3で敗れ、あと1敗も許されない状況に追い込まれた。ここで活路を切り開いたのが、杉田・司のダブルス。相手はこの秋季リーグ戦で、関東一に輝いたこともある専大の出澤・首藤ペアにも勝利している難敵。フルゲームまでもつれたものの、第5ゲームを奪い、チームの窮地を救った。その後続けて出場した5番手の杉田主将はひと際大きな声で吠え、チームを鼓舞。プレーでも相手を圧倒し、3ゲーム合わせて相手に8点しか許さない圧勝でエースの貫録を見せつけた。6番手の深谷と7番手の福岡もそれぞれ3-1と3-0で勝利。0-3からの大逆転勝利でチームは負けなしの4勝目を収めた。

國學院大戦で勝利した杉田・司ペア

 ここまで全て7番手までもつれる熱戦を制している早大。大会二日目の時点で、すでに春季リーグ戦の2勝を上回る4勝目を決めた。これはここまで全勝の杉田主将、福岡副将の2人に加え、誰かが負けたとしても、「他の人が、自分が取るという気持ちで行けている」という全員の意識が要因だろう。ここからは疲労もたまり、苦しい試合が続くが、この勢いのまま駆け抜けてほしい。

(記事 梶谷里桜、写真 梶谷里桜、三浦祐亮)

結果

▽女子 第3試合 対日大 ○4-3

○杉田3ー0前田

●顧1ー3萩井

●宮脇1ー3新治

○杉田・司3ー0首藤・萩井

○司3ー1八ツ田

●深谷2ー3首藤

○福岡3-2野﨑

▽女子 第4試合 対國學院大 ○4-3

●顧0ー3渡辺佑

●司0ー3泉田

●宮脇0ー3加賀美

○杉田・司3ー2加藤・加賀美

○杉田3ー0上田

○深谷3ー1加藤

○福岡3-0竹山

コメント

杉田陽南主将(スポ4=大阪・香ヶ丘リベルテ

――シングルスはここまで全勝です。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

悪くはないなと思っているんですけど、疲労がたまってきている中で昨日よりは今日の方が自分の中ではちょっと苦しい状態ではありました。それでもしっかり3-0で勝ち切れたということはよかったな、と思います。

――ひと際大きい声をあげて戦っていらっしゃるように見えます。意識していることはありますか

流れを変えられる選手にならなくてはいけないかな、と思っています。誰か一人が負けてしまって、そこから続けて負けてしまうようなチームではどうしても勝てないので、そこで誰か流れを変えるような存在がいたらいいと思って、そんな存在になりたいなと思って、自分的にはそこを目指してやった結果かなと思っています。

――今日の國學院戦のダブルスは後がない状態で迎えました。どんな気持ちで試合に臨みましたか

(全日本大学選手権・団体の部の)朝日大戦でも同じような状況で、ダブルスを落としたら負け、という状況でした。これが正解かはわからないんですけど、本当にやばい状況ほど笑えてきちゃって。もちろん流れ的には負けるのが王道なので、勝ってヒーローになろう、じゃないですけど、なんか前向きに、楽しいなって思ってやっていました。今目の前の試合を楽しめないのはもったいないと思うので、そこだけはしっかりして、戦術は司(千莉)に任せて、言われたとおりにやっていました(笑)。

福岡乃愛副将(スポ4=兵庫・三田学園)

――昨日に引き続き、4試合連続で7番手まで回ってきました。試合前はどんな気持ちでしたか

試合前は自分が勝たなければいけないということを意識しないようにしていて、自分が勝てばチームが勝つとかそういうことをあまり考えずに、前半で出ているときのような気持ちでいこうという意識でした。

――今日の日大戦は第5ゲーム、9-10から勝利を収めました。試合中はどんなことを意識していましたか

相手が最後まで頑張って攻めてくるということが分かっていたので、逆に自分はそれに対して、わざと打ちやすいボールを送って、(相手に)攻めさせてミスさせるという風にしたら最後挽回することができました。

――実際に勝利した後の気持ちは

日大戦はほっとしたという気持ちが強かったです。

――チームはここまで4連勝ですが、どんなところに強さがあるでしょうか

誰かが点数を取られても他の人でカバーしあえるところがいいと思います。エースが負けたりしてもそれで雰囲気が悪くなったりせずに、他の人が自分が取るという気持ちで行けているのが競った試合で取り切れている要因かなと思います。