飛込インカレが開幕! 藤田が高飛込で4位入賞 得意技で巻き返しを見せる

飛込

第100回日本学生選手権(飛込) 9月7日、8日 東京アクアティクスセンター

 日本学生選手権(インカレ)の飛込競技が2日間にわたって開催。早大からは、6月の早慶戦でも活躍を見せた藤田優(商2=新潟)が出場。7日には3メートル飛板飛込、8日には高飛込が実施された。ダイナミックかつ繊細な動きが求められる飛込種目でそれぞれの選手がしのぎを削った。


決勝で演技する藤田

 2週間ほど前に鼓膜が破れ、練習もままならないままインカレに臨んだという藤田。1日目の予選は助走がうまくはまらず、点数が伸び悩んだ。特に4本目はスコア22.40と低迷したが、そこから徐々に調子を上げた。最終6本目には、その日予選で最も高い54.25点をマークし演技終了。合計260.55点で9位となり、上位12名が出場する決勝へと駒を進めた。迎えた決勝、1本目から安定した演技で7位タイにつけるとその後も予選の課題であった助走を改善し、演技をまとめた。5回目には、前向きに踏み切り、2回転半しながら1回ひねる技「5152B」で63.00点を叩き出した。6回の演技を終え最終スコアは303.20点。予選から2つ順位を上げ、7位でこの種目を終えた。


決勝の演技の合間に話す藤田(左)とコーチ

 翌日は、10メートルの高さから飛び込む高飛込。多くの選手が難易度の高い種目を選び、10メートルの高さから演技する中、藤田は怪我明けということもあり、評点を求め予選の6本は、全て5メートル台から演技を行なった。予選終了時点で表彰台も狙える5位につけると、決勝1本目はこの日初めての10メートル台からの演技。元体操選手らしい美しい後ろ向きの逆立ちから2回転1回半ひねり「6243D」で静かに着水し、2位タイという好スタートを切った。そして特に得意としている5本目の後ろ向きに立ち前に宙返り2回転半する「405C」で66.65点を獲得。最終6本目は10メートル台から、前向きに飛んで3回半回る「107B」でまとめ計315.40点。4位入賞となり、演技終了後はガッツポーズが飛び出した。


ひねり技を見せる藤田

 全演技終了後藤田は「僕的にも良い終わり方、良い締め方ができて良かった」と安堵の表情を浮かべた。練習不足などの不安はあったが、自身が今できる最大限の演技を見せてくれた。来年からは、パリ五輪で銀メダルを獲得した玉井陸斗(JSS宝塚)もインカレ参戦予定。今までよりもさらに注目度が上がる飛込種目で藤田も進化し続けることだろう。迫力満点の飛込種目、さらには主要大会で飛躍を見せる藤田から今後も目が離せない。

(記事、写真 大村谷芳)

結果
藤田

3メートル飛板飛込 7位(303.20)
高飛込 4位(315.40)

コメント

藤田優(商2=新潟)


――今回の試合はどのような目標を立てて臨みましたか
 
 今回は、2週間前に鼓膜を破って入院していて、2週間ほぼ練習できない状態だったので、とりあえず出るだけ出ようという感じで練習していました。板(3メートル飛板飛込)は、7番でギリギリ賞状を取れなくて悔しかったんですけど、高跳びがまさかの4番という良い結果で、シーズン終われてよかったとおも思います。

――前日の3メートル飛板飛込はいかがでしたか
 
 予選は、結構助走が止まったりしてしまって、あまりリズムに乗れなくて、良くなかったんですけど、決勝はそこそこ良い点数が取れるような演技もありましたし、全体的に見て怪我明けということ考えると実力通りかなと思います。

―― 高飛込では5本目に高得点を出しました、振り返って

 1番得意技というか、本当は10メートルでもう1回転増やして飛ぶんですけど、怪我明けということで5メートルで取り組んでいって、得意技なので絶対決めようという気持ちで飛んでいました。

――最後はガッツポーズで締めくくりました、監督やコーチとはどんな話を

 コーチは最後はもっと決められたみたいな感じだったんですけど(笑)。監督は怪我明けなのによく頑張ったと言ってくれました。すごい僕的にも良い終わり方、良い締め方ができて良かったなと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 とりあえずシーズンオフにはなるんですけど、11月にある東スイ招待(東京スイミングセンター優秀選手招待水泳競技大会)や、3月の翼ジャパン(翼ジャパンダイビングカップ兼国際大会派遣選手選考)という国際大会の派遣選考会の出場権を今回の高飛で得られたので、そこに向けてしっかりまた、まず怪我を治してから10メートルの種目をしっかり作って、トップで戦えるような演技をしていけたらなと思います。