連敗を止めたい日大戦 持ち味の粘り強いディフェンスでリードを守り切り、秋季リーグ初白星!

男子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月8日 東京・国士舘大学多摩体育館

 第3戦を迎えた関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)。ここまで2戦2敗と勝ちのない早大は、立体ディフェンスを得意とする日大と対戦した。立ち上がりから相手ディフェンスの裏の空間を積極的に攻め込むと、6点差をつけ17―11で折り返す。後半は粘り強いディフェンスで最後までリードを守り切り、27―24で今季初勝利を挙げた。

 ディフェンスからスタートした早大。安定した守りからつないだ外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)の速攻でまずは先制点を奪った。その後も3・3ディフェンスで守る日大に対して早大は、裏の空いたスペースをうまく使ったオフェンスを展開する。バック陣は1対1を積極的に仕掛け、ポスト陣はスライドやスクリーンでチャンスメイク、サイド陣はポストインなど多様な攻撃を見せた。一方のディフェンスでは、前半15分から約7分もの間、早大は日大に得点を許さず攻撃を封じ込める。16分には結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)が相手のチャージを誘い、この場面について試合後には「アナリストの分析とキーパーの井上さん(井上元、教育3=埼玉・大宮北)との練習で、イメージしながら試合に入れたのが大きかった」と語った。チームメイトの協力と準備があってこそのプレーが発揮された瞬間だった。前半20分には西村悠吾(人3=千葉・市川)が左サイドからシュートをゴールに突き刺すと、ベンチや応援席のボルテージも高まり、完全に早大が主導権を握る。その後も外種子田の相手2枚目をインに抜いてのミドルなど連続得点が決まり、17―11で前半を折り返した。

シュートを放つ外種子田。積極的に攻め込み前半だけで8得点をマークした

 後半も早大の勢いは止まらない。ポストシュートで日大に先に得点を許すも、白築琢磨主将(文構4=東京・早実)が技ありのミドルシュートを連発し、3連続得点を挙げる。一気に突き離したい早大だったが、後半14分半、相手の速攻の間に白築がレッドカードを受け退場となると、ここからは点を奪えない時間を耐える展開が続く。後半11分半の得点を最後にゴールが遠のいていた早大。苦しい場面にも関わらず、その間粘って苦しいミドルを打たせるなど、豊富な運動量のディフェンスを見せ相手に流れを渡さなかった。ディフェンスからリズムを作った早大は、今試合センターで起用された所真大(社2=岡山・総社)の1、2枚目間を割ったシュートや、尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)の速攻などで最後までリードを保ち、27―24で試合終了。秋季リーグ初白星を挙げた。

3枚目を守る結城(右)と小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)の昭和学院出身コンビ

 終わってみれば一度も相手に流れを渡すことなく、全員で勝ち切った今試合。前日の国士舘大戦でも見せた積極的なオフェンスと、得点を奪えない場面でもリードを守り切る粘り強いディフェンスで勝利をつかんだ。秋季リーグ開幕から3試合を終え、1勝2敗の早大。週末には3連戦が控える。次戦の相手は、入れ替え戦で法大を破り今季から1部リーグ復帰を果たした立大。勢いに乗る早大は、外種子田が語るように「総力戦」で連勝を目指す。

(記事 片山和香、写真 早崎静)

結果

関東学生秋季リーグ
早大 27―24   日大
   

17―11
10―13

   
スタメン

GK 渡辺航平(人4=神奈川・桐光学園)
CP 所真大(社2=岡山・総社)
CP 白築琢磨主将(文構4=東京・早実)
CP 結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 小柴創(スポ2=千葉・昭和学院)
CP 外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)
CP 増井浩介(スポ1=愛知)

 

コメント

外種子田崚汰(スポ3=鹿児島・国分)

――秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)初勝利となりましたが、今の気持ちを聞かせてください

 めっちゃほっとしています。3連敗もちょっとよぎってしまっていたので、悪い流れを断ち切るためにも、ここで勝てたのはめちゃくちゃ良かったです。

――前半の相手の立体ディフェンスに対して、2枚目を抜いて空いている裏のスペースを使う場面が多く見られましたが、オフェンスではどんなプレーを心がけていましたか

 昨日の国士(国士舘大戦)の時と同じ感じで、とにかく段差だったり、孤立した1対1とか、ポストがスライドして空いたスペースを狙うことですね。

――オフェンスでの連携はいかがでしたか

 今日は真大(所真大、社2=岡山・総社)が攻撃のかじを取ってくれていたんですけど、前半そこがかなりはまっていたので、僕もやりやすかったです。そのままうまく得点にもつながったので、攻撃はすごく良かったですね。

――後半途中にはなかなか得点が重ねられない時間帯もありましたが、最後に勝ち切れた要因は

 ディフェンスです。点取れない時でもディフェンスの創(小柴創、スポ2=千葉・昭和学院)だったり結城(颯太、スポ2=千葉・昭和学院)だったり守屋(雄司、スポ3=神奈川・法政二)がしっかり運動量持って守ってくれていたので、見ていて点を取られる感じはしなかったです。(自分たちの)点が入らない時でも(相手に)点取られなかったので、そこで粘れたのが大きかったかなと思います。

――外種子田選手の秋リーグの目標を聞かせてください

 得点力にこだわっていきたいと思ってます。でもまずは良いところで外す才能があるなと思っているので、それを払拭したいです。今日もやっちゃった場面はあったので、そこを改善しないといけないですね。

――最後に来週の立大戦に向けて意気込みをお願いします

 立教も含めて来週3連戦でたぶんめちゃくちゃきついんですけど、総力戦になると思うので、この1週間は全員がしっかり結果出せるように準備していく必要があるかなと思います。

結城颯太(スポ2=千葉・昭和学院)

――リーグ戦初勝利おめでとうございます。今日の試合を振り返っていかがですか

 今まで自分は(試合に)長い時間出ることがあまりなかったですが、今季から少しずつプレータイムが増えてきました。その中で体力的に少しきついところはありましたが、最後まで粘って戦えたので良かったです。

――相手の立体ディフェンスに対して裏をうまく使って攻め込んでいた印象ですが、オフェンスで意識したことを教えてください

 前の練習からBチームに3・3ディフェンスをやってもらって何回か練習させてもらったときに、村松さん(村松涼雅、商3=岩手・不来方)とかから裏スライドのやり方を教わって、それをこの試合で実行できたので良かったです。

――チャージを誘う場面も見られましたが、ディフェンスではどのようなプレーを心がけていましたか

 チャージについては、アナリストの人が動画を分析してくれた中であちら側に抜くことが多いという風に結論が出ていました。アップの時からキーパーの井上さん(井上元、教3=埼玉・大宮北)とかに一緒に練習してもらって何回かイメージしながら入れたので、その部分が結構大きかったです。

――ここまで秋季リーグ3戦ともスタメンでの起用です。秋季リーグの目標を教えてください

 今2敗してしまっているのですが、全部吸収があるなと思っているので、その中から1つでも勝ち星を積んで良い順位で終われればいいなと思います。

――秋季リーグの個人的な目標や、自分のここを見てほしいというポイントがあれば教えてください

 小柴(創、スポ2=千葉・昭和学院)とのコンビネーションや、ディフェンスから速攻まで持って行って自分のポストプレーで点を取っていきたいなと思います。

――立大戦に向けて意気込みをお願いします

 合宿などで立教と練習試合をしたときに、あまり良い手応えがなかったり、自分的にあまり良くないプレーをしてしまったのですが、そこは動画を見るなどして修正し、いろいろな人の力を借りて頑張りたいと思います。