主将・飯田、激闘の末に優勝! 5選手が全日本の切符つかみ取る

柔道

東京学生柔道体重別選手権大会 9月1日 東京・日本武道館

 10月頭に行われる全日本学生柔道体重別選手権大会(以下、全日本)の切符を巡り、東京学生柔道体重別選手権大会が日本武道館にて行われた。早大からは22名が出場。81キロ級の主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)が激戦を制し、優勝。また52キロ級では女子部主将・出口華(スポ4=兵庫・夙川)が3位で出場権獲得、そして81キロ級・松崎渡(スポ4=埼玉栄)、52キロ級・高木由有(スポ2=東京・淑徳)、63キロ級・木村優花(スポ1=徳島・生光学園)らを含め合計5名が今大会で新たに全日本進出を果たした。昨年度よりも厳しい結果となったものの、男女両主将が早大の意地を見せつける結果となった。

決勝・GS、巴投げで優勝を決める主将・飯田

 主将・飯田は2回戦から難敵である日大・北條にぶつかるも、対策を事前に行っていた事も功を奏し開始1分半で巴投げを決め技ありで勝利。3回戦は互いに指導を2つずつ取られ合う激しい攻防の末、GS(ゴールデンスコア)に突入。GS開始4分半、互いに機会を伺う中で積極的に攻め込んだ飯田は相手の隙を突いて背負い投げを決め技ありを奪う。続く4回戦・5回戦もGSにもつれ込んだが最後はそれぞれ大外刈・払巻込で技あり、飯田はここ一番の粘り強さを発揮し続けた。準決勝では開始20秒足らずの大外返で試合を制し、決勝に進出。決勝で迎えた相手は明大・伊澤。伊澤は国内のみならず海外の大会でも表彰台の座を掴み取る明大のルーキー。早大主将としてのプライドを胸に、飯田は気迫をみなぎらせながら決勝に臨んだ。互いに全く譲らない試合展開を演じ、GSへと進む。「体力は誰にも負けない」、こう語る飯田はその言葉通りのスタミナでGS開始5分を迎える直前に巴投で技ありを決め、伊澤を撃破。主将としての意地を見せ、念願の舞台での優勝を見事果たした。

全日本初出場を果たした松崎

 同じく81キロ級で出場した4年・松崎。初戦・2回戦から互いに譲らない一進一退の攻防の末、GSへ突入。試合の流れを自身に引き込み、最後は相手の反則負けで共に一本勝ち。3回戦では鋭い攻めの姿勢を見せ、試合開始2分半過ぎの支釣込足で技ありを奪取し勝利した。次戦では一本負けとなったが、松崎にとって初の全日本進出を決め試合を終えた。

3位で全日本進出を果たした女子部主将・出口

 女子部主将・出口は2回戦・3回戦共に果敢な攻めの姿勢を見せ、積極的に技をかけていった。最後には反則負けを引き出し駒を進め、3位の好成績で全日本進出を果たした。高木は1回戦で試合開始30秒で送襟絞で一本収め、実力を見せつける。勢いそのままに続く2回戦も横四方固で一本勝ち。だが続く3回戦で技ありを取られ、代表決定戦へと臨んだ。熱戦を繰り広げ、GS突入かと思われたが残り10秒ほどで相手に技ありを奪われ敗戦を喫した。背水の陣となった2度目の代表決定戦、高木は渾身の背負投で技ありを決め、最後に出場権を獲得する粘りを見せベスト8となった。

粘り強さを発揮し出場権を獲得した高木

 1年生で唯一の全日本出場となったホープ・木村は初戦・2回戦共に流れをつかみ、それぞれ大外返・肩固で1分以内に一本で試合を制した。3回戦での相手は国士舘の3年相手に奮戦。隙を突き上四方固で一本収めた。次戦では相手に一本奪われ敗退となるも、全日本ジュニアへの出場権を獲得。木村の全日本での活躍に期待がかかる結果となった。

早大柔道部の矜持を見せた男女両主将

 主将である飯田が強敵との激戦を制し、念願の優勝を果たした今大会。また女子部主将・出口も3位の結果で、共にキャプテンとして執念を示した。一方、残念ながら涙を飲む結果となった部員も少なくない。今回出場を勝ち取った選手全員がその部員の想いを背負い、躍動を見せてくれるであろう。全日本は9月1日、日本武道館にて行われる。次に目指すは優勝、日本一だ。早大柔道部の矜持を胸に刻み、全国の舞台という決戦へと挑む。

(記事、写真 今村奎太)

結果

男子

飯田健介 (社4=福岡・南筑)  優勝

松崎渡 (スポ4=埼玉栄)  ベスト16

女子

出口華(スポ4=兵庫・夙川)  3位

高木由有(スポ2=東京・淑徳)  ベスト8

木村優花 (スポ1=徳島・生光学園)  ベスト8


コメント

主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)

――本日の試合を振り返って率直にいかがでしたか

 ずっと東京都学生で優勝することを目標に頑張ってたのですごくうれしいです。

――今回大会に臨むにあたり意識されたことはありますか

 1回戦から強い選手と戦うことが予想されてたので、その相手の対策を練習の時からやってきました。その練習でやってきたことを全部出そうっていう気持ちで試合に臨みました。

――今回はGSからの粘りの勝利が多かったですがどのように感じられますか

 体力は誰にも負けないように練習含めて走り込みもやってきたので、それを今日この場で発揮できたことが優勝に繋がったと思います。

――去年との大会の違いはありますか

 去年はベスト16で終わって正直全日本への出場が決まったことで満足しちゃってた自分がいたんですけど、今回はそのベスト16で満足することは一切なくて、もう優勝することだけを目指してたのでその点は去年と成長できた部分かなって思います。

――主将として、チーム全体を踏まえての振り返りはいかがですか

 男子部で言うと去年と比較して思うような結果ではなかったですが、また尼崎(=全日本学生柔道体重別団体優勝大会)での団体戦でチームとして戦うので、ふりかえってそこに向けてチーム一丸で頑張っていきます。

――今後に向けての意気込みをお願いします!

 10月5日、6日に行われる全日本学生で優勝したいです。講道館杯(=全日本柔道体重別選手権大会)も今日優勝して出場が決まったので、そのシニア交えた大会でも優勝できるように頑張っていきます。