秋季リーグ初戦 徹底した堅守速攻で粘り勝ち! 「3位以上」へ好発進

女子ハンドボール

関東学生秋季リーグ 9月5日 東京・国士舘大学多摩体育館

 9試合に及ぶ秋季リーグが開幕。初戦は、春季リーグの初戦と同様の国士舘大。春は接戦となりながらも、終盤に勝ち越され、倒すことができなかった相手に全てをぶつけた。試合序盤から激しい攻防戦となり11-12で前半を折り返すと、後半も互いに点数を取り合う展開が続く。しかしその中で相手の速攻を許さない早大のディフェンスが光った。試合開始から続いたシーソーゲームに終止符を打ったのは早大。見事初戦を制した。



円陣を組む選手たち

 今までの試合とはポジションを大きく変えて臨んだ早大。普段はポストでプレーする杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)がディフェンスの1枚目と2枚目間を割ったシュートで鮮やかに得点するが、その後は果敢に挑んだシュートが入らない時間が続く。しかし、この日はディフェンスの足がよく動いた。「足が止まっているというのが自分の課題」と話した杉浦も相手の速攻を徹底的に止め、点数を与えなかった。また、相手チームの選手が退場している時間を生かし、この日約2年半ぶりのスタメン復帰となった木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)がロングシュートを決めると、井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)のステップシュートも決まり、オフェンスも波に乗り出す。後半26分には、最大3点差をつけられたが、そこから石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)のポストシュート、里村采音(商2=岩手・不来方)のサイドシュートなどが連続して決まり、11-12で前半を終えた。



シュートを打つ石坂

 必ず勝利を手にしたい後半、木村の7メートルスローによる得点で始まると、夏に強化してきたというクロスアタックや最後まで守り切るディフェンスで徐々に早大に流れを引き寄せる。粘り強いディフェンスで相手ボールを支配することで、速攻による得点率が急激に伸びた。ケガから復帰した山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)も途中出場し、普段通りの強烈なミドルシュートで安定感を与えた。GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)の好セーブも連発し、後半23分についに逆転。最後は、木村が注目の江頭理沙(スポ2=東京・ICU)がサイドシュートを決め試合終了。26-24と接戦をものにした。

 春季リーグでは惜しくも敗戦した国士舘大との対決を制した早大。いつもとは異なるポジションでやりづらさを感じる選手もいたが、試合後には改善点を見つけ次戦につなげる姿勢があった。強豪校との対決に向けてまずは着実に勝利を重ねてていきたい。次戦は今シーズン1勝1分の桐蔭横浜大。勢いそのまま、白星をつかめるか。

(記事 大村谷芳、写真 片山和香)

結果
早大26ー24国士舘大

前半 
早大11-12国士舘大

後半
早大15-12国士舘大

スタメン
GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)

LB里村采音(商2=岩手・不来方)

PV石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

CB井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

RW 江頭理沙(スポ2=東京・ICU)

コメント



ハイタッチする井橋(左)と杉浦

杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)
――今日のプレーを振り返って

 リーグで初めてバックからのスタートになったので、すごく緊張していました。練習してきたことを出せたかなと思ったので、そこは良かったです。ですが、ディフェンスから速攻という自分たちの方針があるんですけど、最初のうちからディフェンスを固めることができなくて、結構点数を取られて相手のペースに乗せられたことが反省点です。ちゃんとディフェンスを固めて戦うようにしたいと思います。

――秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)チームで最初の得点を決められましたが、どのような気持ちで試合に臨まれていましたか

 やはりバックが初めてだったので、もうチャンスがあれば走り込んで決めてやろうという気持ちではいました。

――普段とは違うポジションでやりづらさはありましたか

 コーチの方にもおっしゃっていただいたんですけど、足が止まっているというのが自分の課題だと思ったので、いつもポストなので横の動きが多いですが、バックに入った時はちゃんと前を見てボールをもらう前の動きをもっと頑張りたいと思います。

――相手の速攻を止める場面が多かった印象です。チームで意識していたことはありますか
 
 (相手の)右45が右利きだったので、逆側に寄ってけん制でカットを狙えるようにというふうに話していました。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 また明日練習して土日の試合があるので、体力的にもきつい試合になると思うんですけど、1試合1試合ちゃんと課題を克服していけるように、まずは今日見つかったミドルに対してのアタックという課題を修正してもっとできるようにしたいと思います。

井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

――大事な初戦を勝利で終えましたが、今の率直な感想を聞かせてください

 勝つか負けるか分からなかったので、とにかく勝てたことがまずうれしいです。

――点差が離せない時間帯にも、センターから笑顔で指示出されてる姿が印象的でした。このチームのセンターとしてどんなプレーを心がけていますか

 自分はそんなカットインとかミドルがすごいうまいわけではないので、45に打たせようという気持ちでプレーしていましたが、パスばっかりになってしまって自分が前を攻めるという意識が全然なかったので、次の試合は常に前を攻めて、攻めながら状況判断をできたらいいなと思います。

――夏の期間に練習してきたことで、この試合発揮できた部分はありますか

 ディフェンスのけん制、クロスアタックです。相手の右45が右利きなので、1対1を仕掛けてきた時、左にパスを飛ばしづらいんです。なので右45が強く1対1した時に、(逆の2枚目から)クロスアタックをとにかく運動量マックスでやるということを意識していて、それが発揮できたなと思います。あと春よりは自分のマークに対しての高さが出せたのかなって思います。

――後半中盤で苦しい展開がありましたが、最後勝ち切れた要因は何ですか

 ディフェンスでちゃんと守り切って最後のリバウンドも取って、そこからオフェンスにつなげてシュートもみんな強気で行って決めきることができたので、それが自分たちの流れにできた要因かなと思います。

――最後に桐蔭大戦に向けて意気込みを聞かせてください

 桐蔭戦は流れが向こうに行ったり早稲田になったりすると思うんですけど、自分たちの流れになった時にそのままの勢いで点差を離したり縮めたりできるように、ディフェンスから運動量マックスで動いて、速攻に持っていったりシュート決められたりしたらいいなと思います。