【連載】競泳 インカレ前対談『栄虹』 第7回 松田藍青×加藤心冨×熊谷奈津季

特集中面

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第7回は、平泳ぎを専門とする松田藍青(スポ3=愛知)、加藤心冨(スポ1=埼玉・春日部共栄)、熊谷奈津季(スポ1=東京・戸山)の3選手。同じ専門種目だからこそ分かる楽しさや苦労が語られた。

※この対談は、8月13日に行われたものです。

お互いについて

――他己紹介をお願いします

松田 加藤心冨ちゃんは、学外で僕もそんなに詳しくは正直知らないんですけれど、競技面でいうとやはり高校時代から大学生とか社会人とかそういう一般の人と混じってもすごい結果を残してる選手です。今年のインカレでもきっと上位とか本人は二冠したいというふうに言っているので、それを僕たちには見せてくれるのかなと信じています。

加藤 熊谷さんは、私とは大学で初めて知り合った選手で、まだ泳ぎも同じ平泳ぎなので見る機会が少ないのですが、高身長での大きい泳ぎやスタートからスピードが出ているという印象です。あとはスプリンターだと思うので、200メートルよりは100メートルが 強いのかなという感じです。

熊谷 松田さん練習中はすごく真面目というか、すごい真剣でストイックだなというのが第一印象です。でも、練習外ではすごく話しかけてくれたり、練習中も声をかけてくださったりするので、すごく優しい先輩だなという印象です。

――平泳ぎ専門の3選手が揃いました、平泳ぎの好きなところ、大変なところはありますか

松田 良いところは正直僕自身は分からないのですが、きついところといえば、練習をする上でサークルが一緒とかだと平泳ぎは1番遅い種目なので普通にきついというところですかね。あとは100メートル、200メートルで結使う泳ぎというか、テンポ感とかも違ってくるので、そういう面では難しいのかなっていうふうには思います。

加藤 私的に良いところはバタフライとかよりはきつくないのかなって思います(笑)。私的には平泳ぎが1番好きな泳ぎなのですが、きついところはサークルもそうですし、平泳ぎが1番その日によって感覚が変わりやすいのかなって思います。

熊谷 良いところは、その選手ごとに他の種目より泳ぎ方、フォームの形とが違ったりするので、それを見れるのが良いところだなと思います。きついところは松田さんもおっしゃっていましたが、他の種目と比べて遅いので、サークルとか一緒だときついというのがあります。

――趣味やオフの日の過ごし方を教えてください

松田 最近はインカレ前ということもあって、あまり東京とか人の多いところには行っていないのですが、多いのは、学内練習の生徒とご飯に行ったり、遊びに行ったりということが多いですね。最近多いのはダーツとかカラオケとかが多いです。

加藤 趣味がK-POPを聞くことなので、最近の息抜きとかオフの過ごし方は、推し活です。


推し活について語ってくれた加藤

熊谷 私は寮に住んでいるので、オフの日に実家に帰ったり、あとは家族とご飯を食べに行ったりしています。

今シーズンについて

――今シーズンの目標や現時点での達成度、印象に残っているレースを教えてください

松田 今年の日本選手権(国際大会代表選手選考会)が終わって、その新シーズンが始まって一応インカレで2種目A決勝という目標を立てたのですが、試合を重ねてくうちにうまくはいっていなくて。目標達成は正直遠いのかなとは思ったりもしますけれど、まだ3週間ぐらいあるので、そこで修正して1種目でもベストを出して決勝に進めたらなっていうふうに思っています。印象に残った試合は早慶戦で、結果自体はASとか飛び込みとか含めて2対2だったのですが、競泳自体は慶応に一応全勝したというところで、結構良い流れというか、選手的にもメンタル面でのうれしさといいますか、達成感を得られたのかなというふうには思います。

加藤 今シーズンの目標はインターCのタイムを突破することで、インカレの目標は二冠することです。印象に残った試合は東京都選手権で、私は元々主要大会以外は、頑張れないみたいな選手だったのですが、大学に入って主要大会でタイムを出すためには、小さい大会やそれまでの1ヶ月ごとの試合でベストに近いタイムで泳いで、主要大会でもベストを突破するという流れを作ることを今年から取り入れたということで東京都選手権ではベストに近いタイムで泳ぐことができました。選考会が終わって2ヶ月ぐらいだったのですが、いつも6月はタイムが出ない時期なんですけど、今年は頑張れたので良かったなと思います。

熊谷 今シーズンの目標はインカレでベストを更新することです。1年間ベストが出ていなくてベストが出ていなかったり、大きな舞台だと緊張とかで力が発揮できなかったりするので、大学に入って初めてのインカレで自己ベストを出して、大学水泳の良いスタートを切れたらなと思っています。 印象に残ってる試合は関カレ(関東学生選手権)で自分の結果としては良くなかったのですが、チームで一丸となって戦うというのを初めて経験して、応援とかも含めてすごい盛り上がったので印象に残っています。

――今回のインカレで引退される4年生もいらっしゃいますが、4年生との印象的なエピソードはありますか

松田 僕は3年生なので4年生と3年ぐらい一緒にいて、思い出はたくさんありますが、その中でも僕が大学に入った時の年末年始で、卒業された田中大寛さん(令6スポ卒=大分・別府翔青)と山本拓武さん(スポ4=千葉・成田)と同期の林大輝(スポ3=大阪・同志社香里)と僕で、12月31日から1日にかけて渋谷まで行って、渋谷で年を越して、その後神社とか温泉とか入って帰るっていう、丸1日ぐらい一緒にいて。家族以外とずっと遊んでという機会はなかったので、それは本当に印象的で楽しかったなというのは覚えています。


先輩との思い出を語る松田

熊谷 水泳部に入って短い期間だったので、あまり深く関われたことはなかったのですが、普段の練習とか試合とかでたくさん声をかけてくださったり、ご飯に一緒に連れていってくださったり、すごい優しくしてもらったりというのが第一印象です。新しい環境に入って不安とか緊張とか結構あったのですが、4年生が引っ張っていってくださったので、今はすごく慣れて、楽しく充実した時間を過ごさせてもらっています。よく関わった先輩は、その縦割班が一緒だった山中涼さん(スポ4=東京・駒場)です。試合ごとに目標シートがあって、毎回枠いっぱいとか枠を超えるまでコメントを書いてくださって、すごく良い結果の時も悪い結果の時も励まされて、頑張ろうという気持ちになれたので、すごく一緒に過ごせて良かったなと思えた先輩です。

加藤 私も学外なのであまり関わる機会がなかったのですが、縦割り班で長牛さん(長牛太佑男子主将、スポ4=京都外大西)と小原さん(小原天寧女子主将、スポ4=東京・目黒日大)と一緒で、印象に残ってるいことは、縦割り班で東京に外食に行ったことです。みなさん本当に優しくて、大学4年生ってこんなに優しくて大人っぽいんだなと思った印象があります。

インカレについて

――インカレについて伺います、出場種目とそれぞれの目標について教えてください

松田 僕はインカレに100メートル平泳ぎと200メートル平泳ぎに出場します。目標は、2種目とも決勝に進出して、得点を1点でも多く持ち帰ることです。

加藤 出場するのは100メートル平泳ぎと200メートル平泳ぎと多分メドレーリレーも出場します。個人の目標は二冠することとインターCのタイムを突破することです。メドレーリレーでは中京大学さんとか中央大学さんとか結構接戦になると思うんですけど、4年生の松本信歩さん(スポ4=東学大付)とリレーを組むことができるので、優勝できたら良いなと思っています。

熊谷 私はインカレ200メートル平泳ぎに出場します。目標は自己ベストを更新することです。

――現在、目標達成に向けて重点的に取り組んでいることはありますか

松田 関カレまでで正直ベストから遠いタイムで泳いでたので、今は結構フォームの動画撮影であったり、水中で撮影できるゴープロを使ったりして、1度昔のコーチと対談して、フォームを高校の時のように改善しました。インカレでは自力はついていると思うので、フォームを改善してベストを更新できたらなといふうに思っています。

加藤 200メートルの強化をしてるのですが、ストロークを25メートルまでは少なくかいて、25メートル過ぎてからテンポをあげるという練習をしています。200メートルのレースで壁際になるとスピードが落ちてしまうという癖があって、25メートルまでは、集団の中でもトップでいけるんですけど、25メートル過ぎてから追いつかれてしまうのでその50メートルをビルドアップでいけるような練習と、100メートルでは、後半を34秒台で帰ってこれるように意識して練習しています。

熊谷 私は元々後半がすごく弱いので、前半をできるだけ楽に速く入って後半耐えるということを意識していて。後半になると泳ぎが小さくなったり、キックとプルのタイミングがずれたりするので、練習のきついところで、そのフォームをいつもより意識することを考えてやっています。100メートルは結構スタートも大事だと思うので、スタート練習もメニューが終わった後に結構意識してやっています。

――早大で注目している選手を教えてください

熊谷 同期の青木虹光(スポ1=群馬・明和県央)です。学内練習で、グループが1番ロングのグループなんですけれど、いつも結構きつい練習をしていて、毎回きつそうなんですけど、全部の練習を頑張っていてすごいなと思うのと、試合ですごい前半から躊躇することなくというか、怖がらずに前半から突っ込んでいて、後半も耐えているので、 インカレでもそういう積極的なレースをして上位に入るのではないかなと思っています。

松田 僕は4年の山本拓武さんです。理由としては、やはりラストインカレということもあって、4年生は毎年最後のインカレはもう本当に爆発してくれるので、本当期待しています。メドレーリレーで引き継ぎをするのが拓武さんなのでそこでちょっと思い入れもあります。本当にメドレーリレーは昨年と同じメンバーでまた戦うので、また昨年は4位っていうちょっと悔しい結果になってしまったので、今年は表彰台を狙うためにも 僕も頑張るのが第一ですけれど、拓武さんにはすごく期待しています。

加藤 1年の松井理宇(スポ1=東京・日大豊山)です。理由は、高校時代から勝負に強い男だなという印象だったので、大学の1番大きい大会のインカレではすごく気持ちも入っているだろうし、表彰台に乗ってくれるのかなって思います。

――ご自身のレースでの強みや注目ポイントを教えてください

松田 僕の100メートル、200メートルどちらもですが、僕も最近ビルドアップを実際に練習していて。なので、そのターンに近づくにつれてどんどんテンポが速くなって、その他の選手を引き離せるようなレースに注目してほしいです。

加藤 100メートルと200メートルのどちらも後半でライバルを引き離すというレース展開を最近はしているのでそこに注目してほしいのと、100メートルでは前半型なので、100メートルの前半にも注目してほしいなと思います。

熊谷 私は結構前半型なので、スタートからのスピードを注目してほしいです。


対談中、笑顔を見せる熊谷

――最後にインカレに向けて、インカレ後の意気込みをそれぞれお願いします

松田 インカレの意気込みは、昨年のリベンジをするというところで、100メートル、200メートルでもメドレーリレーでも、1つでも順位を上げることが目標です。インカレ後は一応僕の中では大きい試合が国体(国民体育大会)になるので、国体のメドレーリレーで表彰台に上れたらなというふうに思っています。

加藤 インカレの前にジュニアパンパシフィック選手権に出場して、その後にインカレがあるのでうまく調子を合わせて、早稲田大学に貢献するために、調子が良い悪い関係なく、全力で泳げたらなと思います。インカレ後は、まだ国体に出場できるか分かりませんが、出場できたら100メートル平泳ぎなので、オリンピック選手とかも出ると思うので、あわよくば勝てれば良いなと思います。

熊谷 インカレの目標は、自己ベスト更新です。1年間ベストが更新できていなくてこの1年間、結構悔しい思いをずっとしてきたので、その1年分の思いを晴らせるように、インカレで大ベストを更新して、チームに勢いをつけられるようにしたいです。インカレの後は、私はまだジャパンオープンや日本選手権に出場したことがないので、そのシニアの標準を突破できるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材、編集 大村谷芳)

◇松田藍青(まつだ・あいせい)
2003(平15)年7月16日生まれ。173センチ。愛知高出身。スポーツ科学部3年。レース後のインタビューや対談中も常に冷静な松田選手ですが、4年生とのエピソードは終始笑顔で話してくれました!

◇加藤心冨(かとう・ことみ)
2006(平18)年1月5日生まれ。163センチ。埼玉・春日部共栄高出身。スポーツ科学部1年。K-POPが好きな加藤選手は、休みの日にカフェやライブに行って推し活を楽しんでいるそうです!

◇熊谷奈津季(くまがや・なつき)
2005(平17)年4月18日生まれ。170センチ。東京・戸山高出身。スポーツ科学部1年。高身長を生かしたパワフルな泳ぎが魅力な熊谷選手。これからのシニアの大会でもたくさんの活躍が期待できそうです!