【連載】男子水球 インカレ直前対談『咲』第2回 中村大智主将×曵地孝太郎

特集中面

日本学生選手権水泳競技大会水球競技(インカレ)直前対談第2回は、中村大智主将(スポ4=埼玉・秀明英光)と曵地孝太郎(スポ4=埼玉・秀明英光)の二人。小学生の時からチームを共にし、今年が学生水球ラストとなるお二人にお話を伺った。

※この対談は、8月17日に行われたものです。

お互いのこと

――まず、他己紹介をお願いします

中村 彼の名前は、曵地孝太郎です。僕とは、高校の時からチームメイトで、小学生の時から千葉の川崎というチームで一緒にやってきた仲です。高校1年生の時は、帽子番号が隣で僕が11番で、彼が12番で、大学に入ってからは、お互いに1年生の時から試合に出ていて、彼はセンターラインの重要なポジションで、僕は点を取るポジションにいて、お互いに信頼関係のある仲という感じでやっています。

曵地 小学校からずっと知っていて、まさか高校が一緒になるとは思ってもいなかったのですが、彼は、ずっと試合に出ていて、エースのポジションも任されていて、大学でも一緒に試合に出られることにはまず嬉しく思います。私生活では、プレーしているときとは打って変わって、変なところが多く、ずっとゲームをしていたり、よく奇声を発したりしますが、水に入れば、阿吽の呼吸というか、何をしたいのかは、言わなくてもわかるので、これからも活躍して欲しいなと思います。

対談中の曵地

――お互いの良いところ、直してほしいところを教えてください

曵地 喧嘩になりますよ(笑)。

中村 殴り合いになる(笑)。

曵地 悪いところから先行きますか、良いところで挽回できるので(笑)。悪いところは、浮き沈みが激しくて、調子の良い時は、誰よりも良くて、良くも悪くもキャプテンとしての重荷があって、そのストレスで気持ちが沈んでしまうと高低差が激しくなるので、そこが良くないところだと思いますね。奇声を発していること自体は、悪いところではないのですが、もう少し静かに、大人しくして欲しいかなと思います。良いところは、誰にでも意見を言えるところで、どの立場の人にも言えることはすごく良いところだと思います。水球に関しては、誰よりも熱心で、プレーも技術的な部分もすごくあって、練習もストイックなので見習うべきところが多いです。すごく素直なところもあり、みんなに良く言われれば鰻登りになってくれるので、それはすごく扱いやすいですね(笑)。

中村 悪いところは見当たらないんですけど・・・(笑)。

曵地 いいって、そういうの(笑)。

中村 ノリがいい時と、気持ちが今乗っていないなという時があって、そのやる気の差と、基礎練習に対する顔がやっぱりダメなところかなって(笑)。良いところは、自分とは違うキャラクターを持っていて、一つ一つの発言やチームメイトの鼓舞の仕方の面が自分ではできないようなところがあって、良いところだと思います。

――プライベートで遊びに行ったりするのですか

曵地 こいつ部屋から出ないんですよ。

中村 でないですね(笑)。

曵地 昼ごはんとかは行きます。夜は、本当に部屋から出なくて、高校の同期の集まりとか、後輩に誘われた時に飲みに行くとかくらいですね。

――趣味やハマっていることはありますか

中村 最近は、ジグソーパズルにハマっています。部屋一面に飾っていますね。1000とか2000とかを作っていて、今ハマっています。

曵地 僕は、映画をよく見に行きます。

――最近では何を見られましたか?

曵地 マーベルの「デットプール&ウルヴァリン」を見ました。マーベルシリーズが好きでよく一人で見に行ったりします。

早慶戦でシュートを放つ中村

――水球を始めたきっかけを教えてください

中村 僕は、0歳ぐらいからベビースイミングという形で親と一緒に水泳の方を始めて、小学校4年生の時に選手コースに上がったのですが、ただ泳ぐのが面白くなくて、親に「やる気ないなら辞めなさい」と言われて、実際に辞めるとなったのですが、その時に母親に「せっかく続けてきたものだから違う形で続けて欲しい」と言われて、色々調べてくれて、近くに水球のチームがあったのでその体験に行ったのをきっかけに初めました。

曵地 保育園の時から川崎のスイミングスクールで水泳をしていて、水が好きで、あとドッヂボールも好きだったので、たまたま水球の勧誘を受けたのをきっかけに、やってみたらすごく楽しくて、親に相談したら、野球とかサッカーって服が汚れるじゃないですか(笑)、それより水着一枚で洗濯楽だからいいよということで、始めてから続けてやってきました。

今季の試合を振り返って

――関東学生リーグ戦の振り返りをお願いします

中村 リーグ戦最初の中大戦での勝利が肝心だったと今振り返ると思っています。中央大学と練習した時もなかなか勝ちきれていなくて、このままシーズンがダラダラと始まってしまうのかと思っていたのですが、リーグ戦で1点差のゲームをしっかりと勝ち切れて、その1勝がこのシーズンの原動力になったと思います。1回勝ったことで勝つ喜びを自分の中では、すごく感じれましたし、4年間の中で、勝てたと思えた試合がなかなか思いつく限りなかったので、久々に皆で勝てたと思った試合で、全体を振り返ってもあの1勝が全てだったのかなと思います。

曵地 これまでの3年間のリーグ戦を振り返ると負け癖というか、試合に対しての勝利数がすごく少なかったのが事実であったのですが、今年は、勝ちも多く、結果としては、最後の慶大戦でもうワンランク上に行けたと思うのですが、1点差のゲームを勝ちきれた試合もあり、個人としてもいい出来だったと思います。

――今チーム全体として練習で特に力を入れている点は

中村 決定的な場面でしっかりと決め切るところが欠けている部分で、1点取れるところで1点取られてしまうとマイナス2点分なので、その部分を全体として自分も強く言うようにしていて、周りも特にキーパーなどは、実際にシュートを受けていて、その部分を感じることが多いと思っていて、そこの強化の部分は、ずっと続けてきています。

曵地 早慶戦やリーグ戦を振り返ると、流れの部分が課題だと思っていて、途中勝っていたのに最後に押し負けてしまう部分なども多く、練習試合も含めて流れの持っていき方や流れを持って行かれた時の断ち切り方などを特に練習試合では意識しています。なの

――個人として力を入れて練習している点は

中村 自分は、基礎体力の部分に力を入れています。体力に自信がないわけではありませんが、1試合の中で体力を使い切ることには、意識しています。試合の中でも省エネで動く部分と、力を入れる部分とでメリハリをつけてやってはきたのですが、いざという時に続かなかい部分が早慶戦でも出てしまったので、最後ギリギリでも踏ん張れるような基礎体力を作ることは考えてやっています。

曵地 決定力とか、ボールをもらった時にどれだけ決め切れるかは自分の中では課題だと思っていて、早慶戦では、自分にボールが回ってくる場面も多かったですが、決めきれない場面が多く、そこが課題です。最終ラインでディフェンスをした後にどれだけ泳げるか、その後に自分の得意なパワープレーに走れるかまでの体力が課題だと思います。

明大戦での曵地

――長年一緒にプレーされてきたと思いますが、プレイヤーとしての存在や印象は

中村 エモい感じね(笑)。

曵地 ずっと一緒にプレーをしてきて、特に大智は、特に言葉にしなくてもアイコンタクトとかで何をしたいか、どうしたいのかは分かるので、(中村の)オフェンスに関しては、他大学と比べても一級品なので、信頼しています。ディフェンスに関しては、あまり得意ではないのでそこは任せてもらっていて、信頼してくれているなと感じています。

中村 お互い得意分野が違うので、それぞれが生きる場面があるし、活躍する場面があって、できないことが急にできるようにはならないので、そこをお互いわかってプレーする部分が多いかなと思います。

――最上級生として心掛けていることを教えてください。中村選手は、主将としての心掛けていることなどを教えてください

中村 心掛けていることは、すべてに最後がつくところで、練習試合でも今日が試合をするのが最後だと思ってプレーしているのが現状で、たった一回手を抜いてだけで、それが試合にでてしまったらと思いますし、信頼関係は、1日で構築できるものではないので、信頼を得てないと思っているわけではないのですが、ここぞっていう時にパスを回してもらえるとか、は信頼の証だと思うので、常に危機感持ちながらやることを意識してやっています。

曵地 4年生として、後輩たちにどれだけ何かを残せるのかということで、最後勝ちたいという部分がすごくあって、4年目として、これまで勝てなかった分、勝ちたいなという思いが強くあります。

――中村選手は、先日「AIDEN」さんとのエキシビションマッチがありましたが、収穫や印象に残っていることはありますか

中村 まず印象としては、前キャプテンの都田(都田楓我、令6スポ卒=現AIDEN)が出場していて、まさか対戦相手になるとは、自分も予想していなくて、とても新鮮な感覚でした。また、他大学の選手と交わって試合をすることがなかなかないので、自分は、合宿とか何度か呼んでいただいて、何度かやったことはありましたが、ちゃんと味方として試合をしたことは無く、この選手はこんなことを考えているんだとか、試合中こんなことを思っているのかなどを知れてよかったなと思います。また、小中高大とライバルとして削り合ってきた人たちもいて、元々チームメイトだった人が敵になったり、敵だった人がチームメイトになったり色々あった中、まず試合を開催していただいたこと自体がとても嬉しいことだったなと思います。

対談中の中村

インカレについて

――インカレで注目してほしいポイントは

中村 顔の大きさでしょ(笑)。

曵地 このイケメンフェイス、違うか(笑)。ディフェンスの要として、特にインカレでは、順調に進めば2回戦目で専修大学と対戦というところで、そこでは、相手の強い選手にディフェンスをつくので、気迫のこもったディフェンスは、見てほしいですね。

中村 自分は、マークされることが多いポジションではあるので、一概に得点に全て絡みたいとかはないのですが、自分としては、スピードと一対一の部分が強みだと思っていて、その強みを発揮できるポジションを探して、そこで得点を量産できたら一番いいのですが、味方の得点シーンに関わっていけたらと思います。

――最後に意気込みをお願いします

中村 2回戦目に日本大学か、専修大学と対戦するというところで、専修大学に関しては、自分の4年間の中で一度も勝ったことのない相手なので、まだ勝ったことのない相手に挑戦できることがまず良いことだと思いつつも、勝たないと面白くないので、自分たちの勝った姿を支えてくれている親や今まで指導してきてくれた先生や普段一緒に練習をしている女子の部員などたくさん応援してもらっているので、少しでも恩返しができるように、成長した姿を見せられるようにしたいと思います。

曵地 まだメダルをもらったことがないので、まずはメダルを獲得して、両親であったり、応援してくださっている人たちに恩返しができるようにと、これまでやってきた4年間の自分のためにも勝ちに行きたいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・写真・編集 指出華歩)

インカレに向けての意気込みを書いていただきました

♦︎曵地孝太郎(ひきち・こうたろう)写真左

2002年(平14)4月28日生まれ。秀明英光高等学校出身、183センチ。映画を見に行くことが趣味だという曵地選手。気迫のこもったディフェンスに注目です!

♦︎中村大智主将(なかむら・だいち)写真右

2002年(平14)8月27日生まれ。秀明英光高等学校出身、175センチ。普段は、インドア派だという中村選手。主将としてチームをまとめながら、応援してくださる方々のためにも勝利へと導きます!