【連載】男子バスケットボール部 関東大学リーグ戦直前特集『GO UP AS ONE』 最終回 G飯島慶記主将×G岩屋頼×G下山瑛司

特集中面

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 最終回にはG飯島慶記主将(人4=茨城・下妻一)、G岩屋頼(スポ3=京都・洛南)、G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)のガード陣が登場。1部昇格へ向けて、チームの司令塔となる彼らの心境に迫った。

※この取材は8月7日に行われたものです。
※飯島主将のみ、オンラインで参加していただきました。

お互いの紹介

――最初に他己紹介をお願いします

飯島 岩屋頼くんです。最近は本当に練習中から声を出すようになって、キャラ変したんじゃないかというくらい頼もしくなりました。プレーではドライブからミドル、最近はスリーまでも入り始めて、ガードでオールラウンドに活躍していてすごい選手なのでみんなに見てほしいです。よろしくお願いします。

岩屋 下山瑛司です。小さいけど速いです。速さだけを武器に、一旦頑張っています。

下山 一旦…?

岩屋 でも実はバスケもうまいです。速いだけじゃないんだぞと。私生活は後輩感強めで、かわいいキャラを演じています。

下山 飯島慶記さんです。すごく熱い人で、慶記さんより熱い人は見たことがないと思います。練習中はキャプテンとしてチームを引っ張ってくれるし、試合中は厳しい状況の時に慶記さんが声を掛けてくれることでチームの雰囲気も上がって、自分も一緒にやっていて頼れる存在だなと思います。私生活はアニメが好きで、そこがギャップ萌えだと思っています。

――3人の関係性は

岩屋 僕と瑛司は寮が一緒で、一緒にご飯を食べたりします。慶記さんはプライベートでめっちゃ遊ぶとかではないですけど、普通にしゃべります。慶記さんインドアなんでね。

飯島 そうね。あんまり部活の人とご飯に行ったりはしていないので、部活内でしゃべったりする感じかな。

――お互いの尊敬しているところは

岩屋 なんやろ。(飯島選手は)全部ですね。私生活もちゃんとしてるし、言うことは言えるし、ハッスルもするし。早稲田の理想型みたいな感じの人なので、こういう人になりたいなと思っています。瑛司は走るのが速いところは尊敬してますし、先輩との関わり方はうまいんじゃないですか。よく先輩と一緒にご飯行くから、それはすごいなと思います。

飯島 頼に関してはバスケうますぎて、1対1で頑張って止めようとしても毎回決められるので。

岩屋 んなことないやろ。

飯島 あと、実は結構頼りになるところとか(笑)。

岩屋 実はね。

飯島 普段はあんまり表に出さないけど、根に持ってるところはしっかりしてるんだなと感じています。瑛司はバスケットボールに対して本当に真剣で、チームの中で一番バスケットボールに向き合っているんじゃないかなってくらい自主練もしてるし、練習中もビュンビュンスピードで一番輝いているというか。バスケットボールに対して一番真剣だなというのが尊敬しているところです。

下山 慶記さんは、オンコートオフコート関わらずいつでも頼りになる存在です。オンコートだとさっきも言ったようにハッスルして、早稲田らしさ全開で尊敬しているし、オフコートでは周りの選手に目を向けていろいろ相談に乗ったり話し合ってくれたりするので、頼りになる存在だなと思っています。頼は、尊敬というかお兄ちゃんみたいな存在で。何をやっても一つ上を行っているような感じです。

対談中の下山

ーーそれぞれ同期の選手の中で、ライバルとして意識している選手はいますか

岩屋 陽稀(堀陽稀、スポ3=京都・東山)かな。自分の芯を持っていて、自分が活躍して勝たせる気持ちが強いので、すごいなと思います。1年のころからプレータイムをもらっていて一緒に試合に出ることが多かったので、頼りにしているし負けてられないなと感じる人です。

飯島 大柳慶悟(教4=東京・早実)ですかね。キャラが被ってるというか、同じ学年では似たような立ち位置にいて。文句の付けようがないくらいやることをしっかりやっていて尊敬していますし、あいつがやっていたら俺も頑張ろうという気持ちにもなれるので、ずっと意識してるなって思います。

下山 三浦(健一、スポ2=京都・洛南)と城戸(賢心、スポ2=福岡第一)ですね。1年のころから最後まで一緒に自主練したりする仲で、ポジションは違うけど2人より努力して活躍したいと思えるし、お互い良い刺激を与え合っているかなと感じています。

今季の試合を振り返って

ーー関東大学選手権(トーナメント)を振り返っていかがですか

岩屋 結果として2部のチームには勝ててベスト8に入ったけど、結局順位決定戦で1部のチームと戦って1回も勝てなかったという結果でした。自分的には2部の青学戦で勝たないといけないという思いがめっちゃあって、正直そこに懸けていたので、そこからの試合はエンジンが切れちゃったというか。絶対勝ってやるという気持ちがそこまで出せなかったせいであんな結果になったのかなと思っているので、悔しさが残る大会でした。

飯島 2部のチームには勝てたけど1部のチームには勝てなかったというところで、今年の目標である1部昇格を考えると少し悔しい結果だったと感じています。それでも1部のチームと試合ができたことで、自分たちの足りない部分とかこれからどのようにバスケットボールをしていくかということにつながっていったので、それを考えると良い経験だったなと思います。

下山 2人も言ってくれたように、1部には勝てていないというのが現状で。「今年は絶対1部に上がらないといけない」と最初のミーティングから決めていたのに勝ちきれなくて。練習試合では勝てていたのに本番で勝てないとなると、入れ替え戦とか大事な試合になった時にも同じような結果になってしまうので、トーナメントとかでも勝ち切れるようにこれからはやっていきたいと強く思いました。

――下山選手が出場した新人戦については

下山 自分と健一、賢心で引っ張っていこうという話だったんですけど、2人ともけがしてしまって。自分が逆にBチームの方に合わせて、その中でどういうふうに自分のプレーを出していこうかという考えになっていきました。そこはちょっと難しくて、結果的に負けた山梨学院戦も1クオーター目の出だしから攻め切れなかったところで大差をつけられて負けにつながってしまって。自分がもっとやらないといけないという意識と、自分が点数を取れなかったというスキルの無さを強く感じた新人戦でした。

――岩屋選手は3×3の世代別代表戦を振り返っていかがですか

岩屋 3×3自体が初めてだったので不安でした。どうアジャストしていこうか練習期間に考えていたんですけど、試合をやっていく中で環境とかルールにもアジャストしてきて、だいたい1試合目くらいには環境のせいで自分のプレーが出せないというのは無くなりました。いざ状態が整った上で世界の選手たちとプレーしてみて一番感じたのは、シュート力と高さのところです。3×3は普通の5×5と違ってスリーポイントラインの外から打つシュートが2倍という価値あるシュートで、それをたくさん決めた方が有利な状況になるので特に重要視されていました。そんな中で精度を上げないと世界では戦えないと感じたので、シュート練習はそこから結構行うようになったし、高さの部分で絶対にミスマッチになることがあるので、そこで体を張って守る重要さをすごく感じた大会でした。自分的に一番収穫になったのはディフェンスのところで、3人しかいない分1人が1人を守り切らないと止められないので、ディフェンスのしつこさを大会では意識していました。ディフェンスの部分は大会前と比べて強度とか粘りとかが変わって、5×5に生かせるようになったと思います。

対談中の岩屋

――飯島主将はここまで主将を務めていかがですか

飯島 なかなかチームを1つの方向に持って行くのが難しかったです。でもそれは自分の思い込みなのかなとか思いつつ。周りの選手が自分を信頼してくれているというのは言ってもらえていて、今まで自分がやってきたことは正しかったのかなとか感じたり。もっと自分が引っ張っていってこのチームをちゃんと1つの方向に向けないといけないし、1部昇格というところに皆フォーカスできるように今まで以上にチームを引っ張っていかないといけないなと感じています。

リーグ戦について

ーー去年の関東大学リーグ戦(リーグ戦)を振り返っていかがですか

岩屋 結果として2部降格というのがあって。絶対に勝てたなという試合が個人的には多かったので、そこを勝ち切ることができていたら1部残留できてたかなと思います。試合を行う中でいろいろ反省点とかあると思うんですけど、最後は勝ちたい気持ちが強い方が勝つのがリーグ戦なんだなと感じました。

下山 頼が言ったように最後に勝ち切れなかった試合が何個かあって。そこで勝てていればモチベーションも維持できていたし、勝ち切れなかった分引きずってしまって次の試合も早稲田らしさを出せなかったので、勝ち切ることの大切さ、重みを感じました。

飯島 2人も言ってくれたように勝ち切れなかった試合が多くて、結果的に2部降格してしまって。僕が感じたのはチームの一貫性のところで、途中から何を目指しているのか分からなくなってしまったり、チームがバラバラになってしまったというのが気になっていた部分ではあります。勝ち切るためには、絶対勝たないといけない(という気持ちや)、どういうふうにバスケットをやっていくかというのをチーム全員が同じ思いでやっていかないといけないんだなと感じたリーグ戦でした。

ーー個人的に去年から成長したところは

岩屋 今シーズンはスリーを打とうと決めていて。それが最近の試合でも出ていると感じるのは成長した点だと思います。3×3の合宿や試合を通して、ディフェンスの強度とか勘が前よりも増したと思うので、1対1のディフェンスでやられないというところが前のシーズンより成長したと思います。リーダーシップの面だと、去年はコートに星川さん(星川堅信、令6スポ卒、現越谷アルファーズ)がいて、声を出すタイプじゃないけどプレーで引っ張ってくれてそこに頼っていました。今年は今日(の練習試合)だと僕が最上級生というかたちで試合に出ていて、より責任を感じているというか。リーダーシップをとってやらないとと思っているので、チームをまとめようという気持ちは去年よりも成長していると思います。

下山 一番変わったのは気持ちの面です。新人戦を通して自分がやらないといけないという状況にあったので、チームを引っ張っていく存在としてガードでもコミュニケーションは必要だし、自分が常に全力でチームを引っ張っていこうという気持ちは去年より増しているのかなと思います。あとは多少ですけどフィジカルの面で、ガード相手だと吹き飛ばされずにディフェンスできたり、自分からコンタクトしても崩れることなくオフェンスを継続してシュートまでいけたりというのは増えてきたと思います。

飯島 プレーに関しては、去年よりは安定しているのかなと思います。去年は活躍できる場面と全く何もしていない場面で波が激しかったので、今年はそれよりかは安定した活躍ができているのかなと思います。あとは主将という立場になって、視野が広がったと感じています。去年までは一選手としてしかチームを見ていなかったというのがありますが、選手・学生コーチ・OB・OG・社会人スタッフなどいろいろなところと接点があっていろいろな話をする中で、チームに対していろいろな捉え方、見方ができるようになったと思います。

早慶戦でプレーする飯島

ーー今年度から三原学ヘッドコーチ(平15スポ卒=東京・安田学園)が就任しましたが、今年度のチームの強みは

岩屋 良くも悪くも選手の意見が通りやすくなって、どういうバスケットをしたいか考える時間が増えたので、前よりは自分たちのバスケットをやっているという感覚が強くなったと思います。

下山 さっきもあったように三原さんになって意見が通りやすくなって。意見を決める過程で一人一人がコミュニケーションを多く取って、もっとこうした方が良い、ああした方が良いという声が増えてきて、チーム全体の雰囲気が良くなっていると感じます。

飯島 バスケットボールに関しては学生主体でやっていけるということで、全員がバスケットボールに対してしっかり考えて、選手がつくっていくというところが今年の色なのかなと思います。バスケットボール以外でも、監督の北郷さん(北郷慎太郎監督、平11卒)がよく言っている「社会人予備軍であれ」というところは皆意識していると思います。

――リーグ戦の注目選手は

岩屋 慶記さんかなと思っています。三原さんも絶対に流れを変えてほしいところで起用することが多くて、その時のプレーでチームが勢い付くことが去年のリーグ戦でもありました。今年も2部だからといって勝ち続けられるわけないし、ずっと自分たちのリズムでバスケができるわけじゃないから、そういう時に慶記さんのハッスルプレーでチームに一体感が出て、勢いが出てくるのを期待しているし、そこに注目してほしいです。

下山 僕も慶記さんです。やっぱり全力ハッスルプレーでチームの悪い雰囲気を良い雰囲気に持っていく力は誰よりもあるし、練習からコミュニケーションを取って全て全力で やっている慶記さんだからこそできるプレーというのが多いと思うので、注目してほしいです。

飯島 僕は1人に絞りきれないですけど、頼と瑛司かなと思います。ガードの2人がゲームを引っ張ってくれていますし、瑛司はスピード、頼はスキルというところで早稲田の象徴になってくれる選手だと僕は思っているので、2人に注目してほしいなと思います。

――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします

岩屋 今まで練習してきたことを全部出して、早稲田らしいバスケットをして、全勝優勝・1部昇格します。

下山 全勝して、全部勝ち切って、1部昇格です。

飯島 部の目標でもあるんですけど、絶対1部に勝てるチームになって、全勝して1部昇格したいです。

 ーーありがとうございました!

(取材・編集 三浦佑亮、西本和宏、川野紗矢、永由結衣)

◆飯島慶記(いいじま・よしき)(※写真左)

2002(平14)年6月9日生まれ。180センチ。茨城・下妻一高出身。人間科学部4年。今回の対談にご協力いただいた選手たちが口をそろえて「熱い男」と語る飯島主将。闘志あふれるプレーでチームを盛り上げます!

◆岩屋頼(いわや・より)(※写真右)

2003(平15)年4月20日生まれ。183センチ。京都・洛南高出身。スポーツ科学部3年。お笑い芸人のラジオをよく聞くという岩屋選手。さまざまなMCの過去の放送を聞いているそうです!

 ◆下山瑛司(しもやま・えいじ)

 2004(平16)年8月16日生まれ。169センチ。愛知・中部第一高出身。スポーツ科学部2年。試合前は必ずオロナミンCを飲むという下山選手。エネルギッシュなプレーに注目です!