対談第11回はア式の絶対的エース・駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)。
ーーここまでのシーズンを振り返ってどうですか
駒沢 まだ全然納得できるものではないですけど、確実に1歩ずつ積み上がってはいるなと感じてます。
ーー現在地はどこにあると感じますか
駒沢 目標にしていた勝ち点には達してないですし、総理大臣杯出場はつかみましたけど、10位というギリギリのところでしたし、自分たちの目標にしているところには全然届いてないです。ただ、まだ日本一への道がなくなったり、一部昇格の可能性が途絶えたわけではないので、決して下を向かずにむしろ自分たちが上に行くだけだと思うので、やっていきたいなと感じてます。
ーー最近の戦いはどう振り返りますか
駒沢 課題の修正がまだできていないのかなっていうのが率直な印象で、どうしても失点が、今年はすごい多くて、試合の入りの部分だったり、最後試合を締める部分の失点が多くあるのが課題なのかなって思います。
ーー解決策や取り組んでることはありますか
駒沢 取り組んでるところでいうと、全体としてのプレスのかけ方だったり、もっと根本的な切り替えの意識だったり、ゴールを守りきる執着するみたいな、そういう勝利に執着するみたいなところの意識から変えていこうというのを練習ではやっています。
ーー具体的によくなった部分はどのようなところですか
駒沢 全体のところで言うとシーズン頭から比べると、切り替えとゴール前での準備に対する意識だったり、チーム全体としてやるべきことの認識は高くなってると思います、でもそれは相手チームも一緒で、相手チームも成長していますし、そこに比べると自分たちの成長速度は、結果からも分かる通りまだまだかなと感じてます。
ーーここまででのシーズンで印象に残ってることはありますか
駒沢 個人にフォーカスすると、自分が今フォワードで負傷がなかった時は、ほとんどベンチにも下がらずフル出場していて。今は伊勢(航主将、社4=ガンバ大阪ユース)がケガしてからキャプテンマークを任してもらってたり、そういうチームの中心でやらしてもらってるんですけど、自分がもっと得点してれば勝てた試合もありますし、どれだけ内容が悪くて点を取られようが、それ以上自分がゴールを決めれば試合には勝てますし、そういったところでは全然自分には満足できません。数字のところで言うと、今シーズン20点以上取りたいって決めた中で、今7点しか取れてませんし自分がまだなのかなって感じます。
ーーエースとしてですか
駒沢 自分自身得点ランクも1位じゃないですし、例えばリーグ優勝するならこのリーグで一番いいフォワードがいないといけないですし、そういった選手に自分がなれればチームはもっと勝てると思うので、そこに自分にかかる責任っていうのは大きいのかなって思ってます。
ーーエースとして最近の試合はどう振り返りますか
駒沢 ここ最近は勝ててない、それは自分のが点を相手より決めれてないのが原因ですし、そこだけじゃなくて、伊勢が抜けた後、チームとのキャプテンとしてやらせてもらってる中で、守備の意識だったり、全体での意識は自分がもっとコントロールしていかないといけないですし、日々の練習からやっていけばチームは良くなると思うので、そういうところをこだわってやっていきたいなって感じてます。
産能大戦にて劇的決勝弾を決めた駒沢
ーー伊勢選手のケガはどう感じましたか
駒沢 ほんとに悔しかったです。伊勢とずっとここまで頑張ってきて、もう早稲田では一緒にサッカーができないって考えると悲しいっていう気持ちがありました。
ーーケガの後はお話されましたか
駒沢 伊勢とはずっと同部屋でやってきました。ケガした後も手術までは3日間ぐらいあって、その時は練習にも顔出してたんですけど、多分本人が一番辛いはずだけど、みんなの前ではネガティブにならずに明るく振る舞ってたのはさすがだなって感じましたし、伊勢が抜けた次の練習で自分が「伊勢を日本一の主将にしよう」っていう話をしたんですけど、伊勢がどれだけの思いで早稲田でやってて、どれだけの思いをこのチームに懸けてきていたかはもちろん分かっているつもりですし、伊勢の思いを背負って全力で戦うことが、伊勢へのリスペクトだと思うので、そこは絶対にぶらさずにやっていきたいなって思ってます。
ーーリーダーとしての意識はどうですか
駒沢 自分がやることとか意識は変えてません。それでも今キャプテンマーク巻いてるからこそ、4年生として、主将としての伊勢の存在の大きさみたいなところは抜けてから偉大だったらっていうのは気づきました。
ーー駒沢選手は「4年生がやらないと」という言葉をよく口にされていますが、その言葉にはどのような意味を込めていますか
駒沢 自分自身の考えとして、「大学サッカーは4年生次第」みたいなことを言われてて、4年生の重要性っていうのはすごいわかってて。もちろんそれはピッチ内でもそうですし、それはピッチ外のところでも、そうだと思っています。特にア式蹴球部という他の大学のチームに比べれば結構選手自治というか、色々なタスクを選手が担っている中で、そういった組織でおいて、最上級生の存在だったり責任は大きいと思うんですけど、FCとかIリーグはそういう4年生という存在のおかげでチームが、勝てているところはある中で、トップチームがそれをできてないのは本当に大きな問題だったと思いますし、それをチームの問題と捉えるだけじゃなくて、4年生全員がトップチームがそういう現状であるということを把握してほしいっていうか、同じ気持ちで戦ってほしいっていう思いもあって、そういう言葉を使いました。
ーー同期はどういう存在ですか
駒沢 同期は仲間というイメージが強いです。ほんとに同期に支えられてる部分もありますし、お互いがお互いにいい影響を与えながらやってきて、こういう学生生活を過ごすのも今年で全員が最後のわけで、今シーズンの最後みんなで早稲田でア式でやってて良かったねって終わるために、今年掲げた日本一だったり一部昇格を絶対達成したいなって思います。
ーーそのために同期には何を求めていきたいですか
駒沢 自分も含まれますけど、やっぱり自分がやるべきことを100パーセントやっていこうと思ってます。カテゴリーとかは関係ないし、選手もスタッフもそうですし、そこは関係なく全員がやるべきことを100パーセントやれれば、自分たちは絶対日本一だったり昇格できるポテンシャルはありますし、4年生としてそれができれば下級生も絶対ついてくると思うので、自分たち4年生は重要な存在であるということを再認識して、これから戦っていきたいなって思います。
ーープロ内定発表後の反響とか反応はどうでしたか
駒沢 本当にこれまで支えてきてくれた人だったり、色々な友人だったり、チームメイトだったりが、もう自分以上に喜んでくれたことが率直に嬉しかったですね。
ーーなにか変わったこととか感じたことはありましたか
駒沢 自分の中でそんな変わったことはないんですけど、でもこれからは内定選手という見られ方をしますし、そこでやっぱ示さなければいけないものっていうのは多くなってくると思うんですけど、でも自分自身そういったプレッシャーをかけられることは、嫌じゃないというか、むしろそう言って期待してくれた方が嬉しいです。
アミノバイタルカップ専大戦にて勝ち越しゴールを挙げた駒沢
ーーアミノバイタルカップの戦いをどう振り返りますか
駒沢 あれだけ苦しい中でしたけど総理大臣杯の出場権を獲得できたのはチームにとってものすごいプラスなことだと思いますし、日本一への挑戦がまだまだ続いていくのでそこはすごい良かったなって思います。
ーー去年の総理大臣杯はどう振り返りますか
駒沢 関西1位だった関西学院に少し力の差を見せつけられたなと感じるところはあるんですけど、でも個人としてはすごいやれた感覚はあったので、今年はまたリベンジできる舞台ができたのですごい楽しみにしてます。
ーー総理大臣杯、個人としてチームとして目標にしたいことはどのようなことですか
駒沢 チームとしてはもちろん日本一もありますし、日本一にならないとインカレにも出場できませんし、リーグ戦中断してから総理大臣杯にフォーカスを当てて取り組んでいるので、そこはどれだけ自分たちが成長できたかっていうのを確認できるいい機会だと思うので楽しみにしてます。で、個人としてはフォワードなので誰よりも得点を取りたいですし、去年は得点できなかったので、そこはリベンジしていきたいなと思います。
ーー全国の舞台で楽しみにしてることはありますか
駒沢 プロに行くと天皇杯だったりリーグもありますけど、またそれ違って学生での日本一は、まだとったことないですし、自分で言うと国体で準優勝が最後なので、今年がそういう全国大会みたいなのは最後のチャレンジになるので、個人的には絶対優勝したいですし、あの時の悔しい思いを今晴らしたいなって思います。
ーー第3節の慶大戦はどう振り返りますか
駒沢 開幕2節目勝てなかった中で相手のキーパーのシュートが入ったりという、そういうアクシデントはありましたけど、今期の自分たちの弱いところが出てしまった試合だなと思ってて、失点のところで言うと、4失点してしまったら勝てる試合も勝てなくなりますし、攻撃のところで言ってもいい形はあっても結局ゴールにはあまり繋がってなかったです。自分自身チャンスがあったので、そこを決めていれば引き分けとかには持っていけたとは思うので、自分たちの課題がもろに出た試合だと思いますし、1ー4という結果を見て本当に完敗だと思ってるので、そこは絶対に次は完勝したいなと思います。
ーー今までの早慶クラシコはどう振り返りますか
駒沢 1年の時にスタメンで出て、あの時は関東リーグと並行開催だったんですけど、自分自身PKもとって、その後ゴールも決めて、自分のそのゴールが関東デビュー初ゴールだったので、自分自身の関東リーグの戦いはあそこから始まったと思ってますし、ほんとに人生を変えられる試合だと思ってます。
ーー改めて早慶クラシコってどういう舞台ですか
駒沢 1年生の時はすごい自分でも納得いく活躍ができたり、逆に2年の時はベンチスタートでちょっと悔しい思いをしたり、去年は怪我で出れなかったりと色々な立場から試合を見てきて、選手はもちろん、ほんとに一番輝ける舞台だし、逆にそれ以外のスタッフだったり、特に運営に携わるような部員だったりは、複雑な気持ちっていうか、難しい面もあるんだなというのを去年も感じました。ただ、それが早慶戦のいいところというか、ほんとに早慶部員全員で作り上げるものですし、そういった舞台で自分たちがサッカーができるのはほんとに幸せだなって思いますし、だからこそ絶対勝ちたいです。特に今年は国立で開催なので、1年以上前から早慶戦運営メンバーは。色々なあれこれがあってのやっとの開催だと思うので、最後勝利で花を飾れるように頑張りたいなと思います。
ーー国立競技場についてはいかがですか
駒沢 ほんとにでかいスタジアムなので、本当にワクワクします。まだちょっと自分があそこのピッチに立つっていう実感は湧いてませんけど、本当にでかいスタジアムでということで、両親もそうですし、これまでのチームメイトも自分の地元から来てくれるんでほんと楽しみですね。
ーー早慶クラシコでは自分のどこを見てほしいですか
駒沢 早慶戦デビューでゴールを決めたので、最後の早慶戦でもゴールで終わりたいなというのはすごいありますし、本当に早稲田の勝利、それだけのために戦いたいなって思っています。勝つことがその早慶戦を作ってくれた全ての部員に対しての恩返しだと思いますし、サッカー勝たないと楽しくないんで、本当に勝利だけに執着して戦っていきたいなと思います。
ーー早慶クラシコへ向けての意気込みをお願いします
駒沢 早慶戦を早稲田の勝利で絶対に飾るっていうのと、自分のゴールでチームを勝たせるストライカーになりたいっていう気持ちがあるので、自分のゴールで早稲田を勝たせたいです。
早慶クラシコへ向けての意気込みを書いていただきました!
◆駒沢直哉(こまざわ・なおや)
2002(平14)年5月17日生まれ。178センチ。ツエーゲン金沢U18出身。スポーツ科学部4年。
(取材・編集 和田昇也)