第6回富士北麓ワールドトライアル 8月18日 山梨・富士山の銘水スタジアム
標高1000メートルを超える、富士山の銘水スタジアムで開催された富士北麓ワールドトライアル。早大からは、夏合宿明けの主力が多数出場した。自己新を記録したのは、3位に入った渕上翔太(スポ1=東福岡)のみだったものの、各々が夏合宿の成果を確認する大会となった。
100メートル、200メートル、110メートル障害、100メートル障害の4種目のみ、予選が開催された本大会。男子100メートルでは井上直紀(スポ3=群馬・高崎)がタイムに拾われ、女子200メートルでは鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)、男子110メートル障害では西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)が着順で午前中に行われた予選を突破し、午後の決勝に進んだ。その他の選手は、チャレンジレースへと回ることになった。
女子走高跳には、今季好調の矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)が出場。1メートル70を一回で成功させたものの、自己記録に迫る1メートル75を跳ぶことはできず、4位で本大会を終えた。
1メートル65の跳躍を成功させる矢野
タイムレース決勝となった400メートルと400メートル障害。活躍が目立ったのは、大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)と渕上だ。女子400メートル障害の2組に出場した大川は、「57秒台を狙っていた」との言葉通り、前半から積極的な走りを見せる。以前からの課題であった後半で失速してしまったものの、フィニッシュタイムは58秒69で全体3位のタイムに輝いた。男子400メートル障害2組に出場したのは渕上。「前半から楽にいけた」と振り返る渕上は、ラストの直線で競り負けたものの2着でゴール。全体3位となる49秒77を叩き出し、自己記録を更新した。
10台目のハードルを越える渕上
決勝種目は、鷺が棄権したことにより西と井上のみの出場となった。西は、一台目からハードルに足を当ててしまうと、その後も伸びきらず14秒14の7着でレースを終えた。男子100メートルは、スタートから大接戦。井上は3位とわずか100分の1秒差で4位に入った。
4着でゴールする井上
大半の選手にとって、日本学生対校選手権(全カレ)までのラストレースになった本大会。「全カレまでまだ1カ月あるので後半に特化した練習を行いたい」(大川)、「この1カ月間でタイムを上げられるように練習したい」(渕上)と語るように、選手たちは進化を止めることはない。全カレが終えた時、一片の悔いも残さないために、一日一日が勝負になる。
(記事 飯田諒 写真 飯田諒、草間日陽里、會川実佑)
▽男子
▽100メートル
予選(3組2着+2)
井上直紀(スポ3=群馬・高崎) 10秒28(1組3着)(+1・2)決勝進出
関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟) 10秒39(1組4着)(+1・2)
決勝
井上直紀(スポ3=群馬・高崎) 10秒32(4着)(+0・2)
チャレンジレース予選
由井響(スポ2=山梨・都留) 10秒53(1組2着)(-0・5)決勝進出
チャレンジレース
由井響(スポ2=山梨・都留) 10秒49(4組2着) (-1・0)
関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟) 10秒39(6組1着)(-0・6)
▽200メートル
予選(4組1着+4)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田) 21秒14(3組3着)(+1・4)
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園) 21秒20(3組5着)(+1・4)
島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東) 21秒28(3組7着)(+1・4)
チャレンジレース
島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東) 21秒54(1組2着) (-3・1)
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田) 21秒08(2組1着)(-1・0)
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園) 21秒22(2組3着)(-1・0)
▽400メートル
タイムレース決勝
森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄) 47秒08(4組2着)全体11位
▽110メートル障害
予選(3組2着+2)
西徹朗(スポ3=愛知・名古屋) 13秒66(1組1着)(+3・1)決勝進出
決勝
西徹朗(スポ3=愛知・名古屋) 14秒14(7着)(-0・5)
▽400メートル障害
タイムレース決勝
権田浬(スポ1=千葉・佐倉) 51秒28(1組5着)全体16位
渕上翔太(スポ1=東福岡) 49秒77(2組2着)全体3位自己新
金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘) 51秒33(3組5着)全体17位
女子
▽200メートル
予選(3組2着+2)
鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東) 24秒61(2組2着)(-0・3)決勝進出
中村真由(政経4=東京・早実) 24秒87(2組3着)(-0・3)
山越理子(人3=東京・富士) 25秒02(2組4着)(-0・3)
決勝(+2・2)
鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東) DNS
チャレンジレース
中村真由(政経4=東京・早実) 24秒70(2組1着)(-1・1)
山越理子(人3=東京・富士) 25秒01(2組3着)(-1・1)
▽100メートル障害
予選(3組2着+2)
林美希(スポ1=愛知・中京大中京) 13秒91(1組5着)(+0・5)
チャレンジレース
林美希(スポ1=愛知・中京大中京) 13秒84(2組3着)(+0・4)
▽400メートル障害
タイムレース決勝
内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田) 59秒50(2組4着)全体9位
大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園) 58秒69(2組2着) 全体3位
▽走高跳
決勝
矢野夏希(スポ2=愛知・時習館) 1メートル70(4位)
コメント
大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)
――今日のコンディションはいかがでしたか
結構体のコンディションは良かったです。また最初は雨予報だったのですけど、天候も晴れということで、かなり自信はあったと思います。
――今日のレースの目標を教えてください
57秒台を目標にしていました。
――合宿明けのレースとなりましたが、合宿期間に意識して練習していたことはありますか
前回のトワイライト・ゲームスでセカンドベストを出した際は、後半がかなり失速してしまったので、後半最後まで同じストライドで押し切るための練習を行ってきました。
――今日の走りで得られた成果や、ご自身の成長を感じられた点はありましたか
前半で他の選手よりもかなり前に出ることができたのと、あまり力も使わずに行けたので、そこは収穫かなと思っています。
――今日のタイムについてはどのように考えていますか
やはり57秒台を狙っていたので、すごく悔しいんですけど、前半同じスピード感でもっと楽に速くいけると思うので、そこを全カレ(日本学生対校選手権)までに修正して、後半の失速が今回も目立ってしまったので、トータルでまとめられるような力をつけていきたいなと思っています。
――今日のレース全体を振り返っていかがですか
やっぱり後半の失速が一番の課題で、それは元から自分の中でも課題として常に練習でも意識していたんですけど、今回もうまくいかなかったです。全カレまでまだ1カ月あるので、まずは後半に特化した練習を行って、全カレではちゃんと57秒台、自己ベストで終われるように頑張りたいと思います。
――最後に、次戦への意気込みを教えてください
次はもう全日本インカレになるので、順位もそうなんですけど、まずは57秒前半を狙っているのでちゃんとタイムを出して、順位もその後についてくればいいかなと思っています。
渕上翔太(スポ1=東福岡)
――合宿明けのレースだったと思うのですが、コンディションはいかがでしたか
合宿明け初めてのレースだったのですが、今回はそこで得たことを試す場としての位置付けでした。走りとしては体調も良かったので、かなり良いコンディションで迎えられたと思っています。
――合宿で得たこととは具体的にどのようなことですか
日本選手権以降に、走りをメインに行ってきたので一旦ハードルを置いて、合宿の間に走りの動きを徹底的に見つめ直しました。そういった点では獲得できたものは多かったかなと思います。
――本日のレースプランや目標のタイムを教えてください
目標タイムは49秒5にしていました。レースプランとしては、いつも自分は後半型で、前半に離されてしまうことが多いです。ですが今回は、前半しっかり並んで進んで、ラストに出るというところを意識していました。
――実際の走りを振り返っていかがですか
前半の部分は着いていけて、だいぶ楽に行けたところは1つ収穫だと思います。ですが、ラストに競った段階で抜け出せなかったのが今回反省するべき点だなと思います。
――合宿で意識した点は今回の走りに活かせたのでしょうか
そうですね。走りをメインにしたハードルというかたちのレース展開ができたので、良かったと思います。
――自己ベストを更新されましたが、振り返っていかがですか
関東インカレ(関東学生対校選手権)以降から自己ベストが出なくて、腕のケガも含めてこの2、3カ月苦しい部分があったので、ほっと安心しました。ですが、まだ49秒7で満足できるタイムではないので、この1カ月間でタイムを上げられるように練習したいです。
――最後に、日本学生対抗選手権(日本インカレ)の目標を教えてください
まず個人では点数を持ち帰ることを目標にしています。リレーに関しては、関東インカレで少し自分が足を引っ張ってしまった部分があるので、そこを取り返していけるようチームに貢献したいです。