【連載】ア式蹴球部新入生対談 第2回 雨野颯真×野田隼太郎

特集中面

<<特集表紙に戻る

ア式蹴球部(ア式)新入生対談第2回は、日本高校選抜を後ろから支えた雨野颯真(スポ1=群馬・前橋育英)と野田隼太郎(商1=静岡・藤枝東)の二人。

――出身とお名前をお願いします
雨野 前橋育英高校から来ました雨野颯真です。
野田 藤枝東高校から来ました野田隼太郎です。

――お二人が初めて会ったのはどのタイミングですか
雨野 高校2年生のU17の高校選抜合宿の時です。

――その時の第一印象覚えてますか
野田 自分はU17のキャプテンだったので、その時からしっかりしてるけど、はしゃぐ時はしゃいでいて、いい雰囲気作ってくれる存在だなというイメージでした。
雨野 最初の印象は静かだったので、正直特に印象はないですけど。(笑)真面目な感じなのかなとは思ってたんですけど、実際一緒になってみてそんな感じではなく、結構面白い感じのところも見えたので、そこは最初の印象とはちょっと違うところかなと思いました。

ーー大学進学として早稲田を選んだ理由を教えてください
雨野 自分は即戦力としてプロに行くのが目標でそのために大学に行くということを決めました。その中でいくつか候補はあったんですけど、実際練習参加してみて、練習の雰囲気だったりとかキーパーのレベルが高かったりとかも肌で感じて、ここだったらプロになれると思ったので早稲田を選びました。
野田 自分は大学に行くのが第1希望の選択肢で、その中で中学・高校と文武両道してきて、大学でもサッカーはもちろん勉強でも高いレベルの大学でやりたいと思って、まず早稲田大学が候補に上がって、最終的に決断したのはゴールデンウィークあたりに練習会参加して、その時のトップチームの方と一緒に試合やった時に、レベルの高さをすごく感じてプレイしていてすごく楽しかったという印象があって、それが最終的な決め手になりました。

新人戦にて好セーブを連発した雨野

ーー大学サッカーをやってみて、高校と違うなと感じる部分、逆に大学サッカーでも自分はここはやれてるなと思う部分を教えてください
雨野 ポジショニングのところを結構言われてて、早稲田は結構キーパーがビルドアップに参加してるので、高校の時よりも前のポジションになりましたし、キーパーからのロングフィードは高校の時はあまりなかった部分なので慣れないところなのでまだまだ磨かないといけない部分かなと思います。あとは大学になってシュートスピードとかも早くなったりして、そこの部分もまだまだだなと感じているので、そこの部分も磨いていきたいなと思います。
野田 自分は最初こっちに来てトップチームで練習やらしてもらうことが多くて、そこで感じたのはスピード感とその守備の球際の強さってとこですね。やっぱり高校の時とスピード感が全然違くて、特にオフェンスの時に今までの判断スピードだとボールを奪われてしまったり、奪われないと思っても想像より球際に強く来られて、フィジカルで負けてボール奪われてしまうシーンとかも多くて、そこの二つはすごく高校と差があるなっていう風に感じました。その中でも自分の強みでもある守備のとこは高校ほど通用するわけでもなかったんですけど、やれる部分は多少あったかなっていう風に思ってます。

ーーサッカーの原点を教えてください
雨野 小学校に入って自分の友達に誘われたのがきっかけで始めて、キーパーになったのが小学校4年生くらいのタイミングです。

ーーキーパーになったきっかけは
雨野 でかかったからですね。本当にキーパーのあるあるな感じで始めました。

ーー野田選手のサッカーの原点を教えてください
野田 3歳上に兄がいて。兄が小学生の時に自分が幼稚園で、その時は本格的に始めてなかったんですけど、一緒にボール公演で蹴ったりとかしてました。小学校1年生になってから本格的にサッカー始めて、最初は乗り気じゃなかったんですけど、気づいたら楽しくて、本気でやるようになってました。

ーー今までのサッカー人生の中で特に印象的な出来事や試合はありますか
雨野 自分はプレミアリーグの前期の流通経大柏戦(第3節)で、その試合は1ー0で勝ったんですけど、自分たちシュート打ってなくて、相手のオウンゴールで勝った試合なんですけど。その試合は20本ぐらい自分が止めて勝ったっていう試合なので、そこは印象には残ってます。
野田 自分はやっぱり高校3年生の選手権の静岡県大会の決勝で静岡学園に負けた試合なんすけど、1・2年と決勝進んでて、3年目こそはって気持ちで挑んでたんすけど、それでもやっぱり届かなかったので、その試合は本当に今までの試合で一番悔しかったなという記憶があります。

ーー高校3年間はどんな期間でしたか
雨野 高校入って最初の頃なかなか試合出られなかったんすけど、高2になって絡むようになって、高2の時に実際にインターハイ優勝するできましたし、それがきっかけで高校選抜だったり、何回か代表活動に呼んでもらったので、この高校3年間で大きく自分は伸びたんじゃないかなという風に思います。
野田 自分は充実してた3年間だと思っていて。サッカーはもちろんなんですけど、勉強もちゃんとしないとついていけない環境だったので、サッカーと勉強の両立というところで、ほとんどの時間をサッカーか勉強に当てていたし、だからこそ得られたものとかもありましたし、人として成長させてくれたなと思ってます。

日本高校選抜にてキャプテンマークを巻く野田

ーー高校選抜の話をさせていただきます。デンソーカップは大学生相手でしたけど、あの大会はどういう風に振り返られますか
野田 自分が感じたのは、デンソーはあとちょっとで勝てそうとか惜しかった試合が多かったんですけど、そのちょっとした差が実は大きな差なんだなっていうのを大会で感じました。もちろんいい試合できた試合もありますし、決定機を決めてたら勝てた試合もあったんですけど、そういう場面で大学生は決めるとこはしっかり決めてくるし、守るとこは最後体張ってでも守ってくるし、そういうちょっとした差が本当は大きな差になって勝敗を決めるんだなという風には感じました。
雨野 自分も大体一緒で、正直そんな大きな差は感じなんですけど、デンソーでの試合で、相手のキーパーが袈依廉くん(ヒル袈依廉、スポ4=鹿児島城西)で、自分が失点して、で袈依廉くんが最後のビックセーブしたりとかして無失点で終えたというところで、その一個の失点だったりとか、ちょっとした差に見えて大きな差があるなと感じました。

ーー関東選抜Aとの試合はやはり意識していましたか
雨野 そうですね。してました。プロ内定してたというところもありますし、実際ポジション争いをこれからしていくかもしれない中で、ここで勝たないと1年目から試合には出られないんだなとは思っていたので意識しましたね。

関東選抜Aとの試合に臨んだ雨野

ーー高校選抜のドイツ遠征はどうでしたか
雨野 技術レベルで言ったら多分日本の方だったと思います。でも強さだったり勝負強さというところは大きな差があるのかなっていう風に思いました。
野田 自分も球際の部分の強さはすごく感じましたし、サイドバックしてると相手の左ウイングとかはほとんどスピードある選手で、スピードで剥がされてしまったり、フィジカルで奪ったと思っても奪いきれなかったりというシーンがありました。そういったシーンが何回もあって、そこでフィジカルとスピードの差っていうのは感じました。

ーー野田選手は高校選抜のチームのキャプテンをされてましたが、キャプテンの経験はどうでしたか
野田 いや、正直任せられると思ってなかったですし、やっていけるかどうかわかんないって感じでした。でもそこでやらせてもらったことによって感じたものとか経験できたことがこれからの過程になると思うんで、すごく貴重な経験させてもらったなっていう感じです。

ーーキャプテンから見て、あのチームはどうでしたか。
野田 技術はすごく上手い人が多いですし個々の能力の面ではすごく高いんですけど、そこがうまく組み合わせればすごい強いし、いいプレー出せるんですけど、自分中心のプレイになっちゃうと、なかなかうまくいかないことが多いチームでした。

ーー雨野選手から見てどうでしたか
雨野 そうですね、まあまあ雰囲気的にはいいチームになっていったと思いますけど、そのサッカーの面でなかなか点取れなかったりとか、自分の失点が多かったりして。海外の時は自分が調子悪くてもっと力になりたかったなというのはあります。

ーー自分の中で憧れとか目標とする選手はいますか
雨野 大学入ってビルドアップ参加することが増えたんで、キックがうまいエデルソンだったりとかは参考にして最近は見たりします。
野田 自分はプロとかでは憧れっていう選手はあんまりいないんですけど、やっぱここ大学来て同じポジションの奈琉(佐々木奈琉、社3=新潟・帝京長岡)くんとか凜誓(西凜誓、社2=名古屋グランパスU18)くんとか、同じポジションの今トップチームで出てる人との違いとか、その人にあって自分にないプレーとか、そういうのは意識して見ていて吸収できるものは吸収したいなっていう風に思ってます。

ーーお互いのことを紹介してください
雨野 そうですね。野田選手はサッカー見るとやっぱスーパー。対人能力がすごいなと思います。さっき海外でやられまくったとか言ってましたけど全然そんなことなくて。ですけど、オフはちょっと変わった一面もあって。なんかガチャガチャを集めたりとか、よくわかんないところもあります。天然なのか変わってんのかわからないですけど、そういう一面があります。
野田 自分、ガチャガチャするのが好きで。特に魚のフィギュアのガチャガチャ、小っちゃい頃から集めてて、最近1回販売停止してできなくなったやつが再販来て、またちょっとガチャガチャに興味持ち始めました。最近結構熱量持って、ガチャガチャがあるとちょっと立ち止まって探しちゃうこともあります。元々なんかフィギュアとか集めるのが好きで、その延長線上でガチャガチャもあるみたいな感じです。

対談中の雨野

ーー雨野選手の紹介をお願いします
野田 サッカーでは本当に後ろにいるとチームが引き締まるし、本当に安心感とか安定を求めるなら、絶対雨野がいた方がいいですし、キックも、セーブも、ハイボールも、全体的なレベルがすごく高い選手だなっていう感じです。でも生活面では常にふざけていて、しかもそれを先頭で引っ張っていくぐらいふざけてますね。でもオンオフははっきりしていて。オンではしっかりそのリーダーシップを発揮するんですけど、オフになるとすごくふざけて、その場を、さっきも言ったんですけど場をなごましてくれて。初対面とかで会った人は多分絶対雨野がいたらいい雰囲気に持っていけるかな。いい一面があります。

ーー最近ハマってることありますか
野田 自分は最近ってわけじゃないですけど、韓国ドラマが結構好きで。暇があれば見ちゃうんですけど。大学入ってからなるべく見ないようにしてて。1話見ちゃうとその後が気になってどんどん見ちゃって、寮の中でしないとダメなサッカーの準備とか、学校の課題とかをちょっとおろそかにしちゃう部分があるので、なるべく1話目を見ないようにしてます。
雨野 めっちゃ真面目だなぁ。
野田 あと、ガチャガチャです。

雨野 ハマってることではないんですけども。朝起きてシャワー浴びることですかね。
野田 なんでやろうと思ったんですか。
雨野 そうですね、「厳しいって」とか言ってる某TikTokerの動画を見てて、その人が色々言ってたのでちょっと自分も変わってみようかなと思って、大学入って余裕ができたので新しいことに挑戦しようと思ってやってみて、今も続けてるって感じです。そのおかげで色々いいことがあったので。効果を知りたい人はやってみてもいいんじゃないかなと思います。

ーー大学生になってこれからやってみたいことは何かありますか
野田 自分は二つあって。一つ目はバイトなんですけど。今ウーバーイーツの配達をやってるんですけど、あんまなんかバイトらしい感じではないので、しっかりどこかの飲食店とかコンビニとかでしっかり働いてみたいなというのが一つで、もう一つは旅行に行きたいなって思っていて、昔からなんか景色見るのとかが好きで旅行行きたいと思ってたんですけど、高校とかなかなかオフがあっても自分たちであんま遠く行けなかったので。大学ではしっかりバイトでお金貯めて、旅行に行きたいなと思います。
雨野 自分は旅行ですかね。まず、免許取ってないので、取っておきたいですね。

対談中の野田

ーーどこか行ってみたいところはありますか
雨野 予定してるのは熱海とかですかね。
野田 自分は海外に行きたくて。冬とか長期オフの時は一人でもいいので。トルコとかスイスに行きたいです。トルコは景色が好きって言ったんですけど、気球に乗って綺麗な景色見たいですね。トルコはちょっと安いので、ヨーロッパ行きたいんですけど、ちょっと値段も抑えていきたいなっていうのがあってトルコに行きたいですね。スイスはやっぱ景色が好きなので、景色綺麗といえばスイスというイメージがあって、スイス行きたいな思ってます。

ーー自分の中で思い描いてる今後のキャリアプランはどういうものになりますか
野田 自分はプロを目指すためにここ入ってきたので、4年後とは言わず、3年後ぐらいには内定もらえるレベルになるために日々努力していきたいなと思います。
雨野 ここ2年で内定を貰えるくらいまでレベルアップして、まずはア式で試合に出ること。今年1年間しっかり準備して、来年以降試合に出場してその先で練習参加とかいろんなクラブ行ったりしていきたいなと思ってます。

ーーサッカー選手として目指す地点は
野田 自分は昔からマンチェスターユナイテッドが好きでしたし、大体どのリーグを見るかとなったらプレミアリーグ見ることが多いので、将来的にあそこの舞台で活躍したいなっていう風に思ってます。
雨野 ワールドカップ優勝です。日本の目標でもありますし、自分個人としての目標でもあるので、そこは達成したいと思います。

ーー大学4年間の目標をお願いします
野田 チームとしては今年の目標は1部昇格、あと日本一ってとこなので、試合にまだ絡めてないですけど、少しでも早く絡んでいきたいですし、まずは自分の今置かれてる場所で自分の全力尽くして、サッカー楽しむってことを忘れずにプレーしたいですし、来年以降はア式で欠かせない選手になりたいです。
雨野 日本一を目指してますし、個人としては世代別の代表だったりとか選ばれ続けるっていうところであったり、プロを早く決めるところを目指してます。

ーー今後に向けての意気込みをお願いします
野田 日常が大切っていうことは監督にも言われてますし、日々の練習とか試合で自分の最高の準備して、一回一回を大事にしたいのもありますし、あとは楽しんでサッカーしないといつか嫌いになる時が来ちゃうかもしんないので、サッカーを楽しむっていう初心を忘れずにやっていきたいです。
雨野 強い気持ちを持ってここに来たので、どんなことでも負けないように努力していきたいですし、今度雨野選手どうですかと聞かれた時に、試合を勝たせるキーパーだと答えてもらえるキーパーになりたいと思います。
野田 流石です。

今後へ向けての意気込みを書いていただきました

◆雨野颯真(あまの・そうま) 写真右
2006年(平18)1月15日生まれ。前橋育英高等学校出身、185センチ。安定感抜群、将来の守護神候補。同期の誰よりも場に馴染むことが得意とのことです!

◆野田隼太郎(のだ・しゅんたろう) 写真左
2005年(平17)4月7日生まれ。藤枝東高等学校出身。172センチ。守備や得点力が武器のサイドバック。中学生の頃から日記を書き続けていて、やると決めたことの継続力には自信があるとのことです!

(取材・編集 和田昇也)