山口が日本選手権1万メートルに初出場 悔しさにじむ21着、関東インカレで再起誓う

陸上競技

第108回日本選手権 5月3日 静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム

 日の沈みきった20時10分、静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアムで日本選手権1万メートルの号砲が鳴らされた。日本の頂点を決めるこの大会に早大からは山口智規(スポ3=福島・学法石川)が出場。1月からの連戦で疲労を感じる中、山口は初めての日本選手権を21着で走り終えた。

 

序盤は集団の前方でレースを進めた山口

 終始ハイペースで推移した今大会。山口は序盤、集団の前方で積極的な走りを見せる。最初の1000メートルは2分42秒とかなり速い入りになったが、ペースが落ち着き楽になることを願って、前でレースを進めようとしていた。しかし、全体のペースはなかなか落ち着かず、「2000メートルの時点でもうきつかった」という。足の重さを感じ、3200メートル付近で集団からこぼれた。その後は、後方を走っていた選手と抜きつ抜かれつの状態が続く。先頭が徐々に離れていく難しい展開で、メンタル的にも苦戦した山口は、8400メートル手前で周回遅れにされてしまう。それでも最後の1周ではスパートをかけ、21着でのゴールとなった。

 

21着でゴールした山口

 今回のレースとタイムについて、 「勝負できなかったのは悔しいが、それ以前に準備もできなかった自分が情けない」と振り返った山口。思い描いていたレースとは程遠いと自身の走りを厳しく評価した。次の目標は、関東学生対校選手権(関東インカレ)で留学生に勝って優勝しチームに貢献すること。常に高みを目指す山口は、次戦にむけ成長と再起を誓った。

 

(記事 會川実佑、写真 飯田諒)

結果

▽1万メートル

山口智規(スポ3=福島・学法石川)  28分55秒62 (21着)

コメント

山口智規(スポ3=福島・学法石川)

――今回のコンディションはいかがでしたか

調子は良かったですが、なんとか間に合わせたような準備になってしまったことと、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)以降の連戦から心身ともに若干の疲労は感じていました。

――レース前に立てていた目標を教えてください

チャンスがあれば優勝、最低でも27分台と入賞を目指していました。

――走り始めてからの調子はどのように感じていましたか

スタートしてすぐ足の重さは感じていました。ペースが落ち着いたら楽になってくれと願っていましたが、2000メートルの時点でもうきつかったです。

――序盤は集団の前方でレースを進めていましたがどのような意図がありましたか

ハイペースの展開になることがわかっていたので、前で落ち着いてレースを進めたかったです。

――3200メートル付近で先頭集団から遅れ始めましたが、なにかアクシデントがあったのでしょうか

ただ足が重かったです。

――集団から遅れてからはほぼ単独走でしたがどのようなことを意識していましたか

とにかくキツく、メンタルも辛かったのでなにも考えずに走っていました。

――レース全体を振り返っていかがですか

思い描いていた走りとは程遠いものとなってしまったので、この結果としっかりと向き合い、今後にいかせるようします。

――今回の結果とタイムに関して、どのように感じていますか

点数もつけられないほどの走りになってしまいました。あのようなレベルの高いレースで勝負できなかったのは本当に悔しいですが、それ以前に準備もできなかった自分が情けないです。

――次戦にむけての意気込みをお願いします

1週間後の関東インカレ(関東学生対校選手権)になります。留学生に勝って必ず優勝し、チームに貢献できるようにしたいです。