【連載】フィギュア部門新体制特集 新入生インタビュー 第2回 マッカートニー学斗

特集中面

 新入生インタビュー第2回は、マッカートニー学斗(国教1=アメリカ・キーストン)。アイスダンスで競技しているマッカートニーに、競技歴やスケートへの想いだけでなく、大学生活や今後についても話を聞かせてもらった。

※この取材は5月7日に行われたものです。

笑顔のマッカートニー

競技について

――スケートを始めた時期ときっかけを教えてください

 7歳くらいに弟と一緒に始めました。その頃は色々スポーツをやっていましたが、スケートがすごく楽しかったので続けました。シングルとアイスダンス両方やって、綺麗だなと思ったので10才の時、アイスダンスだけに絞りました。

――アメリカ出身だそうですが、アメリカにはどれくらい住んでいたのですか。日本に来た理由は何ですか

 僕のスケートの為にお父さんが日系企業に転職までしてくれて、14歳の時に日本に引っ越してきました。元々コーチだったクリス・リードさんに誘われて一緒に日本に来たのですが、途中で亡くなったので色々大変になりました。コーチがいきなりいなくなってしまって寂しかったです。

――アメリカでは試合に出たことはありますか

 ローカルの(試合)は出ました。

――日本ではどれくらい試合に出たことがありますか

 三笠宮杯には出たことがありますが、コロナの時だったので、あまり(数は)出ていないです。

――シングルではなくアイスダンスを選んだのはなぜですか。アイスダンスの魅力は何だと思いますか

 2人が近距離で滑るので正確さが大切なんです、安全の為に。僕は決められた振付をどれだけ綺麗に表現できるか追求するタイプなので、アイスダンスは僕にピッタリでした。それに2人で組んで一緒に表現して、2人分楽しさを見せられるのが良いです。

――パートナーはどなたと組まれていますか

 早稲田に来る時、解散してしまったので、探し中です。今でも元パートナーには親切にしてもらっています。

――アイスダンスではどのようなことが大切だとコーチの方などから教わっていますか

 どんな時でもきちんとバランスを保ちながら、上半身をしっかりホールドすることです。猫背や腕が落っこちそうな感じだとだめなので。

――ご自身の強みは何だと思いますか

 綺麗さかな。上半身をきちんと伸ばしたり、フリーレッグをきちんと真っ直ぐにしたり、細かいところ一個一個意識して練習しています。

――得意な曲調、好きな曲調などはありますか

 やはり好きな曲もあります。ワルツのアップダウンアップダウンする感じが好きでした。フリーでもワルツをやりたいです。

――Instagramの部員紹介欄で、「今まではパターンダンスをメインで練習してきたから、今後はフリーダンスをやっていきたい」と書かれていましたが、パターンダンスとフリーダンスはどのような違いがあると思いますか

 パターンは昔のルールなんです。今でもローカル戦ではその部門が残っていますし、実際、僕もその部門しか試合に出た事がないです。曲が流れたら世界中の全選手が同じ踊りができるんです、凄いですよね。現在の公式戦はフリーだけなので、パターンには無いリフトやツイズル、スピンも有るし、全チームが違う踊りなので見ている人も楽しいと思います。でも多分これからもアイスダンサーはまず、パターンを学ぶと思います、すごく基礎が詰まっているので。両方ともアイスダンスだと思っていますが、(両方とも楽しいですが)、フリーの方が色々表現できるので楽しいかも。

――選手としての理想像はありますか

 皆を喜ばせられる選手になりたいです。試合では皆さんの貴重な時間を、僕達のチームだけ見てもらうので、その時間が幸せだったと思ってもらえるよう、キラキラして見えるように頑張っています。それから、僕はアメリカと日本のスケート連盟に所属していたしアイスダンスというマイナースポーツを日本で続けているので、いつか次世代を育てたいです。この経験と知識を次世代に残すのが僕の役目だと思っています。

――Instagramでチャーリー・ホワイト氏とコメントを交わしていましたね。憧れの選手だと伺いましたが、元々交流などはあったのですか

 驚きました(笑)。チャーリー・ホワイトからコメント来てるよ、とお母さんから突然電話が来て、えっ、と思って見たら本当に来ていて本当びっくりです。実は今、どこに移籍できるのか分からない状況で不安だらけなので、チャーリーの優しさがすごく嬉しかったです、力をもらいました。知り合ったのはアメリカにいた時で、同じリンクで練習させてもらっていました。アイスショーで来日した時だと思うのですが、偶然日本で会った時にも声をかけてくれるぐらい、優しくて温かい、憧れの選手です。ソチの金メダルの踊りはテレビの大画面で100回以上見ました、カッコいいんです。

――早稲田大学のスケート部に入部した理由、経緯を教えてください

  WASEDA ON ICE が、皆で魅せる感じで良かったです。WASEDA ON ICEに出たいです。

――早稲田の先輩や同期と交流しましたか

 練習で少し会いましたが、僕がコーチと話していたので話す時間がなくて。今度はもっと話したいと思います。

――早稲田大学フィギュア部門への印象は

 すごく皆優しかった印象です。皆一緒に話していたし、練習後皆でご飯に行こうと話していました。僕も行きたかったですが、用事があって行けなかったのですが。皆本当に仲が良さそうです。

 

私生活、大学生活について

――趣味は何ですか

 最近音楽を作ってみました。昔バイオリンとピアノをやっていて、他の楽器をくっつけてやってみようかなと。デジタルプログラムなのですが、少し遊んでみました。あとは、3Dアニメーションも昔から少しやっています。

――オフの日は何をしていますか

 今はサークルの新歓イベントに行って毎日忙しいです。ずっと外食で太ってしまいました、ダイエットしないと。サークルは英語のディベートやコーラス、他にも色々加入しました。やりたい事がいっぱい有るし、友達ができて楽しいです。早稲田に入って本当に良かったです。

――社交ダンスの大会でお名前を見かけましたが、社交ダンスもやられているのですか

 日本に来てからスケートのトレーニングの為に始めたら、直ぐに大会に出させてもらいました。先生方は信じられないぐらい優しくて、前向きで、一生懸命教えてくれました。2年間で沢山の方と組みましたが、それぞれの期間が数ヶ月だったし、最後の方は10種目戦だったので振付を覚えるのが大変でした。元々お母さんが学連(競技ダンス学生連盟)出身だったので、僕も早稲田の競技ダンスにも加入しました。いつか早稲田に優勝トロフィーを持ち帰りたいですね。スポーツは他にもバレエをやっています、松山バレエです。

――大学生活には慣れましたか

 最初はすごく大変でした。実家は神奈川で近いのですが、日本に来る時にアメリカの通信科に転校してしまって、同年代の友達が全然いなかったので合格祝いに寮に入れてもらいました。寮生活では友達に「この日本語、どういう意味?」と言いながら助けてもらって何とかやっている感じです。色々トラブルはありますが、楽しいです。

――寮生活はどうですか

 今まではお母さんがご飯を作ってくれていたのでやはりご飯が一番大変です。あと、1階にコインランドリーが有りますが部屋に洗濯機を買いました。すごく小さくて1時間半とかかかるので大変です。(寮生とは)1階に行けば誰かいるのでずっと話しています。僕の寮はインカレで、英語が話せる人が多くてうれしいです。

――高校生活と比べていかがですか

 中学・高校は日本で、アメリカの通信科を受けていました。ずっとオンデマンドだったので、やっと他の人と会えて楽しいです。ずっとアメリカへ戻って進学するつもりだったのですが、昨年やっぱ日本に残ろうと思って急いで勉強しました。日本はアメリカより入学が半年早いのと、通信科でちょっと遅れ気味だったので、昨年だけで一気に2学年分を終えるのと受験勉強が重なり、すごく大変でした。5年振りに同年代と話すので最初は緊張しましたが、頑張っています。

――国際教養学部ですが、何を勉強していますか

 一番難しい質問です(笑)。スペシャリストというより、色々勉強して色々できるようになって社会に出る学部です。英語で単位が取れるので助かっています。

――面白かった授業、逆に大変な授業などはありますか

 先生によります。先生と話せる授業が一番楽しい授業だと思います。内容が難しくても先生が楽しいと頑張れます。でも、内容に興味があるとプラスで頑張れます。プログラミングに興味があるのですが、必修が重なって今回は取れなかったので、来年取りたいです。

――大学に入って環境に変化もあったと思いますが、スケートの練習はいかがですか

 今、(所属クラブなど色々)変更中で、アイスダンス専門の時間に入れないので、一般滑走で滑っていて、それが大変です。

――スケート以外で、大学4年間でやってみたいことはありますか

 自分一人で生きられる人間になりたい。きちんと一人で自立した人間になりたいです。

 

今後について

――今シーズンの目標を教えてください

 僕は綺麗さがアピール(ポイント)なので、限界を超えて綺麗になりたいです。動画を見て、ここはミスしていたなとか復習して自分を高めたいです。あとやはりフリーの試合に出たいです。早くパートナーが決まり、練習したいです。

――今後もスケートはアメリカではなく日本で続けていきますか

 日本で頑張ろうと思っています。

――大学4年間の目標、ビジョンを教えてください

 アイスダンスは近年で大幅なルール改正が何度も行われて、それに対応する事はコーチも選手も大変で、困難ばかりですが、どんな時でも続ける事が僕の強みなので、あきらめずに頑張ります。まず大学生の間にフリーの大会に出たいです。全日本選手権や世界選手権にすごく出たいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 荘司紗奈)

◆マッカートニー学斗(がくと)

アメリカ・The Keystone Highschool出身。国際教養学部1年。所持級はアイスダンスシルバー。