矢野が東日本個人2冠のタイトル獲得! 吉田をはじめ、他2人もベスト8入り

男子軟式庭球

東日本学生シングルス選手権 7月16日~17日 千葉・白子町テニスコート

 団体戦、ダブルスを終えて迎えたこの日。最終シングルスの試合が行われた。早大からは計25名が出場。全日本学生シングルス選手権(インカレ)への切符を手にすることができるベスト4を懸け、一対一の真剣勝負が繰り広げられた。矢野颯人主将(社4=奈良・高田商)が2ゲーム以上は絶対に渡さぬ圧倒的な強さで、ダブルスに続き見事に優勝。東日本個人2冠のタイトルをつかんだ。また、端山羅行(社4=石川・能登)、浅見竣一郎(スポ1=宮城・東北)、そして団体戦・ダブルスで苦しんだ吉田樹(法4=東京・早実)もベスト8に入り、早大のチーム層の厚さをうかがわせた。

 多くの選手が2回戦から始まる中、12名が1回戦から試合に臨んだ。1回戦では、個性豊かな1年生が躍動を見せた。カットサーブが魅力の近江一真(スポ1=福井・北陸)がストレート勝利を収めると、浦濱大牙(教1=東京・早実)や蛯谷誠也(法1=静岡・清水東)も続々と勝利。ダブルスでは出場のなかった髙須賀祥也(教1=愛媛・新浜西)も、先輩たちに見守られながら、1ゲームも譲らず、白星を挙げた。各々の実力を出し切り、1年生6名が全員初戦を突破した。2回戦では、炎天下の中、吉岡藍(社4=群馬・健大高崎)、小林裕仁郎(スポ4=福井・敦賀)はファイナルゲームに持つれ込む熱い戦いに。集中力を切らすことなく、着実にポイントを重ね、4年生の底力を見せつけた。1日目は3回戦までが行われ、渡健博(スポ3=山口・徳山)や平田泰一(教1=埼玉・川越東)含む10名が勝ち上がり、翌日に駒を進めた。

 東日本インカレ最終日となるシングルス2日目。トーナメントには初日に生き残った各強豪校の精鋭たちが名を連ねた。ダブルスでインカレ出場権を獲得した石森崇大(スポ4=福井・敦賀)はナショナルチームにも選ばれている黒坂卓矢(日体大)に力及ばず敗退。1年生ながらここまで勝ち上がってきた平田もダブルスでベスト8に入った松本航(東海大)に2-4で惜敗した。早大からは矢野、端山、浅見、吉田、松本翔太(スポ3=香川・尽誠学園)、安達宣(スポ1=奈良・高田商)のAチームメンバー6人だけが5回戦へ進出。ここからは実力者同士によるふるい落としが始まった。5回戦では、松本が竹田凌(日体大)に、6回戦では、安達宣が高校時代ペアを組んでいた橋場柊一郎(法大)に敗北。4年生3人と1年生1人が準々決勝へと残った。シングルスで連覇を狙う端山は濵田祐(中大)と対戦したが、主導権を握られてしまい敗戦。浅見も松本を打ち破ってきた竹田凌(日体大)の勢いあるプレーを止められず。そして吉田。団体・ダブルスと「自分たちのプレーがあまりできず」、今大会では苦しい思いをしてきた選手だ。シングルスでは、「できるだけ上を目指して頑張ろう」と気持ちを切り替え、準々決勝までの5戦中4戦をストレートで勝ち上がってきた。しかし、相手は世代最強ベースラインプレイヤーの橋場柊一郎(法政大)。容赦なく打ち込まれるシュートボールに、関東学生春季リーグ戦以降強化してきたテンポ感ある球で抗うも、隙を与えないショットに出し抜かれ、2-4で敗れた。インカレ出場権には一歩届かず、3人ともに準々決勝で散ったが、ベスト8に入るという優れた成績を収めた。

 内藤慎思(法大)を倒し、唯一準決勝へと勝ち上がった矢野は、準決勝では橋場柊一郎(法大)と対戦。思わず惚れ込んでしまうような、コースの鋭く正確なボールに苦しむポイントも見られたものの、威力ある相手のボールを巧みにコントロールし、負けじとコースを打ち分け、4-1で勝利した。決勝戦の相手は松本、浅見と後輩たちを次々と倒してきた竹田凌(日体大)。ずっと磨きをかけ続けてきた強烈なファーストサーブやシュートボールが炸裂し、貫いた矢野のプレースタイルで、決勝にも関わらず、4-0のストレートで勝利。見事にシングルス東日本学生王者に輝いた。 

 関東学生シングルス選手権、関東学生選手権で優勝し、関東のタイトルを手に入れ、今大会で東日本のタイトルをつかんだ矢野。残すところは唯一取れていない全日本のタイトルだ。矢野は「ダブルスで絶対優勝して、そのままシングルスも優勝して、 団体最後みんなで力を合わせて優勝して、三冠を狙いたい」と意気込んだ。吉田が「一番は後悔しないように全力で取り組むようにしていく」と語ったように、泣いても笑っても次が最後の学生の大会だ。1年目のインカレは新型コロナウイルスで中止になり、下級生時には各種大会で制限を受けてきた02世代。最後のインカレでは、4年生全員で飛び切りの笑顔を見せてほしい。

(記事 佐藤結、写真 佐藤結、軟式庭球部提供)

 コメント

吉田樹(法4=東京・早実)

ーー団体戦とダブルスをそれぞれ振り返っていかがですか

 団体戦は2日目勝負の試合が結構多かったのですが、自分たちのプレーがあまりできませんでした。あとは、3-1などリードした時とファイナルに行った時の自分たちの詰めの甘さというか、勝負強さがあまり出せませんでした。それで、最後(日体大戦)もリードしてからまくられてしまいました。団体戦はそういう甘さが少し出たのかなと思います。ダブルスは向かって来られるので、すごく苦手な部分があるのですが、その向かって来られる相手に対して跳ね返す力がありませんでした。これまで取り組んできたこともうまいことやれたのですが、少し焦りもありました。というところで向かって来られてしまったので、良くないところが出てしまったかなと思います。

ーー課題点と収穫点をそれぞれ教えてください 

 課題はリードした時からの詰めというところと、ファイナルの入りが自分の中でもう少しうまくできるなと思うので、そこが課題かなと思います。収穫点としては春リーグ(関東学生春季リーグ戦)が終わってからずっとテンポを上げるのを意識していて、それが何球か出せて、そういったところを他大には見せられたかなと思うので、そこは良かったと思います。

ーー本日のシングルスを振り返っていかがですか

 シングルスは結構厳しい戦いではあるのですが、ダブルス、団体といい結果を残せなかったので、シングルスでできるだけ上を目指して頑張ろうという思いでやっていました。
ーー夏の間に強化していきたい部分っていうのはどういったところですか

 やはり1番の目標は団体戦で勝つことで、団体戦が日程的に最後になり、体力勝負というところになると思うので、フィジカルの強化をもう1回やっていきたいです。あとは、自分たちより実力のある選手たちもたくさんいるので、そういった相手にも競り勝っていかなければならないので、メンタルの強さだったり、この大会で出た詰めの甘さというところを突き詰めていけたらなと思っています。

ーーインカレに向けて目標と意気込みをお願いします

 インカレも今年4年生で最後になるので、勝つのが一番嬉しいことですが、 勝っても負けても、一番は後悔しないように全力で取り組むようにしていくので、最後頑張ります。 練習します!

結果

▽1回戦

山岸龍平④ー0齋藤逞(東北福祉大)

永原遥太④ー1岩田蒼科(帝京大)

松本翔太④ー1佐藤遥斗(東洋大)

奥山航平0-④ 太田光乙(法大)

小幡泰雅④-3苫米地勝成(日体大)

平岩稜将④ーR稲林健人(法大)

近江一真④ー0片桐広翔(東京経済大)

大竹公陽④ー2福島涼選手(日体大)

浦濱大牙④ー0島元新平(東洋大)

蛯谷誠也④ー0佐伯陸羽(帝京大)

根田大地④ー1佐藤紳(東北福祉大)

髙須賀祥也④ー0高橋賢人(東洋大)

▽2回戦

石森崇大④ー1児玉蒼良(帝京大)

三田村優音0ー④ 守山湧叶(日体大)

端山羅行④ー0大崎竣也(日体大)

山岸龍平1-④ 増田洋五豊(日体大)

小林裕仁郎④-3大久保優(法大)

永原遥太2-④ 青木真尋(東海大)

矢野颯人④ー0久郷恒太(法大)

山口皓太郎2-④ 對馬健人(駿河台大)

吉岡藍④-3外山陽翔(日体大)

吉田樹④ー0藤岡忠正(法大)

松本翔太④ーR野本凌生(法大)

渡健博④ー2工藤大和(東北福祉大)

小幡泰雅1-④栗山怜大(専大)

飯干開生④ー0竹谷航洋(日体大)

平岩稜将1-④ 大村圭志朗(日体大)

安達宣④ー0中山秀也(明大)

近江一真2-④片岡暁紀(日体大)

大竹公陽1-④岩崎俊介(国学院大)

平田泰一④-3吉川柊太(東北福祉大)

浅見竣一郎④ー1柳橋俊樹(東海大)

浦濱大牙0ー④竹田凌(日体大)

蛯谷誠也④ー3鬼塚一成(東洋大)

根田大地1-④ 菊山太陽(法大)

髙須賀祥也0ー④ 濵田祐(中大)

▽3回戦

石森崇大④ー1佐藤太登(東北福祉大)

端山羅行④ー1小林剣心(東洋大)

小林裕仁郎2-④ 新井颯太(日体大)

矢野颯人④ー0永石哲也(東洋大)

吉岡藍④ー0山賀滉己(帝京大)

吉田樹④ー0松村奏澄(東経大)

松本翔太④ー2宮本涼平(城西大)

渡健博④ー0田淵勇人(日大)

飯干開生④ー3二瓶碧音(東洋大)

安達宣④ー0長谷川大翔(帝京大)

平田泰一④ー2飯田航仁(国学院大)

浅見竣一郎④ーR

蛯谷誠也2-④ 鈴木亮太朗(中大)

▽4回戦

石森崇大1-④黒坂卓矢(日体大)

端山羅行④ー1一ノ瀬哲平(東海大)

矢野颯人④ー1小池賀久(慶大)

吉田樹④ー0相澤波月(帝京大)

松本翔太④ー0西牧幹起(石川高専)

渡健博0ー④森川亮介(法大)

飯干開生2-④幡谷康平(中大)

安達宣④ー2関根颯斗(日体大)

平田泰一2-④松本航(東海大)

浅見竣一郎④ー2山根蒼太(慶大)

▽5回戦

端山羅行④ー1田中蘭聖(法大)

矢野颯人④ー1増田洋五豊(日体大)

吉田樹④ー0岩田皓平(日体大)

松本翔太0-④竹田凌(日体大)

安達宣④ー1御手洗友哉(石川高専)

浅見竣一郎④ー2森川亮介(法大)

▽6回戦

端山羅行④ー1黒坂卓矢(日体大)

矢野颯人④ー0松本航(東海大)

吉田樹④ー1幡谷康平(中大)

安達宣0-④橋場柊一郎(法大)

浅見竣一郎④ー2松本隼(東海大)

▽準々決勝

端山羅行1-④濵田祐(中大)

矢野颯人④-1内藤慎思(法大)

吉田樹2-④橋場柊一郎(法大)

浅見竣一郎1-④竹田凌(日体大)

▽準決勝

矢野颯人④-1橋場柊一郎(法大)

▽決勝

矢野颯人④-0竹田凌(日体大)