全日本大学総合選手権(団体の部) 7月4~7日 大阪・大浜だいしんアリーナ
4日間にわたって行われた全日本大学総合選手権・団体の部(インカレ)。日本一の称号を求め、全国から48大学が出場した。1・2日目は3校編成の予選リーグが行われ、上位2校が3日目以降に行われる決勝トーナメントに進出する。早大は予選リーグを1位で通過すると、決勝トーナメント1戦目の中京学院大に危なげなく勝利を収める。続く2戦目の相手は春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)でストレート負けを喫した中大。リベンジを試みるも0-3で敗れ、昨年に続くベスト16で大会を終えた。
春季リーグ戦とは異なり、インカレでは5ゲームマッチ3ゲーム先取で試合が行われ、またシングルス4人とダブルス1組の全5試合で行われる。早大は杉田陽南主将(スポ4=大阪・香ヶ丘リベルテ)、顧琳婧(スポ4=愛知・桜丘)、宮脇心和子(社3=鳥取敬愛)、司千莉(スポ1=大阪・香ヶ丘リベルテ)の4人を中心にオーダーを組み、試合に臨んだ。予選リーグ1戦目、東北大を3-0で下し、順調な滑り出しを見せる。しかし2日目の朝日大との試合は波乱の展開となった。1番手の顧と2番手の司がまさかの2連敗。後がなくなった早大の命運は杉田・司のダブルスに託された。2ゲームを先取されるが、第3ゲームをデュースで奪うと、その後の2ゲームを取り、チームを救う一勝を手繰り寄せた。4番手の杉田主将、5番手の宮脇はいずれも3ー1で勝利し、見事接戦を制した。予選リーグを1位で通過した早大は、3日目の決勝トーナメントへの進出を決めた。
全ての試合に出場した杉田・司組
決勝トーナメントの組み合わせは前年度の大会結果と抽選によって決まる。早大の第1試合の相手は、予選リーグを2位で通過した中京学院大。1番手には司が出場し、はじめの2ゲームはデュースまで粘られるが、要所で司のサービスやコースをついたドライブが光り、ストレート勝ちを収めた。続く2番手は顧。カットマン同士の対決となり、第1ゲームの途中から規定により促進ルールが採用された。促進ルールとは試合の時間を短縮するためのルールで、レシーバーが13回返球すると(13回以上ラリーが続くと)レシーバーの得点となる。これにより、カットのラリーが続く場合、どちらかが攻撃などを仕掛ける必要が出てくる。第1ゲームは顧の攻撃ミスなどが目立ち、落としたものの、第2ゲームからは徐々に促進ルールにも慣れ、顧が流れをつかむ。ゲームカウント16ー14と接戦を制すと、第3ゲームからは相手のミスも目立ち、2ゲームを連取。カットマン同士の対決というレアケースにも対応し、早大が王手をかけた。「インカレを通して、やっとちょっと自分たちの強みがわかった」と杉田主将が試合後話したように、杉田・司組は2人の力強い攻撃がさく裂。ストレート勝ちでチームの勝利を決めた。
中京学院大戦で、カットマン同士の対決を制した顧
第2試合の相手は中大。春季リーグ戦では0-4で敗北した苦い思い出がある。1番手は春季リーグ戦と同様杉田主将。中大も春季リーグ戦と同様に枝廣愛選手を起用し、およそ2か月振りの再戦となった。試合は速いラリーの応酬となるが、粘り強く返球してくる相手を前に杉田主将は攻撃を決めきれない。第2ゲームは奪ったものの、1-3で敗れた。杉田は「内容は少しずつ良くなっている」としつつも「負けは負け」と悔しさをにじませた。2番手は宮脇と武山華子選手の対戦。こちらもロングラリー中心の試合展開になる。第1ゲームは終盤までリードしていたが、9-6から相手に連続ポイントを許し、デュースに。このゲームを落とすと、流れは徐々に相手に傾く。ラリーで点が取れず、ストレート負けを喫した。勝負のダブルスの相手は吉岡桜子・川畑明日香組。春季リーグ戦とは違う組で杉田・司組とは初対戦となる。カットマンとサウスポーのペアで、やりづらさがあったか、はじめの2ゲームは攻撃のミスが目立つ。しかし第3ゲームを11-8で奪うと、続く第4ゲームは相手を圧倒。勢いそのままに第5ゲームに入ると、初めの5点を連取する。しかし中大のタイムアウト後から徐々に相手が得点を重ね、9-10で相手のゲームポイントに。司のドライブが決まり、デュースにもつれ込むが、最後は杉田主将のバックドライブがネットにかかり、敗れた。チームは0-3で敗れ、ベスト16で大会を終えた。
力強い応援も印象的だった
「うまくいっていなかったことが多い中でインカレを迎えてしまった」。試合後、杉田主将はこう振り返った。たしかに早大は今大会を優勝した筑波大に春季リーグ戦で勝利しており、一概には言えないものの、優勝できる実力はあっただろう。そう考えると今回のベスト16は悔しい結果ともいえる。次の団体戦は秋季関東学生リーグ戦。インカレでの悔しさを力に変え、夏を超えてさらにレベルアップしたチーム力を見せてくれるに違いない。
(記事 梶谷里桜、写真 丸山勝央、三浦佑亮)
結果
▽予選リーグ
第1戦
対東北大 ○3-0
○宮脇3-0遠藤
○司3-0池田
○杉田・司3-0二瓶・遠藤
杉田 二瓶
顧 樋口
第2戦
対朝日大 ○3-2
●顧2-3森
●司1-3浅田
○杉田・司3-2宮國・境野
○杉田3-1山﨑
○宮脇3-1宮國
▽決勝トーナメント
1回戦
対中京学院大 ○3ー0
○司3ー0青木
○顧3ー1横谷
○杉田・司3-0桑原・横谷
杉田 桑原
宮脇 岡野
2回戦
対中大 ●0-3
●杉田1-3枝廣
●宮脇0-3武山
●杉田・司2-3吉岡・川畑
司 川北
顧 髙橋
コメント
杉田陽南主将(スポ4=大阪・香ヶ丘リベルテ)
ーー4年生として、また主将として臨むインカレでした。どのような気持ちで臨みましたか
正直、うまくいってなかったことの方が多い中で、インカレを迎えてしまった部分はあるのですが、 その中ではうまくできた方ではあるかなとも思います。ありがたいことにたくさんの人の思いを背負ってインカレに臨みましたが、それに応えられたかというと全然だめでした。
ーーインカレ全体を振り返っていかがですか
正直、予選リーグの朝日大学戦から厳しい試合でした。結果としてチームは乗り越えることはできたのですが、やっぱりインカレ(決勝トーナメント)はトーナメント戦なので、体力はできるだけ使わない方がもちろんいいですし、そういう点ではもう少しできた部分はもちろんあったかなとも思います。中大戦は実力不足というか、やり方がまた良くなかった部分ではあると思います。平凡な人は誰よりも失敗しないと成功できないし、この失敗をどうやって受け止めるかが大事かなと思っています。
ーー今おっしゃっていたように、予選リーグでは、朝日大学との接戦を制し、首位で通過しました。予選リーグを振り返っていかがですか
(朝日大学戦は)チームとしての弱さがもろに出てしまった試合ではあったのは間違いないと思います。もちろん朝日大学さんもすごく強い大学なので、簡単にはいかない大学ではあったのですが、それにしてもちょっと苦しかったかなという思いはあります。
ーー中央大学との試合では、リーグ戦に続き、1番手で枝廣愛選手と対戦しました。振り返っていかがですか
枝廣選手にはもう3連敗ぐらいしているのかな。大学入ってからはもう勝ったことがなくて、はっきり言って相性がいい相手ではないのは間違いないです。内容は別に良くなっているのは良くなっているんですけど、負けは負けなので。次やった時に勝つことができるように改善していければいいかなと思っています。
ーー全ての試合、司選手とのダブルスで出場されました。振り返っていかがでしたか
インカレを通して、やっとちょっと自分たちの強みがわかったというか、ダブルスのやり方が少しわかったかなと思います。やっぱり4月から組み始めていて、そんなに歴が長いダブルスではないので。ただ、その中で(インカレでは) 3勝1敗という成績で、すごく濃い経験をさせていただいたなと思います。
ーー今おっしゃっていたダブルスでの強みっていうのはご自身でどんなところだと思いますか
自分は考える担当ではないのでわからないです(笑)。
ーー次の団体戦は秋季関東大学リーグ戦になると思います。次の試合に向けての意気込みをお願いします
やっぱり早稲田大学は、ありがたいことにたくさんの人に応援していただいて、インカレでも来ていただいたOB・OGの方の数は他の大学に比べて圧倒的に多いです。すごく応援していただいて、それに何か少しでも恩返しができないかなと気持ちもあります。特に4年生ということで、関わっていただいた全ての方に結果という形で恩返しができるように、チーム全員で頑張っていきたいと思っています。