横山と斎藤が初めて全国の舞台に立つ!

剣道男子

第72回全日本学生剣道選手権大会 6月30日 武蔵野の森総合スポーツプラザ

 6月30日、東京、武蔵野の森総合スポーツプラザにて、第72回全日本学生剣道選手権大会が開催された。今大会は、各地方大会を勝ち上がった計212名の精鋭がトーナメント形式で戦い、個人の学生日本一を決める大会だ。早大からは、5月12日の関東学生剣道選手権大会で5回戦に進出した横山、そして熾烈な敗者復活戦を勝ち上がった斎藤の二人が共に初めての出場を果たした。斎藤は1回戦で、横山は2回戦に進んだが惜しくも敗退となった。

 斎藤は1回戦、蔵本(名経大)と対戦。齋藤は上段の構えから得意のメンを打つ機会を狙う。しかし蔵本の堅い守りを容易には崩せず、試合は延長戦へ。6分にはあまり見せないドウを狙ったが決められず。すると8分、つばぜり合いから離れかけた一瞬の隙に引きメンを打たれ試合終了。1回戦敗退となった斎藤は「つばぜり合いから離れたところで気が抜けてしまった」と課題を口にした。

防御の体勢を取る斎藤

 横山は1回戦、多田(関学大)と対戦。序盤は互いに出方を窺(うかが)う慎重な展開となる。試合が動いたのは開始から4分過ぎ。「少し雑になってしまった」と、横山がコテを狙って間合いを詰めた瞬間、空いたメンに打たれ1本を失ってしまう。後がない横山はメン、コテを狙い果敢に攻撃を仕掛ける。すると終了まで残り30秒、多田がメンを打った出鼻でメンを返し、土壇場で追いつく。そのまま5分が終了し、試合は延長戦へと突入した。延長に入ると試合は膠着(こうちゃく)し、双方なかなか技を決められない時間が続く。17分にドウを打ち、早大部員からも歓声が上がったがこれは認められず。試合が決まったのは開始から19分後。多田の防御をかわして横山がメンを打ち勝負あり。20分に迫る激闘を制して2回戦に進出した。2回戦では森川(東海大)と対戦。上段の相手に対して、軽やかなフットワークで1回戦よりも積極的に技を狙っていく。4分には惜しいメンもあったが決まらず、延長戦へ。最後は離れた間合いから飛び込まれコテを打たれて敗戦。横山は「気の緩みが良くなかった」と悔しさを露わにしつつ試合を振り返った。

構える横山

 全国の舞台で初めての経験を積んだ二人。結果は悔しさの残るものとなったが、この経験は二人にとって大きな糧となるはずだ。およそ2か月後に迫る関東学生剣道優勝大会での躍進に向けて、鍛錬の夏が幕を開ける。

※掲載が遅れてしまい申し訳ありません

(記事 植村皓大 写真 佐藤結、長屋咲希)

試合結果

横山冬馬(スポ2=宮崎・日章学園)

1回戦○ 横山メメ―多田(関学大)

2回戦● 横山―コ森川(東海大)

斎藤裕太(社3=大分国際情報)

1回戦● 斎藤―メ蔵本(名経大)

試合後コメント

横山冬馬(スポ2=宮崎・日章学園)

――初の全日本個人戦となりましたが、どのような気持ちで臨みましたか

 自分の実力がどこまで試せるか、どこまで行けるかというのを目標にしていました。

――関東学生剣道選手権が終わってから意識して取り組んでいたことはありますか

自分は別にすごい技術やパワー、スピードがあるわけではないので、気持ちの面で試合と同じ想定をしながら練習していました。

――今日の試合を全体的に振り返っていかがですか

 今日はやはりあまり良くなかったです。1回戦で1本取られたり、最後に負けたところも少し足が止まってしまったというか、気持ちが弱いところが出てしまいました。

――1回戦は10分を超える長い試合となりましたが、振り返っていかがですか

1回戦目は自分が少し雑になってしまい、打たれてしまいました。必死に返そうとしてなんとか返すことができて、延長になってからはお互い我慢比べかなと思っていました。

――2回戦は上段の相手でしたが、振り返っていかがですか

2回戦は足だけ止めないように意識していました。 良い感じにはいけていたのですが、最後やはり少し足が止まってしまい、気の緩みが良くなかったかなと思います。

――今日出た課題と収穫を教えてください

課題はやはり強い人に比べたら全体的なレベルが低いというか、パワーや技術、テクニックやスピードなど全ての面でまだまだ足りていないなと思っています。収穫はあまりなかったのですが、強い人とやれたので、そこからまた自分が勝てるように、成長できるようにしていきたいです。良いものを見られたので、これから頑張っていきたいです。

――9月の関東学生剣道優勝大会に向けて意気込みをお願いします

やはりうちのチームは他と比べたらあまり強くないので、チーム一丸となって、少しでも上に行けるように頑張りたいです。

斎藤裕太(社3=大分国際情報)

――初の全日本個人戦となりました。どのような気持ちで試合に臨みましたか

 早稲田剣道部自体がここ最近個人戦に出る機会が少なかったので、代表として恥ずかしくない姿を見せられたらなという気持ちで試合に臨みました。

――関東学生剣道選手権が終わってから意識して練習したことはありましたか

 打った後に空いてしまうところが課題でした。前回関東で負けた時も打とうとしたところや打った後で相手に打たれていたので、そこを意識して練習しました。

――今日の試合全体を振り返っていかがですか

 練習してきたところは試合で出ていたと思います。ただ、気を抜いた瞬間に決められてしまったのは課題だと思います。

――今日出た課題や収穫はありましたか

 力が全然足りてないということは感じました。また、鍔迫り合いになった瞬間、離れる瞬間で気が抜けてしまうのが課題だと思います。

――最後に9月に控える団体戦に向けて意気込みをお願いします

 全員で一丸となって全力で戦います。