3Pで追い上げを見せるも届かず 現在1位の日体大に完敗

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関東学生リーグ戦 6月16日 東京アクアティクスセンター

TEAM 1P 2P 3P 4P 合計
早大 10

日体大

15

 開幕から1ヵ月が経った関東学生リーグ戦(リーグ戦)が佳境を迎えている。早大水球部女子部門は、1次2次予選リーグを4位につけ、16日順位決定戦の初戦に挑んだ。対するは、現在全勝中でトップを走る日体大だ。この日も予選での戦いぶりと同様、1対1の攻防の際に激しくマークをつけられ、なかなか早大ペースに持っていくことができない。そんな中第3ピリオド(P)では、カウンターやパス連携で多彩にボールを繰り出し、一挙5得点。だが反撃はここまでに終わり、10ー15で完敗した。

タイムアウトを取り話し合う早大チーム

 試合開始直後から、日体大のパワーあるオフェンスについていく形になり、先制を含む2得点を奪われる。そこで4分半、佐野陽(スポ1=山口・西京)がペナルティスロー(PS)を決め1点を返す。だが「パワーが強く、思うようにパスをつなげなかった(橋本彩星、スポ1=東京・白鵬女)と振り返るように、なかなかシュートに至ることができない。この後退水も絡んでの失点もあり、1-4で続く第2Pへ。開始30秒で得点を許したが、1分半にすぐさま井上が前線にボールを運んで相手の退水を誘う。こうしてPSのチャンスを得て、またも佐野が決め切った。だがファウルを取られたり、パスミスからインターセプトを食らうなど、日体大の攻撃時間を増やしてしまい、ここから3連続失点。負けじと5分半には、カウンターアタックを狙って鈴木杏梨(スポ2=東京・白鵬女)がアシスト。ボールを受けた井上舞(スポ3=京都・鴨沂)は厳しいディフェンスを受けながらも、腕だけを水面から出して見事に決め入れた。最後に残り10秒には、鈴木がコート6メートルライン付近から大きなループを描くシュートを生んで、このPを3-4とした。

セットプレーに入る橋本 

 4-8から巻き返しを図りたい後半。だが第3P開始直後、1年生ながら得点源の1人として活躍している佐野が永久退水を取られてしまう。そこから失点も許したが、すかさず1分半に阿部紗也香(スポ4=千葉・芝浦工大柏)がバックシュートを決めると、チームが勢いづいた。3分半に、橋本が奥田麗主将(スポ4=東京・藤村)にセンタリングを通すと、ミドルシュートを成功。4分にはまたも橋本がチャンスボールを持ち、右サイドでロングドリブル。ここは自分でゴールまで運び、多彩な動きを見せた。この間に相手の攻撃ターンでは失点しつつ、早大も食らいついて交互に得点を決め合う展開が続く。6分半には、鈴木と手坂心乃(スポ4=千葉・秀明八千代)でパスを回し合いながらチャンスを見計らう。攻撃時間残り5秒になったところで、手坂が不安定な位置からのシュートを強いられるが、これをゴールネットの左隅に投げ込んで見事に得点。こうして9ー12と3点差まで詰め寄り、第4Pに逆転の望みを託した。 

シュートを狙う手坂

 鈴木がセンターボールを取り、積極的に攻撃を仕掛けて始まった最終P。だがゴール前で反則を取られて痛恨のPSを許し、直後にも失点。タイムアウトも活用してなんとか反撃の糸口を探すが、プレスディフェンスに押されパスを通すことができない。それでも4分半、奥田主将がインターセプトを成功させボールを奪うと、小刻みなパスを鈴木に送る。そしてその先にはゴール前で待つ阿部が。ループシュートを決め、一矢報いた。こうして10ー15で試合終了のブザーを迎えた。

相手ディフェンスをかわす奥田主将

 「1Pでの失点が後に響いてしまった」(阿部)。現時点でリーグ戦1位の可能性を持つ日体大を相手に優位なシーンもあっただけに、悔しさの募る試合となった。明日はリーグ戦最終戦。メダルをかけて、予選リーグでは2戦2敗を喫している東京女子体育大学との大一番に挑む。1ヵ月間の歩みを糧に、有終の美を飾れるか。

(記事、写真 中村凜々子)

得点者

阿部2、井上2、佐野2、奥田、手坂、鈴木、橋本

コメント

阿部紗也香(スポ4=千葉・芝浦工大柏)

ーーまず先週までの予選リーグを経て、どのような方針をチームで共有されていましたか

 学生リーグでの日体大戦は3回目だったので、強力な選手やどのようなプレーをされたくないというのは、共通で把握できていました。そのされたくない失点、例えばスクリーンという2人を使ったプレーや左利きの子のシュート、エースのフローティングのシュートを減らそうというのを考えていました。オフェンスは、最初の方の試合では自分たちが高い位置に居がちだったことが反省点だったので、前線まで埋めて30秒間攻めきろうという意識がありました。

ーー今日の試合全体の流れについて、振り返っていかがですか

 日体大の1Pでの勢いというのは、どの試合でもすごいものがあります。本当はそれを抑えたかったです。やはり1Pでの失点が後にも響く展開になってしまったので、今後は最初から自分達のペースを作れるように持って行きたいです。あとは3Pで全員で攻めきれて得点を3点差まで詰めた場面もあったので、そのような展開をやっていきたいなと思います。

ーーその3Pを勢いづけたのが阿部さんのゴールだったと思います。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 今日は私がオフェンスで攻める場面が多かったにしては、退水誘発や得点までいけるシーンが少なかったので、1対1の強化が必要だなと改めて痛感した試合になりました。

ーー最後に明日に向けて意気込みをお願いします

 今年の目標はメダル獲得なので、今日当たった日体大や明日当たる東京女子体育大学に勝たないとメダルは取れないと思います。まずは学生リーグで勝ちのイメージをつかむことができたら、今シーズンが良いものになると思います。

 橋本彩星(スポ1=東京・白鵬女)

ーーまずは今日のご自身のプレーを振り返っていかがですか

 今日はいつもの試合よりもアシストパスをうまくすることができました。それは自分が周りを見えていたというよりも先輩方が綺麗に、フリースローのタイミングを合わせて動いて下さったのでパスも決まったのだと思います。

ーー相手のディフェンスが厳しくなかなかシュートに至れない場面もあったと思うのですが、攻撃面ではどのようなところが難しく感じられましたか

 やはり日体大は当たりが強くて、思うようにパスをつなぐことができませんでした。それでもカウンターだったりの当たりが強くない場面でのシュートは、比較的綺麗に決まっていたと思うので、そこは良かったと思います。

ーー1年生として初めてのリーグ戦に1ヶ月弱挑まれていますが、慣れてきましたか

 人数が少ないので、普段の練習からコミュニケーションを沢山取らせていただいています。なのでだいぶ慣れてきました。

ーー最後に明日への意気込みをお願いします

 明日は東京女子体育大学との試合になります。試合に出ることになれば全力で頑張って、3位を勝ち取って終わりたいと思います。