新入生・岡本 新人戦ベスト16「チームの勝ちに貢献していけたら」

相撲男子

第75回東日本学生新人選手権 5月12日 東京・靖国神社相撲場

 ことしの東日本新人王を決定する東日本学生新人選手権が、靖国神社相撲場で開催された。全19校から63人がエントリーし、早大からは岡本塁(スポ1=兵庫・報徳学園)が出場。ベスト16という結果で大会を終えた。

 組み合わせの結果、今大会最初の取組に出場した岡本。体重差のある東洋大・横尾悠翔が初戦の相手となった。正面からぶつかる立ち合いを考えていた岡本は、相手の表情を見て「多分引いたら付いてこれないだろう」と冷静に分析。立ち合い後左にいなして、相手の状態が崩れたところを突き出した。3秒ほどの短い相撲で、着実に勝利をつかむ。

 2回戦の相手は日大・伊賀瑛之介。相手陣営から伊賀を応援する大きな声援が送られ、岡本は大学相撲の洗礼を浴びる。取組は土俵中央で互いに相手を押し合う接戦に。岡本は土俵際で相手の上体を起こすと、最後は突き出しでベスト16を決めた。

 ベスト8を決める個人決勝トーナメント1回戦の相手は中大・竹田連太郎。2回戦では、東農大の阿部凌成に一方的な取組で勝利を果たした選手だ。ただし、ことし5月の全日本大学選抜宇佐大会では、早大・川副楓馬主将(スポ3=熊本・文徳)に敗北した竹田。川副に「思い切って前に出て、自分の相撲を取れ」とアドバイスを受けた岡本だが、立ち合い後は竹田の押しに苦しむ。相手がバランスを崩したところで岡本ははたき込みを狙うも、竹田の足腰の強さが光り土俵際の勝負に。最後は突き落とされ、岡本はベスト16で大会を終えた。

 なお、同じく新入部員の横山司(スポ1=東京・足立新田)は怪我で欠場。橋本侑京監督(平31スポ卒=東京・足立新田)は「だいぶ怪我から調子が戻ってきた」とコメントし、復帰後の活躍に期待を膨らませた。

 ベスト16の結果で幕を閉じた岡本。試合後インタビューでは、相手を冷静に見て丁寧に取り組む姿勢が伝わってきた。自身の強みである「思い切りの良さ」を生かし、早大相撲部を背負う存在になることを期待したい。

(記事 中村環為、林田怜空 写真 上野慶太郎)
※掲載が遅れてしまい申し訳ございません

試合結果
予選
1回戦
横尾弐段●(突き出し)○岡本弐段

2回戦
伊賀初段●(突き出し)○岡本弐段

優秀16選手 個人決勝トーナメント
1回戦
岡本弐段●(突き落とし)○竹田初段


試合後インタビュー
橋本侑京監督(平31スポ卒=東京・足立新田)

――まず、今日の岡本弐段の取組をご覧になっていかがでしたか

自信を持って取っていたと思います。

――本年度、岡本弐段含めて3人の選手が加入しました。相撲部にどのような影響をもたらしていますか
本当に有望な選手3人で、性格も明るい子が多くて。練習をしっかりやりますし、 男子2人(岡本と横山)に関してはやはり高校時代も実績が豊富ですよね。岡本(塁、スポ1=兵庫・報徳学園)は春の宇佐大会(全国大学選抜宇佐大会)から出ていますが、今後もチームの中心を担っていけるような選手に成長してくれると思います。出場できていない横山(司、スポ1=東京・足立新田)もだいぶけがから調子が戻ってきたので、復帰したら活躍してくれることを期待しています。茜ちゃん(篠原茜、社1=東京・大妻)は、早大初の女子選手ということで。いろいろ工夫しながらですが、こちらも考えながら練習しています。でも本当に積極的な選手なので、良い雰囲気を作ってくれていると思っています。

――本年度から相撲部の監督に就任されました。いまの相撲部の強化したい点を教えてください

私も早大を卒業してからは、一応コーチとして試合に帯同しながら、また去年までは一応選手としても活動しながら部員を見てきました。やはりいまの選手は過去と比べて、と言ったら失礼ですが、高校時代から実績がある選手が多いので。勝ってきているからにはそれなりの理由があると思うし、それを忘れずにしっかりやってくれればなと思っています。課題としてはけがが多いので、短時間で質をどれだけ上げられるか。そのような練習をしないと、いくら実績があるとしても大学のステージでは勝てないですから。けがをしないよう基礎作りを前監督(室伏渉前監督、平7人卒=東京・明大中野)から引き続いて行いながら、1年間通して戦える選手に育てていきたいなと思っています。


――去年まで選手として活動されていたそうですが、現在は実践的な指導も行っているのですか
去年も一応国体などで何試合かは出させていただいて、今年も出ようかなと思っています。逆に言うと監督ではありますが年齢も近いですし、監督に負けてる選手はあれかなと(笑)。実践的にと言いますか、自分も積極的に土俵に立って、文字通り胸を合わせて一緒に高め合えたらなと思っています。

――6月には東日本学生選手権が、そして今年度まだまだ大会続きますけれども、6月の大会と今年度への意気込みをお願いします
6月の選手権がやはり上半期のターニングポイントとなる大きな試合になります。まずはそこに合わせて選手の気持ちを盛り上げて。あと1ヶ月ちょっとですけどチームづくりをしっかりして、応援も来てくださる方がたくさんいらっしゃるので、勝てるように頑張りたいと思います。6月の試合結果によって、その後の選抜地方大会(全日本大学選抜金沢大会。7月に石川県卯辰山相撲場で開催)に出られるかどうか決まるのでしっかり勝ちきりたいですね。やっぱり試合がコンスタントにない、試合間隔が空いてしまう状態になると、試合勘は失われると感じるので。まずは東日本の選手権に集中して、勝った結果を見て、インカレに向けてどのように仕上げていこうかを話し合おうと思います。

岡本塁(スポ1=兵庫・報徳学園)
――今日の3つの取組を振り返っていかがでしたか
最初の2番は思い切りがあって良かったと思いますけど、最後の取組で負けたときは中途半端になってしまって。自分の良さの思い切りがなく、相手の方が思い切って前に進んできました。その反省点を踏まえて、次に生かせればなと思います。

――初戦は体重差があって実績を残している相手でしたが、立ち合いはどのように考えて取り組みましたか
最初は思い切っていくつもりだったのですが、相手の表情を見た感じ「ちょっと緊張しているな」と思って。多分引いたら付いてこれないだろうと思い、相手を観察して突き出しました。

――第3戦の相手は、川副さんが宇佐大会で勝利した相手でしたが、何かアドバイスはもらっていましたか
思い切って前に出て、自分の相撲を取れと言われました。

――今大会は同世代の選手しか出場していない大会でしたが、今後戦ってみたい、もしくはいま注目している選手はいますか
東洋大学の五十嵐選手(五十嵐翔・1年)です。突き相撲が強く高校の時に全国優勝しているので、一度対戦してみたいなと思っています。まだ対戦したことがないので。

――今年度始まったばかりですが、今年度と6月の大会への意気込みをお願いします
良さである思い切った相撲を取るというところを生かして、また今日の反省点も踏まえて、チームの勝ちに貢献していけたらなと思います。