伝統ある早慶戦 団体は慶大に敗北するも、2年小林が躍動

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寒波によって冷え切った路面の中、慶大の日吉キャンパス練習場にて伝統ある早慶ジムカーナが開催された。1年生のデビュー戦でもありながら、4年生にとっては自動車部生活最後となるレース。早大自動車部からは、4年生3名、3年生5名、2年生4名、1年生7名が出走した。団体では、ホームグラウンドである慶大に敗北を喫してしまったものの、2年の小林眞緒(創2=福岡雙葉)が女子個人優勝の快挙を果たした。

 

早慶ジムカーナは、各選手午前と午後に1本ずつ走行をし、早い方のタイムを記録として採用し競うルールとなっている。午前の部、4年生からの走行となった。しかし、各選手1年ぶりのコースということもあり、「サイドターンの感覚がフィットしきれなかった」という4年藤岡慶(人4=東京・早実)をはじめ、パイロンタッチやミスコースといったミスが相次いでしまう。また、続く下級生も、本調子の出せない結果となった。3年の神林崇亮(人3=埼玉・早大本庄)は、「タイヤも使い切れていなかったので、最悪の走りだった」と振り返る。午前の部の走行が終わると、各選手は午前中のミスを振り返りながら慣熟歩行を入念に行い、午後へのコンディションを万全にした。

コースを駆け抜ける早大の競技車両

午後の部では、各選手午前中のタイムを大幅に更新をした。「絶対に失敗できないと思い、全力で走った」という4年藤岡は、華麗なハンドルさばきを見せ、1分7秒800の好タイムをマーク。全体の2位となる結果を残した。また午前の部でゴールペナルティを受けてしまった2年小林は、「1本目も勝つというよりは楽しみながら走ろう」という意気込みで出走。丁寧なハンドリングで華麗にターンを決め、ノーミスで58秒391を記録し、女子個人優勝を果たした。その他の早大選手も、午前の部での反省を生かしてミスの少ない走行をしタイムを上げることができたものの、団体では慶大に惜しくも及ばなかった。

2019年から慶大に負け続けてしまっている早慶ジムカーナ。しかし、敵陣でのレースである中でも、後半で着実にタイムを更新し、個々の力の強さが垣間見えた。そして、意地を見せた藤岡が個人準優勝、そして小林が女子個人優勝を果たし、伝統の舞台の幕が閉じた。4年生にとっては最後となるレース。「車に夢中になり多くのことを経験できた」と藤岡は4年間の自動車部人生を振り返る。来年から新しい代でスタートする早大自動車部は、更なる常勝早稲田を胸に、新たなステージにステアリングを切った。

(記事、写真 風間元樹 )

※掲載が遅くなり、申し訳ございません

死闘を繰り広げた早大と慶大

結果

▽団体の部

2位 早大 8分48秒434

▽男子個人の部(上級生コース)

2位 藤岡 1分7秒800

8位 神林 1分12秒766

10位 最上 1分15秒385


▽男子個人の部(下級生コース)

7位 大矢根 0分57秒521

8位 小林 0分58秒391

12位 時村 1分0秒396


▽女子個人の部

優勝 小林 0分58秒391

コメント

藤岡慶(人4=東京・早実)

――1本目を振り返っていかがでしたか

  1年ぶりに早慶戦車輌に乗ったので、感覚を確かめながら走りました。サイドターンの感覚がフィットしきれずパイロンタッチをしてしましました。

――2本目には何を意識して臨みましたか

  1本目でパイロンタッチをしてしまったので、絶対に失敗できないと思い、全力で走りました。1本目でミスをした360度ターンも綺麗に決まりました。

――個人2位となりました。どのようなお気持ちですか

  4年の最後の大会で2位を取ってしまいすごく悔しいです。全体の結果としても慶應にボロ負けになってしまいました。しかし、来年は絶対に負けません。

――藤岡選手にとって、自動車部で過ごした4年間はどのようなものでしたか

  成長できた4年間でした。自分は今までここまで熱心に物事に取り組んだことがありませんでした。車に夢中になり多くのことを経験できました。最後にみんなで全日本で1位を獲得できてとても幸せでした。

――最後に、4年間を共にした同期へかけたい言葉や思いはありますか

  ありがとうございました!この同期でとても良かったです。これからも早稲田大学自動車部を一緒にサポートしていきましょう!

小林眞緒(創2=福岡雙葉)

――1本目を振り返っていかがでしたか

  1年前に乗った切りの車両だったので、不安でした。自分の理想の走行ラインに沿って走ったのですが、最後に大きな失敗をしてしまいました。ですが、とても楽しく走れたので、2本目も勝つというよりは楽しみながら走ろうと思いました。

――2本目を振り返っていかがでしたか

  1本目で失敗をしたので2本目は、より走りやすいラインで車速を上げすぎないようにして、安定性を重視した走りをしました。2本目も1本目同様とても楽しく走れました。

――個人優勝を果たしました。どのようなお気持ちですか

 まだモータースポーツの経験が一切無かった昨年の早慶戦で1年生女子で1番速く走れたことをきっかけに、自動車部での活動を全力でしようと思うようになりました。1年間を通して色々な大会に出させていただいたり沢山の経験をさせて頂きました。今回の早慶戦で優勝できたことは、1年間自動車部の皆さんに支えられて頑張ってきたことの結果だと思えたのでとても嬉しかったです。

――この結果やもし学べたことなどがあれば、今後にどう活かしていきたいですか

 みてくれのプライドを捨てて走ることの重要さを改めて知りました。モータースポーツにおいては、見た目の格好良さに拘りたくなることが多々あるのですが、速いタイムを出すためには格好良さを犠牲にしなければいけない時もあるのだと思いました。今後の大会で、「如何に良いタイムを残すか」を第一に考えられるようになりたいです。

――今後の目標をお願いします

 次回の早慶戦では、男子にも勝てるようになりたいです。来年1年間の目標としては、全関/全日ダートトライアル大会で、優勝できるように努力したいと思っております。

神林崇亮(人3=埼玉・早大本庄)

――1本目を振り返っていかがでしたか

  サイドターンすらまともに回せず、タイヤも使い切れていなかったので、最悪の走りでした。久々に乗った車ということもあり、恥ずかしい走りをしてしまいました。

――2本目を振り返っていかがでしたか

  絶対に決めに行かなければならないと思いながら走りました。途中までは1本目と比べればマシな走りにはなっていましたが、最後の最後で大失敗をしてしまい、目も当てられない走りでした。

――この結果やもし学べたことなどがあれば、今後にどう活かしていきたいですか

 ローパワー車に乗るたびに毎回思うことではありますが、改めて自分の腕の未熟さを痛感させられました。どんな車に乗っても速い人にならなければいけないので、様々な車に乗って経験する必要があるかと思います。

――今後の目標をお願いします

 来年は選手として名を轟かすことのできる年にしたいと思います。