春季オープン戦 6月2日 アミノバイタルフィールド
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 7 | 7 | 7 | 0 | 21 |
駒大 BLUE TIDE | 6 | 7 | 0 | 13 | 26 |
6月らしい小雨がちらつく中、春季オープン戦無敗の早大BIG BEARSは、駒大BLUE TIDEと対戦した。フレッシュなメンバーを多くスタメンに入れ試合に臨んだ早大は、先制を許すもRB後藤領太(スポ3=愛知・南山)の2本のTDで逆転。後半開始後すぐにQB船橋怜(政経3=東京・早大学院)のTDパスで追加点を得て、試合終盤までリードを保った。しかし、インターセプトからモメンタムを掴んだ駒大にTDランで逆転され、21-26で今季オープン戦初黒星となった。
TDを決めるRB後藤
早大のキックで試合開始。オープニングドライブは、DL山内孝太(文構3=東京・早大学院)のタックルなどによって攻撃権を得るも、早大はフレッシュを獲得できずに攻守が入れ替わる。すると、ランとパスを織り交ぜた駒大の攻撃に早大ディフェンスが押し込まれ、あっさり先制のTDランを決められる。反撃に転じたい早大は、RB後藤領太(スポ3=愛知・南山)とRB田中大晴(社2=埼玉・川越東)を中心に攻撃を展開。ゴール前までボールを進めると、最後はRB後藤がランでTDを奪い、K福嶋俊(文2=東京・早実)がPAT(ポイントアフタータッチダウン)のキックも決めて逆転に成功した。このまま勢いで第2Qに入りたい早大だったが、再び駒大オフェンスに苦しめられる。スクリーンパスやオプションプレーに翻弄され、ゴール前インチまで攻め込まれると、QBスニークを決められ逆転されてしまう。直後の早大の攻撃ではランに加え、QB船橋怜(政経3=東京・早大学院)からWR小鮒晴(文4=神奈川・鎌倉)やWR江野彩雅(創理4=神奈川・川和)へのパスで敵陣レッドゾーンまで攻め込むも、まさかのファンブルでボールをロスト。絶好の得点機会を逃したかに見えたが、ここでディフェンス陣が奮起する。LB高橋行斗(政経4=東京・早大学院)のタックルやDB堀口拓馬(法4=東京・早大学院)のパスカットで駒大に1ヤードも進めさせず、敵陣で攻撃権を獲得。QB船橋からWR小鮒とWR高橋晟希(商4=東京・早大学院)へのパスでゴール前までボールを進め、最後はオプションプレーからRB後藤にボールが渡ってそのままTD。この試合2度目の逆転を決め、前半を終えた。
タックルするLB高橋
ボールを投げるQB船橋
早大のリターンから試合再開。前半最後に引き寄せたモメンタムのまま後半に入った早大は、RB田中のランやWR小鮒のパスレシーブで次々と1stダウンを更新する。敵陣46ヤード付近からQB船橋が投じたWR江野へのロングパスが通り、追加点となるTDを挙げた。ディフェンスでも早大は本領を発揮し、DB折原陸(商2=東京・早大学院)のパスカットやLB松本和磨(商4=大阪・高槻)のロスタックルが飛び出し、試合の主導権を完全に握った。オフェンスでは代わって入ったQB野田知樹(政経3=東京・早実)からWR大野聡士(商3=東京・早実)やWR野上拓馬(法2=東京・早大学院)へのパスで敵陣に侵入。追加点への期待が高まったが、レシーバーが弾いたボールを相手のディフェンスがキャッチし、インターセプトをくらってしまう。駒大に攻撃権を奪われた早大は、ディフェンスでも勢いを止めることができず、反撃ののろしとなるTDを決められた。さらに駒大が一気に同点にすることを狙い、ツーポイントコンバージョンを試みたが、DB三平悠生(教2=東京・早実)のパスカットで危機を脱した。なんとか試合の流れを取り戻したい早大だったが、オフェンスで1stダウンを取れずに攻守交代。駒大のラン中心の攻めによってフレッシュをテンポよく取られ、最後は逆転のTDを決められた。残り時間も少なくなり後がない早大は、KRでDB堀口のリターンによって敵陣まで攻め込む。再逆転のチャンスを得たが、またしてもレシーバーが弾いたボールを相手がキャッチし、痛恨のインターセプト。そのまま相手がニーダウンで時計を進め、悔しい今季初敗戦となった。
TDを決めたWR江野
ここまで昨年から試合に出場していた選手を中心に勝利を重ねていたBIG BEARS。初出場の選手も多くいた今回の試合を通して、デプスの薄さという課題が改めて明確になった。層の厚さを手に入れれば疲労やけがに左右されず、今以上に安定した戦いができるだろう。次戦の相手は、秋のリーグ戦でも対戦する明大GRIFFINS。秋以降の戦いに向け、新戦力の台頭に期待したい。
(記事 田部井駿平、写真 沼澤泰平)
コメント
髙岡勝監督(平4人卒、静岡・聖光学院)
――本日の試合を振り返っていかがですか
チームとして重要な試合だということで取り組みましたが、見ての通りの結果で、少しファンダメンタルのレベルが低くて残念な結果となりました。これをしっかり受け止めて、練習に取り組んでいきます。
――控えの選手中心で試合に臨みましたが、選手たちのプレーはいかがでしたか
ハーフタイムでリラックスしようと話をしましたが、やはり緊張があるのか練習でできていたことができなかったり、基本的なタックルなどができていなかったりしたので、そういう点で色々な課題が出たのは秋につながるので良かったと思います。
――オープン戦初の黒星となりましたが、この一週間でどのように修正していきたいですか
できていることとできていないことは本当にクリアになったので、もう一回基礎的なタックルするということを中心に、全員で取り組んでいきたいと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
明治さんには昨年負けているので、しっかりと自分たちのフットボールをして、良いゲームにできるように頑張りたいと思います。
QB船橋怜(政経3=東京・早大学院)
――本日の試合のオフェンスとしてのテーマはありましたか
今まで試合に出ていないメンバーがたくさん出るということで、自分たちの自信のあるベースプレーと、自分たちのフィジカルでしっかり戦おうと、そしてアグレッシブにプレーしようというかたちで試合に入りました。
――雨の中でのプレーでしたが、意識していたことはありましたか
素手でやるのか、グローブでやるのか難しいところでした。ボールを大事に集中していこうと声掛けはしていましたが、試合でファンブルが出てしまったので、そこは反省点です。
――46ヤードのTDパスを成功させましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
ロングパスは練習でもあまり決まっていなかったですが、本番で決められて良かったです。自分のプレーとしては、ショートパスを決めてリズムを作っていくという点では良かったと思います。
――オフェンス全体に関してはいかがですか
反則や、ファンブルでボールを失ってしまうところがすごくもったいなかったです。もう1ヤード押せたら1stダウンを更新できる場面も多くあり、まだ経験の浅い選手たちの課題がそこにあるかなと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
明治戦はフルメンバーで勝ちに行くので、今日の試合で出た課題をしっかり潰して、自分が出たときはリズムを作り、TDまで持っていけるようなオフェンスをしたいと思います。
RB後藤領太(スポ3=愛知・南山)
――春季オープン戦で初めて出場されましたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか
初めてで緊張した部分もありましたが、上を食ってやろうという気持ちで臨みました。
――雨の中での試合でしたが、どのようなことを意識していましたか
雨でも晴れでもやることは変わらないと思っているので、ランでどれだけチームに貢献できるかを考えてやっていました。
――2つのTDを決めましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
初めてということもあり、(試合前は)萎縮していた面もありました。なのでその2つのTDに関してはOLに取らさせてもらったと思っているので、今後は自分の力で取れるように頑張りたいです。
――RB陣は競争が激しくなっていると思いますが、他の選手からどのような刺激を受け取っていますか
同期の慶太郎(RB安藤慶太郎、社3=東京・早大学院)がすごいので、真似できるところと真似できないところがありますが、真似できるところはどんどん吸収しようとしています。その中で自分なりのRB像をつくっていきたいです。
――今後への意気込みをお願いします
慶太郎や長内(RB長内一航、文構2=東京・早実)を超えられるようなRBになれるよう精進していきたいです。