押し込まれる展開を耐えしのいだア女 関カレ6連勝を達成

ア式蹴球女子

第38回関東大学女子サッカーリーグ 6月1日 東伏見サッカーグラウンド

 関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)の首位を走るア女は、今節ホームで神奈川大を迎えた。序盤から素早い攻撃で相手ゴールへと迫ると3分にFW﨑岡由真(スポ2=浦和レッズレディースユース)、6分には福岡結(スポ1=岡山・作陽)がゴールを決め、2点のリードを確保。その後相手に1点を返されたが、後半から途中出場したFW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)が2ゴールの大活躍を見せ、ア女が勝ち点3を積み上げた。

先制点を喜ぶ選手たち

 前半は立ち上がりからア女が猛攻を仕掛けた。3分にMF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)のコーナーキックをファーサイドでFW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)が折り返す。ゴール前で混戦になったなか、﨑岡がヘディングでボールをゴールへと押し込み、先制点を挙げる。続く6分には左サイドでボールを受けたMF三宅万尋(スポ1=東京・十文字)がドリブルで相手をかわし、ペナルティエリア内へ走り込んできた福岡にパス。福岡がダイレクトで放ったシュートが綺麗な放物線を描いてゴールネットを揺らし、ア女が開始5分で2点を先取することに成功した。しかし、その後は相手に押し込まれる時間が続いた。すると28分に相手に自陣中央からロングシュートを打たれる。このシュートがGK石田心菜(スポ4=大阪学芸)の頭上を越えてゴールへと吸い込まれ、失点を許すことに。そのまま前半は終了し、1点リードで試合を折り返した。

ドリブルを仕掛ける三宅

 後半の立ち上がりも相手の速攻に苦しんだア女。それでもDF田頭花菜主将(スポ4=東京・十文字)、DF杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)、DF佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)の3バックが粘り強い守備で失点を許さないでいると徐々にペースを握ることに。すると迎えた67分に相手DFのパスミスに反応した生田がそのまま相手GKとの1対1を制し、貴重な追加点を奪う。90分には佐溝の相手DFの裏へのパスを受けた生田がシュートを流し込み、ダメ押しの4点目を決めた。途中交代で投入された生田が期待に応える大仕事を果たした。

ゴールを決め、ガッツポーズをする生田

 主力の離脱によりここまでの試合とは異なるメンバー構成で臨んだ今節。第2節の筑波大戦以来のスタメン出場となったFW米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)と三宅が攻撃の起点となる活躍を見せた。以前のインタビューで「誰が出てもおかしくない競争をしてくれている」と後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)が話していた通りのパフォーマンスを選手たちが披露している。苦しい時間があっても最後には得点を奪い、必ず勝ち点3を奪う今季のア女。残りの試合も勝負強さを武器に勝ち続けることに期待したい。
                                     (記事 荒川聡吾、写真 渡辺詩乃)

スターティングイレブン

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン
GK 石田心菜(スポ4=大阪学芸)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎ 田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 28 佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
MF 2 新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→51分、生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
MF 27 福岡結(スポ1=岡山・作陽)
FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
MF 26 米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)


コメント
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー試合全体の振り返りをお願いします
 まず教育実習で築地(MF築地育、スポ4=静岡・常葉大橘)と白井(MF白井美羽、スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が不在で大山がU20の代表活動でいないという、これまで積み重ねてきたメンバーとは違うなかでの戦いということになりましたが、そこはチームとしてはポジティブに捉えています。これからどんなことがあるかわからないので、違うポジションだったり、新しいメンバーがしっかりと戦ってくれることは必要です。そういった準備をしてきた中でズレだったり、まだまだ積み重ねられてない内容になったなと。結果としては4-1でしたけど、内容としては耐えて耐えて勝ったと思います。

ーー米村選手や三宅選手など関カレでは出番の少なかった選手をスタメンで起用しました。どういったことを意識してメンバーを選びましたか
 もともと途中交代で入ってきている選手たちなので、そこまで初めて関カレで戦うというところではないかなと。ただ、私が思ってた以上に米村と三宅に関しては仕事以上のことをしてくれたと思っているので、非常に素晴らしかったです。

ーー前節も含めてリードしている中で苦しい時間帯が続くという展開が多いですが、そこはどのような課題がチームとしてあると認識していますか
 今日に関しては自分たちがボールを保持できる場面でロングボールを続けてしまっていたり、 あとは本当にシンプルにロングボールをどんどん入れてくる中で、セカンドボールを拾った後に保持できるかできないかのところだったり、守備の部分でズレが生じてる場面が多かったので。ただ、そこに関してはこの1週間の中で準備してきたつもりでしたけど、想定の中でもズレではありつつというところです。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 今日選手たちは悔しい思いをしてくれてると私も含めて思っているので、しっかりと自分たちのサッカーができるように1週間準備したいと思います。

MF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
ーー試合全体の振り返りをお願いします
 メンバーも違う中で、不慣れなポジションをやる選手も多い中で、今まで負けていないというのも自分たちの中でピリついていた部分もあったんですけど、全体として内容はよくなかったなっていうのはあって、結果としては4ー1ですごくよかったんですけど、蹴り合いになってしまったなというところがあります。

ーー中盤のメンバー構成がいつもと違って、今日は宗形選手がアンカーでしたが、今日の試合にあたってどういうことを意識して取り組まれましたか
 (選手がチームから)いなくなるのは何ヶ月も前からわかっていたので、準備がまだまだ足りなかったなというところと、自分自身もアンカーをやったことがなかったわけではなかったので、守備のところを求められる部分で個人としてはまだまだ課題もあるんですけど、チーム全体の軸になる部分なので、もうちょっとコミュニケーションを取って、中盤で改善するところは多かったのかなと思います。

ーー前半開始5分で2点リードしましたが、それ以降苦しい時間帯が続きました。どういった難しさや課題がありましたか
 なかなか開始でいい流れを持ってくる試合がなかったので、入りはよかったなと思ったんですけど、一対一の対応だったり、1つのクリアミスで相手に流れを持っていかせてしまったという部分が、いちばんの大きな反省ですし、その後自分たちでどうやって流れを持ってくるかというところも含めて、声だけじゃなくてプレーで示すというのもそうですし、全体を見ながらもうちょっと苦しい時間帯から、蹴るだけの判断だけでなく、繋ぐっていう意識を持って、修正するべきだったかなと感じています。

ーー今シーズンセットプレーからの得点が多いですが、キッカーを務める中でもどのようなことを意識していますか
 中で競ってくれる選手も多いですし、愛笑(MF大山愛笑、スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)も含めて、キッカー上手い選手がいるので、毎週毎週セットプレーの練習がある中で、一つ一つこだわってやろうというのは、集まって話したりしているので結果に結びついているのでよかったなと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 結果としてはいい形で勝てているんですけど、自分たちがやりたいサッカーを体現しなければいけないと思っているので、メンバーもどうなるかわからないというところで、毎日の練習高め合いながら、内容もこだわって、しっかり勝ちたいなと思います。


DF佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
ーー試合を振り返っていかがですか
 早めに先制点を取れたのは良かったところですが、前半のうちに失点をしてしまい、そこから失点はなかったものの、危ない時間帯が多かったです。点を取られた後に切り替えて、自分たちで前を向ける時間を増やしていきたいと思いました。後半も相手に押される場面は多かったですが、そこでしっかりと粘り、交代選手も躍動してくれてその後追加点を取れたのはすごくよかったです。

ーー3バックの左で出場することが多いですが、役割は
 自分は左右両方蹴れることが1つの強みなので、そこで背後への供給だったり、守備に関しては小さいながらもしっかり(相手と)競るために、ヘディングの強さを意識しています。

ーービルドアップの起点となることが多いですが、どういったことを意識していますか
 まず、ビルドアップの時点でセンターバックやキーパーからボールが来る時のポジションの立ち位置を意識しています。あとはサイドだけではなく、中や一個奥のフォワードとつながれるように自分のポジショニングをしっかり取って、良い位置でボールをもらって、そこから相手の寄せ方を見て判断するようにしています。

ーー4点目のアシストの場面を振り返って
 相手が点を取りに前から来ている中で、フォワードの七彩さん(生田七彩、スポ3=岡山・作陽)が「背後空いてたらボール入れて良いよ」と言ってくれていたので、相手が来てる中でもしっかり落ち着いて見れたのが前に蹴れた要因だったのかなと思います。

ーー高校と大学サッカーの違いは
 一個一個のフィジカルの部分で、当たるところの強さや体の入れ方に関しては高校より大学の方が上なのと、切り替えのスピードが高校の時とは違うとすごく感じます。

ーーご自身のフィジカル面については
 フィジカルの部分で1年生でも戦えているのは、自分の中でも試合に出られている要因なのかなと思うので、そこはこれからも強みにしていきたいです。まだまだコーナーの時の守備だったり、負けている部分があるのでそこはもっと磨がないといけない部分かなと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 選手が抜けている中で勝ち点を取れたのも大きいですし、ずっと勝ち続けてる中でそのまま気を抜かずに次節もしっかり勝ち切って、次につなげられるようにしたいです。