セットプレーで確実にゴールを奪ったア女 東京国際大との一戦を制し連勝を維持

ニュース/ア式蹴球女子

第38回関東大学女子サッカーリーグ 5月26日 東京国際大学坂戸キャンパス第3グラウンド

 関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)4連勝中と勢いに乗るア式蹴球部女子(ア女)は、今節アウェイで東京国際大との一戦に臨んだ。開始直後にコーナーキックからMF福岡結(スポ1=岡山・作陽)が先制点を挙げる。44分にはMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)が追加点を決めた。後半に入り相手に1点を返されたが、91分にMF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)が追加点を決め、ア女が勝利を掴み取った。

 序盤からボールを保持し相手ゴールへと迫ったア女。8分にコーナーキックを得るとキッカーは大山。大山の蹴った鋭いクロスに福岡が頭で合わせ、先制に成功する。その後も丁寧なビルドアップで敵陣へと侵入し、チャンスを伺う。すると、44分に相手の左サイドを細かいパスで崩し、大山が左足でシュートを放つ。一度はポストに弾かれたが、ボールは相手キーパーにディフレクションしてゴールへと吸い込まれた。ア女が2点のリードを確保して試合はハーフタイムへ。

 前半とは一転、後半は終始相手にペースを握られることになった。自陣でパスを回しながら相手の隙を狙うが、相手の粘り強い守備に遭いボールを失う時間が続いた。中盤でパスをカットされ、ショートカウンターから相手にゴール前まで迫られる。81分に自陣ペナルティエリア内でシュートを打たれる。GK石田心菜(スポ4=大阪学芸)がシュートをセーブしたが、こぼれ球を押し込まれ失点を許してしまう。終盤に1点差と苦しい展開を迎えることになったア女だが、失点に動揺することなく試合を進める。すると迎えたアディショナルタイムにコーナーキックを獲得。MF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)の放ったボールに相手のマークを振り切った築地がヘディングシュートで合わせる。ボールはネットを揺らし、勝利を決定づける3点目をゲット。苦しい時間帯を耐えしのいだア女が勝ち点3を積み上げた。

 相手に押し込まれる展開が続いた今節。後半は相手の速攻に苦しみ、自分たちのペースで試合を進められなかった。それでも数少ないチャンスをしっかりとものにしたア女。特にコーナーキックから2得点とセットプレーの強さは特筆している。第4節の日体大戦や今節のように難しい試合においてもセットプレーのゴールで優位性を確保することで勝ち点3を積み上げてきた。今節の勝利で連勝は5となり、勢いに乗る。どのような展開でも確実にゴールを奪う得点力を武器に残りの試合も戦っていく。

(記事、写真 荒川聡吾)

コメント
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー試合全体の振り返りをお願いします
 前半の入りから自分たちのやりたいことをしっかりできた中で得点できたことはまず素晴らしかったと思います。

ーーセットプレーから2得点となりましたが、どういった準備をして試合に臨みましたか
 いつも通り、セットプレーに関しては準備をして毎試合臨んでいます。攻撃での2得点も良かったですが、東京国際大には過去にセットプレーで失点をしてきたことがあったので、しっかりと守ることができたことを評価したいです。

ーー後半は相手のタイトな守備に遭いペースを掴めなかったがどのような課題があると感じましたか
 後半の相手は中盤の宗形に対する守備などに変化はありましたが、自分たちのやりたいことができなくなるほどのプレッシャーではなかったと思います。むしろ2得点からくる緩みか、お互いの高さを見た上での立ち位置の甘さやパススピードの遅さ、顔出しのタイミングなど自分たちで苦しい状況にしてしまったと感じています。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 次戦、神奈川大はここ数試合で勝ち点を積み重ねてきています。またチームとしての積み重ねをできるように準備したいと思います。


MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
ーー試合全体の振り返りをお願いします
 今日は試合の入りから、自分たちのペースでボールを動かすことができました。2点目は、それがすごく出ていたな思います。テンポよくボールを動かし、ゴールへ向かっていく面白いサッカーができていました。ただ、そのパスの質やスピード、タイミング、精度はもっともっと磨いていかなければいけないなと感じています。

ーー後半はボールを保持して前進することができない時間が続いたが、どのようなことをチームとして意識していましたか
 後半は特に相手の守り方が変わり、前半うまくいっていたようにはできない状況が続く中で、相手を動かすこと、スペースを作ることが自分にできることだなと思っていました。アンカーの位置は、ビルドアップですごく重要になるので、ボールを触らなくても相手の守備を困らせるようなポジショニングを意識しました。全体としては、動き出しが少なくなるとやっぱり相手の守備も動かなくなる。動きの連動が少なくなることでより苦しくなっていたなと思います。後半相手のプレスの掛け方や選手の組み合わせといった変化にも柔軟に冷静に対応する力を全員がつけたいなと思います。

ーーご自身の得点シーンを振り返ってください
 私がセットプレーをストロングにしているのは、多くの大学に気づかれている中で、それでも得点できたことは自信に繋がります。マークが厳しいなかでも、ブロックやキックの精度であのような形で得点できることはありがたいです。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 次戦からは教育実習で3週間いないので、ピッチで一緒に闘うことはできませんが、ア女の一員として離れていてもできることをやっていきます。教育実習頑張ります。