立大に逆転勝利! 昨年のリベンジ果たす

米式蹴球

ROOTS BOWL 5月26日 アミノバイタルフィールド

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 10 15 32
立大 RUSHERS

 アメリカンフットボール部ルーツ校である早大と立大の創部90周年を記念したROOTS BOWLが開催された。第2クォーター(Q)に先制を許した早大だったが、RB福嶋俊(文2=東京・早実)のフィールドゴール(FG)、RB安藤慶太郎(社3=東京・早大学院)のタッチダウン(TD)で逆転し、試合を折り返す。後半にはWR松野雄太朗(社3=東京・早大学院)と2つのRB長内一航(文構2=東京・早実)のTDで、立大を突き放し、32―7で勝利を収めた。

入場する選手たち

 早大レシーブで試合開始。RB安藤のランで1stダウンを更新するが、続くシリーズでWR松野がQB八木義仁副将(政経4=東京・早大学院)からのパスをキャッチするも相手のタックルによってファンブルし、攻守交代。自陣30ヤードからのディフェンスとなったが、立大のランプレーを止め、立大がFGを失敗したため先制を防いだ。その後はお互いに一度も1stダウンを更新できず、第1Qが終了した。第2Qに入り、自陣からのディフェンスになると、立大のパスにパスプレーに対応できず、レッドゾーン付近まで侵入される。続くプレーではTDパスによって先制を許し、7点を追う展開となった。直後のオフェンスではQB八木副将のパスを中心に着実に前進していく。TE恒川大輔(文4=東京都市大付)のランでレッドゾーンに侵入すると、RB福嶋のFGで3点を返した。得点直後のディフェンスでは、DL伊藤寛太郎(商3=東京・成蹊)がQBサックを決める。相手QBがボールをファンブルすると、DL斉藤菜穂都(政経4=東京・早大学院)がボールを拾い、敵陣18ヤードからの攻撃権を手にした。「モメンタムをここで持ってこられたら絶対に流れが変わると思った」(DL伊藤)の言葉通り、RB安藤がTDランで逆転に成功。10―7で試合を折り返した。

QBサックを決め、ほえるLB原

 早大のキックで後半が開始した。LB原康介(法3=東京・早大学院)のQBサックが決まり、立大のオフェンスをスリーアンドアウトに抑えると、立大の反則もあり再びレッドゾーン内からの攻撃となる。残り6ヤードからRB長内がエンドゾーンへ駆け抜けTD。リードを10点とした。その後もディフェンスは1stダウンすら更新させない堅守で試合の主導権を握り続ける。第4Qに入り、RB安藤のランでレッドゾーンまで侵入すると、最後はQB八木副将からワイドオープンとなったWR松野へTDパスが決まった。続くディフェンスでは、立大がパントの際にスナップされたボールが立大のパンターの頭を越え、エンドゾーンでボールデッドに。セーフティとなり、思わぬかたちでさらに2点を追加した。第4Q終盤の自陣10ヤードからのオフェンスで、RB長内がボールを受けると個人技で相手をかわし、そのまま快足飛ばして駆けあがった。ダメ押しのTDで試合を決定づけた。その後のディフェンスは立て続けに1stダウンを更新され、自陣深くまで前進されたものの、粘りの守りで立大の4thダウンギャンブルを阻止。ニーダウンで時計を進めた早大は、32―7で快勝を飾った。

TD後、笑顔を見せるWR松野

独走のTDランで試合を締めたRB長内

 昨年のリーグ戦で残り1秒から逆転負けを喫した相手に、逆転勝利を収めた。特にここまで課題としていた後半に関しては、オフェンスは3つのTD、ディフェンスは今季初めての無失点と攻守で圧倒。今季ここまで着実に成長している早大BIG BEARS。目標達成に向けて歩みを止めることなく突き進みたい。

(記事 沼澤泰平、写真 田島凜星)

コメント

髙岡勝監督(平4人卒、静岡・聖光学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

  前半は少しアジャストできずにオフェンスとディフェンスともにあまり良くなかったです。ただ、後半まで集中力を切らさずにやれたのが今日の結果だと思います。

――今季初めて先制されるかたちになった中ですぐに逆転しましたが、そこでの攻守のプレーはいかがでしたか

 ディフェンスが混乱して(TDを)取られてしまいましたが、その後は全員が落ち着いてやるべきことをやれたのが良かったです。

――3つのTDと無失点で、攻守に圧倒した後半を振り返っていかがですか

 特に最後はメジャーメントになりましたが、メンバーも若い中でディフェンスがしっかりタックル、ヒットできたのが良かったですし、オフェンスも長内のTDなど良い面が出ました。

――昨秋にあのようなかたちで立大に負けた中で今回圧勝しましたが、どのように感じていますか

 昨年の第4Qでの戦い方というのがオフェンスディフェンスともにあったので。残り0秒まで集中するというのを一つのテーマとしてやってきたので、今日の試合は我々の目指していたことができたと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 一試合一試合成長していかないと我々の目標は達成できないので、次の駒澤戦もテーマを持ってやっていきたいと思います。

OL小林亮生主将(先理4=埼玉・早大本庄)

――チームとしてどのような試合にしようと臨みましたか

 昨年の秋に負けていて、その悔しい気持ちを全員が持っいるので、圧倒して勝ち切ろうという気合を入れて臨みました。

――オフェンスとしてはなかなかうまくいかず先制されましたが、どのように気持ちを切り替えましたか

 飯田(OL飯田星河、法4=東京・早大学院)がハドルですごく前向きな発言をしてくれて、その中で自分たちはビハインドでもやるべきことをやろうという気持ちでやりました。

――第2Qですぐに逆転しましたが、一連のオフェンスを振り返っていかがですか

 第1Qは相手のディフェンスのシステム的なところで止められていましたが、第2Qの前半でアジャストできたのは良かったと思います。ただ、ディフェンスが陣地を良いところに持ってきてくれて、(TDを)取れたという部分が大きいので、オフェンスでドライブして取り切れなかったのは課題です。

――後半は3つのTDで圧倒しましたが、戦いぶりはいかがでしたか

 最初から最後まで集中してやりきるというのを課題としていた中で後半に2TDするというのがオフェンスの数値目標だったので、それを達成できたのは良いことだと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 次戦の駒澤戦は下級生を中心にやっていく予定ですが、やはり秋勝っていく上では選手層を厚くすることが大事になるので、下級生には貪欲にやってほしいです。そして関西に勝つということを考えてやっていきたいと思います。

QB八木義仁副将(政経4=東京・早大学院)

――試合に臨む上でオフェンスでのテーマはありましたか

  オフェンスはこれまで後半に失速してしまっていたので、後半に絶対得点を取りたいということ、そしてランはこれまで良くできているので継続し、パスの成功率も高くやろうということを意識していました。

――オフェンスとして試合の入りがあまり良くなかったと思いますが、どのように修正しましたか

 やってはいけないミスが重なって、ゲインできずにフィールドポジションが悪くなり、自分たちのプレーの幅も狭まっていました。自分たちのやるべきことだけをやろうというように切り替えたら、上手くいったので最初からその気持ちで行きたかったなと思います。

――後半は今季初めてのTDパスを決めましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 もっと決められるパスもあったなというのが感想で、TDパスを決められたのはうれしかったですが、悔しい気持ちの方が大きかったのが今日の試合でした。

――オフェンス全体の戦いぶりに関してはどうでしたか

 最初は相手の前がかりなディフェンスに受け身になってペースを握られてしまったですが、しっかり地に足をつけて自分たちも前に前にというような仕掛けるプレーが後半のTDにつながったと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 今回はディフェンスに助けられる場面があったので、次戦はオフェンスがチーム全体の勢いをつけられるようなプレーをしたいと思いますし、ようやくTDパスを出せたので、駒澤戦ではもっとパスでオフェンスを引っ張っていきたいです。

DL伊藤寛太郎(商3=東京・成蹊)

――ディフェンスとしてはどのような意識で試合に臨みましたか

  去年負けた悔しさで、やってやろうと。潰してやろうという気持ちで、今日は普段の試合よりすごく高ぶった気持ちでやっていました。

――逆転に繋がったご自身のQBサックを振り返っていかがですか

 メンタムをここで持ってこられたら絶対に流れが変わると思ったので、セットする前から行けるなっていう気持ちでいて、決まったかなと思っています。

――チームとしても多くのQBサックを記録しましたが、ディフェンス全体の戦いぶりはいかがでしたか

 ディフェンスとしては今日の試合はほとんど止めていて、思った通りの試合展開にできました。DLとしてもフロント陣が結構頑張って、ロングゲインをほぼなく試合を終われたので良かったです

――後半を無失点で終えられたことに関してはどう感じていますか

 自分は後半は結構足が疲れてしまっていて、代わりに2番手の選手に出てもらいましたが、最後のシリーズ以外はしっかり機能していました。最後のシリーズだけロングゲインされたのでそこは課題かなと思っていますが、後半完封できたのでそれは良かったです。

――次戦への意気込みをお願いします

 関東(の大学)にはもう絶対に負けられないと思っているので、相手に圧倒して、ドミネートできればいいかなと思っています。

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
立大 PASS #1平本→#35青木 #98赤木 0―7
早大 FG #35福嶋       3-7
早大 RUN #7安藤 #35福嶋 10-7
早大 RUN #33長内 #35福嶋 17-7
早大 PASS #18八木→#23松野 #35福嶋 NG 23-7
早大 SAF 立大がエンドゾーンでボールデッド       25-7
早大 RUN #33長内 #35福嶋 32-7