世界選手権(9月にセルビアで開催予定)の日本代表を決めるプレーオフが行われた。7月1日の五輪階級のプレーオフに続き、この日は非五輪階級のプレーオフが行われた。早大からは、山倉孝介副将(スポ4=千葉・日体大柏)と片岡梨乃(社4=千葉・日体大柏)と尾西大河(スポ2=佐賀・鳥栖工)の、6月の明治杯全日本選抜選手権(明治杯)で優勝した3人がエントリ―。山倉副将と片岡は惜しくも敗れ、世界選手権への切符をつかむことはできなかったが、男子グレコローマンスタイル55キロ級は尾西のみのエントリーとなったため、自動的に代表に決定した。
男子フリースタイル79キロ級の山倉副将は、三輪優翔(ALSOK)と対戦した。第1ピリオドを1―0と1点リードして折り返すが、第2ピリオドに入ってすぐに2点、1点と相手に立て続けにポイントを奪われて1―3となる。その後、反撃を試みるが、持ち味である緩急をつけたレスリングをすることができない。試合終了間際に相手を場外に出して1点を返したが、2―3で惜敗した。
悔しい表情を浮かべる山倉副将
女子55キロ級の片岡は、奥野春奈(自衛隊体育学校)と対戦した。試合開始から拮抗(きっこう)した展開となり、第1ピリオドを0―1と1点ビハインドで折り返す。第2ピリオドで両者ともに1ポイントを追加して1―2となったが、試合時間残り30秒を切ったところで相手に4点技を決められ、1―6で敗戦となった。
相手と組む片岡
尾西は自動的に世界選手権代表に決まったが、この日出場した2人は世界選手権の出場権を得ることはできなかった。「勝つことを最低目標にしていたので負けたことが悔しい」(山倉副将)、「悔しい気持ち」(片岡)と、どちらも試合後には悔しさをにじませた。出場権を得た尾西には世界の舞台でのさらなる飛躍を期待し、敗れた山倉副将と片岡には今後の大会でのリベンジを望む。
6月の明治杯決勝を戦う尾西。世界選手権は初出場となる
(記事、写真 齋藤汰朗)
結果
男子フリースタイル
▽79キロ級 ●山倉 2―3三輪(ALSOK)
女子
▽55キロ級 ●片岡 1―6奥野(自衛隊体育学校)
コメント
山倉孝介副将(スポ4=千葉・日体大柏)
――結果を受けての感想を教えてください
勝つことを最低目標にしていたので負けたことが悔しいです。
――1点の差はどこにありましたか
前半に取れるところを取り切れなかった自分の甘さと、そこに意識がいってしまって後半もずるずると同じような技を繰り返してしまって、緩急をつけることができなくなってしまっていたことが敗因です。
――相手は普段は階級が違う選手だと思いますが、対戦経験はありましたか
対戦した経験はなくて、高校生の時に練習でやっていたくらいです。僕からしたらすごい選手で、高校の時もボコボコにされていた選手なので、こういったかたちで戦えたことはうれしいですが、負けるつもりはなかったので悔しいです。
――明治杯が終わってから取り組んできたことを教えてください
明治杯に向けてやってきたことと変わりがないのですが、根本的な体づくりとひざが悪いのでそこの反応、あとはしっかり取り切る練習をしてきました。
――次の目標を教えてください
インカレ2連覇がかかっているので、しっかり2連覇して内閣(全日本大学選手権)出場して気持ちよく終えられるように頑張ります。
片岡梨乃(社4=千葉・日体大柏)
――試合を終えての感想を教えてください
完全に負けたなという感じです。ここで絶対に勝って世界選手権出場を決めたいという強い気持ちで明治杯が終わってからやってきました。(相手は)下の階級から上げてきた選手なのですが、実力もありますし、何枚も上手でした。悔しい気持ちですね。
――明治杯が終わってからの短い期間でどんなことを重点的に取り組みましたか
明治杯は何が何でも優勝するという気持ちでしたが、内容が良くなくて、動きも緊張してしまって悪かったです。このままではさらに上の選手には勝てないなと思って、前に出てまずはアクティビティを取るために、自分から攻めて取りにいく練習をしてきました。明治杯の悪かったところは全部克服して挑めたかなと思います。
――攻めるという話もありましたが、途中まで拮抗(きっこう)していたものの、最後のポイントが取れなかったのはどういったところが足りませんでしたか
タックルで取る練習はしてきましたが、相手もすごく組み手が上手な選手ですし、圧はかけられていたかもしれませんが、そこからタックルに行くのが防がれていて、入らせてくれなかったところが敗因でした。
――今後の目標を教えてください
世界選手権に出られないということで、次に国体が決まっていますが、そこは53キロ級なのでこれから53キロ級に戻しますが、今回の悔しい思いを生かして確実に攻めて誰が見ても勝てるという選手になれるように、また残り時間が少ないですが一生懸命頑張ります。