天皇杯全日本選手権は、ついに最終日を迎えた。この日は、男子フリースタイル61キロ級に島谷侃(スポ4=秋田商)、藤田颯(スポ3=埼玉・花咲徳栄)、山口太一(スポ2=東京・自由ヶ丘学園)の3人が出場した。結果は島谷が1回戦敗退となったが、藤田が準優勝、山口が3位で表彰台に上った。
表彰式に臨む藤田(左)と山口(右)
島谷は、1回戦で優勝候補の一人、田南部魁星(日体大)と対戦。連続で体を返され、2分31秒で0-11のテクニカルフォール負けを喫した。
藤田と山口は、1回戦でまさかの同門対決に。序盤から着実に得点を重ねた藤田が、12-2のテクニカルフォール勝ちで準々決勝へと駒を進めた。準々決勝では深水小鉄(東洋大)と、続く準決勝では金子攻誠(レッスルウィン)と対戦し、どちらもテクニカルフォール勝ちで決勝へと駒を進める。そして、決勝の相手は第1シードの小川航大(自衛隊体育学校)。第1ピリオドで7点を奪われると、第2ピリオドに入っても反撃をすることができず、0―7で敗戦となった。
決勝を戦う藤田
山口は、1回戦で藤田に敗れたため、敗者復活戦に回る。敗者復活戦を9-4で勝ち上がると、3・5位決定戦では金子攻誠(レッスルウィン)と対戦。第1ピリオドは3-8と苦しい展開になる。第2ピリオドに入ると、積極的な攻めで残り約30秒を残し8-8に。ここで、相手の治療のため試合が中断するも、試合が再開されるとすぐに山口が2点を奪う。これが「決定打」(山口)となり、山口は3位入賞を果たした。
3・5位決定戦で相手をコントロールする山口
4日間にわたって行われた天皇杯全日本選手権が幕を閉じた。早大からは13人が出場し、「日本一」には届かなかったものの、ハイレベルの争いの中で準優勝4人、3位3人と健闘した。また、この大会をもって、今季の試合はすべて終了し、来季へ向けての準備期間に入る。それぞれが今大会で感じたことや見つかった課題を生かし、来春にどれだけ成長した姿を見せてくれるかに注目だ。
(記事、写真 齋藤汰朗)
結果
男子フリースタイル
▽61キロ級
島谷 1回戦敗退
藤田 準優勝
山口 3位
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コメント
藤田颯(スポ3=埼玉・花咲徳栄)
――準優勝という成績を振り返って心境を教えてください
強い選手が上の方にいっぱい固まっていて、運が良かったのかなとは思いますね。
――決勝まで全てテクニカルフォール勝ちで勝ち進みました
全員きつかったのですが、テクニカルで勝てたのは良かったなと思います。
――決勝で良かった点、悪かった点を教えてください
2年生の時に1回やっている選手で、その時は30秒くらいで何もできずに終わったのですが、今回は点数が取れなかったので、前よりは進歩しているけど、まだまだ足りなかったです。
――今後へ向けて抱負を教えてください
特に何も考えていないです。今は終わったという感じです。
山口太一(スポ2=東京・自由ヶ丘学園)
――3位という結果を振り返って心境を教えてください
目標としていたのが、合格ラインとしてメダルで、優勝を狙おうとしていたのですが、最初の颯(藤田)先輩がやっぱり強いなと思って優勝はまだ遠いなと思ったのですが、そこで負けてもメダル取れたというのが安心というか、うれしいです。
――3・5位決定戦は接戦となりましたが、そこを勝ち切れた要因は何だと思いますか
間違いなく30秒の休憩の後止まったので、始まったら一瞬で取ろうと思っていて、あそこが取れたのが決定打かなと思っていて、うれしかったです。
――今大会を通じて課題は見つかりましたか
片足入ってからの処理と、61(キロ級)でやるなら組手のパワーが課題かなと思います。
――今後に向けて抱負を教えてください
3位決定戦ですごく勝ちたい欲が大学に入って一番あったかなと思うので、まだこの先のことはあまり考えていませんが、1つ1つ試合に向かって自分の力を目いっぱい出していけたらと思いました。