山倉が惜しくも準優勝 伊藤は3位で表彰台に

レクリング

 天皇杯全日本選手権は3日目を迎えた。この日、早大からは男子フリースタイル70キロ級の計良涼介(スポ2=埼玉・花咲徳栄)、同79キロ級の山倉孝介(スポ3=千葉・日体大柏)と山路健心(社1=和歌山北)、男子グレコローマンスタイル82キロ級の玉岡颯斗(スポ3=群馬・館林)が予選から出場。前日準々決勝で敗れた女子50キロ級の伊藤海(社2=京都・網野)が敗者復活戦から出場した。

 計良は、1回戦で磯次郎(自衛隊体育学校)と対戦し、手堅く試合を進め、7-1で勝利。続く準々決勝では内山椋太(国士舘大)と対戦。両者共にポイントの取り合いとなったこの一戦。試合時間残り10秒を切ったところで、計良が11-10と1点リードしていたが、相手に2点を取られ、11-12で敗戦となった。

準々決勝を戦う計良

 山倉は、1回戦を10-0のテクニカルフォールで突破すると、2回戦も9-0で勝利し、準決勝へと駒を進める。準決勝の相手は後輩の山路。山倉が序盤から攻め続け、12-0でテクニカルフォール勝ち。ここまで全試合無失点で決勝進出を決める。迎えた決勝の相手は山﨑弥十朗(令2スポ卒=現サイサン)。試合後に、「自分のペースに持っていくことができずに悔しい」と振り返ったように、山倉も果敢に攻め続けたものの、相手が一枚上手だった。徐々に得点差を離され、スコア0-6での敗戦となった。

決勝で攻める山倉

表彰式に臨む山倉

 山路は、3-1で1回戦突破を突破すると、準々決勝も接戦となったが3-0で勝利し、準決勝へと駒を進める。準決勝では先輩の山倉と対戦し、テクニカルフォール負け。その後3・5位決定戦は棄権したため、5位で大会を終えた。

準々決勝を戦う山路

 玉岡は、1回戦で谷崎大造(山梨学院大)と対戦。第1ピリオドは、相手のパッシブで1点を先取し、1-0で終える。第2ピリオドに入り、今度は玉岡のパッシブで1点を失う。その後、腹ばいの状態から続けて4点を失い1-5に。もう後がない玉岡だったが、投げ技で4点を加え、一気に形勢逆転に成功する。このまま残り約1分20秒の逃げ切りを図ったが、試合終了間際に場外ポイントを取られ、5-7で接戦を落とした。

豪快な投げ技を決めた玉岡

 伊藤は、敗者復活戦をテクニカルフォールで勝ち上がると、3・5位決定戦では入江ななみ(ミキハウス)と対戦。試合開始直後から連続で得点を入れ、48秒でテクニカルフォール勝ちを決めた。伊藤は、3位で表彰台に上がったものの、「目標は優勝だったので、悔しい気持ちが一番あります」とさらなる高みを見据えた。

アンクルホールドを決める伊藤

表彰式に臨む伊藤

 大会3日目となったこの日は、山倉が準優勝、伊藤が3位に入賞した。3日間を終え、準優勝3人、3位2人と健闘している早大。しかし、優勝、すなわち「日本一」は誰一人として達成できていない。最終日となる大会4日目。男子フリースタイル61キロ級の島谷侃(スポ4=秋田商)、藤田颯(スポ3=埼玉・花咲徳栄)、山口太一(スポ2=東京・自由ヶ丘学園)の躍動に期待したい。

(記事、写真 齋藤汰朗)

結果

男子フリースタイル

▽70キロ級
計良 準々決勝敗退
▽79キロ級
山倉 準優勝
山路 5位

男子グレコローマンスタイル

▽82キロ級
玉岡 1回戦敗退

女子

▽50キロ級
伊藤 3位

関連記事

天皇杯全日本選手権直前特集『譲らない』

コメント

山倉孝介(スポ3=千葉・日体大柏)

――まず今の率直な気持ちを教えてください

 この大会に向けて準備してきて、1回戦から準決勝までいい流れで自分の動きができていたのですが、決勝で自分のペースに持っていくことができずに悔しいし、決勝で勝たなければ意味のないこの世界で負けたのが悔しいです。

――決勝を振り返って、良かった点や課題は見えてきましたか

 良かった点は1つもなかったです。課題は筋力差が大きかったのと、どのポジションでも相手のほうが上だったと思うので、練習不足でした。

――課題を踏まえ、今後の目標やプランなどを教えてください

 まず筋力アップを大前提として、技術であったり、精神面であったり、自分のペースに持っていくレスリング力、すべてにおいてレベルアップしなければいけないと感じました。

――具体的な目標を教えてください

 次の明治杯(全日本選抜選手権)で優勝できるように頑張ります。

伊藤海(社2=京都・網野)

――今大会全体を振り返って、今の心境を教えてください

 結果的には3位になれたのですが、目標は優勝だったので、悔しい気持ちが一番あります。

――準々決勝が大事な試合だったと思いますが、振り返っていかがですか

 今回はシードがなくて、どこに自分が入るかという状態だったので、優勝するためにはいずれ優衣(須崎優衣、令4スポ卒=現キッツ)さんを倒さなければいけませんでした。2回戦目ということで早かったのですが、気持ちを入れて挑み、対策していたことはできたのですが、相手のプレッシャーに対してパワー負けをしてしまって、まだまだ課題がたくさん見つかった試合になりました。

――今大会を通じてよくできた点は何ですか

 明治杯(全日本選抜選手権)の時にグラウンドのアンクルでケガをしたというのもあって、グラウンドの練習に力を入れてきていたので、準々決勝では1回も回されなかったことも練習してきたことの成果が出たなと思うのと、3位決定戦でもアンクルを決められたのは、グラウンドを練習してきた成果はあったのかなと思います。

――今後の目標を教えてください

 次の大会が6月の明治杯(全日本選抜選手権)になるので、あと6カ月あるし、言ってしまえばあと6カ月しかないので、今回課題が明確になったので、そこを徹底的に取り組んで、明治杯(全日本選抜選手権)では必ずリベンジして、優勝して、プレーオフでも勝って、パリオリンピックの切符を手にしたいと思います。