天皇杯全日本選手権は2日目を迎えた。早大からは女子50キロ級の伊藤海(社2=京都・網野)に加え、男子フリースタイル97キロ級山崎祥平(商4=茨城・土浦日大)と男子グレコローマンスタイル97キロ級北脇香(スポ1=山梨・韮崎工)が順位決定戦に臨んだ。結果は、伊藤が準々決勝敗退、山崎が3位、北脇が5位であった。
伊藤は、1回戦で眞柄美和(至学館高)と対戦。試合を優位に進め、10-0のテクニカルフォールで初戦を突破する。続く準々決勝の相手は須崎優衣(令4スポ卒=現キッツ)。開始30秒で2点を奪われるもの、その後は相手の攻撃を交わし、0-2で試合を折り返す。自分のリズムに持ち込み、逆転したい第2ピリオド。攻め続ける相手に対して健闘したものの、五輪女王に力及ばず、0-5で敗戦した。なお、伊藤は3日目の敗者復活戦に出場する予定だ。
準々決勝を戦う伊藤
山崎は、3・5位決定戦で濱田豊喜(中大)と対戦。2度のパッシブからアクティビティタイムに点数を取れなかったため、1点を失う。それでも、すぐさま相手を場外に出して1点を取り返す。第1ピリオド終了間際に2点を取り逆転に成功すると、そのままリードを守り切り3-1で勝利した。
相手の背後に回る山崎
表彰式に臨む山崎
北脇は、3・5位決定戦で中原陸(大東大)と対戦。相手との相性が悪く、技を繰り出すことができず、パッシブで1点を失う。その後マットに腹ばいになる「パーテレ」からさらに4点を失い、第1ピリオドを0-5で終える。第2ピリオドに入り、北脇が得意の投げ技を試みた場面もあったが、相手に主導権を握られ、0-8のテクニカルフォールでの敗戦となった。
相手と押し合う北脇
大会2日目は、前日準々決勝で敗れた山崎が、見事な修正を見せ3位に輝いた。この大会で競技を引退する山崎。試合後には「最低取るべき順位を取れたと思うので、ひと安心」と笑顔を見せた。また、優勝を目標に臨んだ伊藤だったが、その前に立ちはだかったのは五輪チャンピオン・須崎優衣だった。それでも、須崎相手に0-5と善戦したのは確かだ。3日目の敗者復活戦を勝ち上がり、表彰台は死守したいところだ。1年生の北脇も、敗れはしたものの、今大会を通して「課題がよりはっきりした」と振り返った。この敗戦を無駄にせず、次の目標へ向けて進んでほしい。
(記事、写真 齋藤汰朗)
結果
男子フリースタイル
▽97キロ級
山崎 3位
男子グレコローマンスタイル
▽97キロ級
北脇 5位
女子
▽50キロ級
伊藤 準々決勝敗退
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コメント
山崎祥平(商4=茨城・土浦日大)
――3位という結果でした。今の心境を教えてください
何とか最低取るべき順位を取れたと思うので、ひと安心です。
――今大会を振り返って、印象深い試合を教えてください
準々決勝で第1シードの石黒峻士(新日本プロレスリング株式会社)さんとやった一戦で、今まで何度か試合をしているのですが、その中でも一番いい試合ができた、善戦ができたと思うので、それが一番印象に残りました。
――準々決勝で善戦できた要因を教えてください
一番は気持ちの面が強いと思っていて、今回の大会でレスリングは自分の中で最後と決めていたので、ここで情けない試合をしていたら今までお世話になった人に申し訳ないなと思って、相当気合いを入れて臨んだので、その気持ちの強さが相手に変に点を与えずに食らいついていけた要因だと思います。
――今日でレスリングを引退するということですが、これまでの競技人生を振り返って何かあれば教えてください
最後の試合をやっていて思ったのは、勝った時の喜びというか、それはうれしいし、昨日負けた時は悔しいし、その負けた悔しさを今日の3位決定戦みたいに次の試合で内容を修正して勝ったら喜べるという、すごい楽しい競技だと思いました。
北脇香(スポ1=山梨・韮崎工)
――今大会全体を振り返って今の心境を教えてください
3位決定戦まで残ったのですが、運が良くて、シードの人を倒して勝てたというわけではないので、自分の実力で勝ち切れるところまでは勝って、3位決定戦に臨みました。正直全日本のレベルでメダルを取るというのが目標だったのですが、そこに届かなかったのは実力不足だと思います。あまりいい大会ではなかったと思います。
――あまりいい大会ではなかったということですが、それでも収穫はありましたか
1年前から同じ課題がずっと克服できなくて、今回も同じような負け方をしてしまったので、これからそこにしっかりと向き合うということで、課題がよりはっきりとしたことです。
――具体的には何を重点的に取り組んでいきたいですか
組み合わない相手というか、組み合って投げるという練習はすごいしてきたのですが、全体を通して頭から思い切り当たってきて、弾いて圧力をかけてくる相手に対してそこをどうやって断ち切るかという点で、今までそういう相手に負け続けてるので、そこをしっかり練習していきたいです。
――今後の目標を教えてください
おそらく4月のJOCが中学生の時から出続けて、来年が最後なのですが、まだ優勝したことがないので、しっかり優勝していいスタートが切れるようにしたいです。