天皇杯全日本選手権直前対談・第1回に登場するのは鈴木歩夢(スポ3=埼玉栄)山崎祥平(商3=茨城・土浦日大)深田雄智(スポ2=千葉・日体大柏)山倉孝介(スポ2=千葉・日体大柏)の3名である。今季の集大成とも言える天皇杯全日本選手権の話題からプライベートな話題まで、多岐にわたってお話を伺った。
※この取材は12月9日に行われたものです。
早稲田ではのびのびレスリングやらしてもらっている(山倉)
インカレ優勝の深田(写真中央)と3位の山倉(写真左)
――まず初めに今年度の振り返りをお願いします
深田 今年度の目標は全日本(選手権)の権利を獲得するということで、1個タイトルを取らなければいけないなと思っていたのですが、上半期ケガをしてしまって、そこからどうしようと思ったのですが、上手く立て直してインカレを優勝することができて、全日本選手権にも出場できそうなので、良かったなという気持ちです。
鈴木 僕の目標はケガをしないで楽しくレスリングをやることだったのですが、それに向けてやっていたら、明治杯優勝できたので、今後も楽しくある意味適当にレスリングをやっていけたらなと思います。
山崎 今年度は大きなケガ(9月末ごろ)をしてしまって、学生の大会に1つも出場できなかったので、その間はケガしない体づくり、筋トレや栄養補給をしっかりやったので、これから頑張ろうかなという感じです。
山倉 今季の最初からヘルニアを患って、治らないまま今を迎えるというのを反省点の1つとして、全日本もあるので、最後キッチリ頑張って1年を締めくくりたいと思います。
――鈴木さんと深田さんは優勝を経験されて、心境の変化や変わったことはありますか
鈴木 試合めちゃくちゃ緊張するようになりました。変な緊張してるなって(笑)
深田 僕は、優勝を機に注目してもらえているのかなと思いますね。
――今年度は春から多くの試合がありましたが、印象に残った試合はあるでしょうか
山倉 今年1年全部ぼやぼやしているんですよね。ケガをズルズル引きずって…試合も全部ぼやぼやしたイメージしかなくて。決めきれていないなと。今年最後にしっかり頑張って来年に繋げたいなと思います。
鈴木 インカレですかね。最後の負けは、自分でも見返したくないです。
深田 僕は今年2試合しか出ていないので、どっちも印象に残っていて。優勝したインカレは嬉しかったです。内閣も強い選手倒して、このまま優勝するかなというみんなの期待を裏切って3位になったというのは、どっちも印象深いです。
――普段の練習の雰囲気はどんな雰囲気で行われていますか
山崎 今11月で世代交代して、あたらしく島谷(侃、スポ3=秋田商業)主将になったんですけど、前学年の先輩たちは、ピリピリしたムードを作ってくれて集中してできた感じで、うちの代は毛色が変わって、緩いけどしっかりやって、楽しく伸び伸びやっている感じですね。ここから締めつつ、それでも楽しい練習をやっていこうかなと思います。
インカレでプレーする鈴木
――話が戻ってしまうのですが、安楽龍馬前主将(スポ4=山梨・韮崎工)は皆さんから見てどんな主将でしたか
鈴木 積極的にコミュニケーションを図ってくれたので、そこは自分達としては凄く助かったかなと。やっぱりなかなか先輩に思うことを聞きにくいとおもうんですけど、向こうから聞いてきてくれたので、非常にやりやすかったです。
山倉 和気あいあいとやるところは和気あいあいと、ちゃんとするところはちゃんとする、ふざけるときはふざける面白い人です(笑)。
――毎年恒例の他己紹介をしていただきます。まずは深田さんに対する印象はいかがですか
山倉 練習と試合を自分の中で分けられているなと思います。練習は練習として、感情に表すことがなく、取られても練習の一貫としてやっていて、試合では、しっかり考えて、練習を試合でだせる人かなと思います。
山崎 レスリングに関して言うと、後輩なんですけど、精神年齢が大人な部分があるってことで(笑)、自分のレスリングのスタイルは脳筋みたいな感じで進んじゃうので、そこにしっかりアドバイスをくれるのは自分としてはありがたいです。
鈴木 頭使って動いている印象があります。天然パーマなので、非常に頭使っている感じは、先輩から見てもありますね。
山倉 普段は、まあ変わってますよね(笑)。人が言わないことをズバズバと言うので。面白いというか変わったやつですね。
山崎 普段は知的な感じを出しているんですけど、今年で20歳になったのでお酒も解禁されたのですが、一緒に遊びに行ったんですけど、そこではっちゃけて面白い動画も取れたので、そういう面では良い素材だと思いました(笑)
鈴木 普通オフの日に友達と飲みにいくんですけど、毎日のように飲みにいくんで、普通に酔っぱらってます(笑)。
深田 違う違う!ここカットでお願いします!
一同 (笑)
――次は山倉選手への印象をお願いします
深田 孝介は僕と真逆で、練習からガンガン行きますね。感情も出すし、取れなかったら壁殴るし(笑)、練習から本当に気合いは入っているなと。高校から一緒なので、その辺はだいぶ分かってきたかなと思います。
鈴木 僕はあまり感情的にならないタイプなんですが、やっぱり勝負事なので、それは大事なことかなと思います。
山崎 みんなも言っているのですが、やっぱり負けず嫌いという所が、自分もよくスパーリングさせてもらって感じるんですけど、自分体力がなくて、いつも最初は山倉からポイントを取れるんですけど、山倉がそれで火が付くのか、ガツガツに攻めてきて、それで後半バテバテになってボコボコにされるということが結構あるので、凄く気持ちが強いなと思います。
深田 なんだろうな…オンとオフがしっかりしているなと思います。他は、孝介は謎が多いかな?あんま仲良くない(笑)謎多き男ですね。
一同 満場一致で謎多き男ですね。(笑)
――次は鈴木選手への印象をお願いします
山崎 歩夢とは、小学校のころから地元が一緒で、同じクラブで練習をやっていて、その時は自分のほうが明らかに、力とか強かったんですけど、今でも、巧さで受け流されたりして、ポイント取られて負けるとか全然あるので、この階級差で自分との力の差を対処してくるのは本当に凄いと思います。
深田 レスリングは一言で言うとクールですね。悪く言うとスカしているというか(笑)。さっきも言ってましたけど、感情を表に出さない感じで笑いながら楽しそうにレスリングしています。
山倉 技術とか本当に凄いし、階級近いのでスパーリングとか練習するんですけど、僕らぐらいですかね、スパーリング中めちゃくちゃうるさいっていう(笑)。笑ったり叫んだりして、楽しくやってます。
山崎 プライベート、ホント何も言わないんですよ。前は、同期でご飯食べにいこうよって言っているときに、用事あるって言って、用事の内容を教えてくれなかったりとか(笑)。何してるんだろうなって。同期仲悪いのかな(笑)。それでつかみ所がないやつだなとは思います。
深田 大学生活楽しんでんだろうなって印象です(笑)。
山倉 プライベートで一緒になることはあんまりないんですけど、たまに酒飲むんですけど、必ず僕を標的にしてくるので、楽しんでるとは思います。
――最後に山崎選手への印象をお願いします
深田 レスリングよりも筋トレしているイメージです。レスリングも真面目で取り組んでると思うんですけど、どうしても筋トレですね。
山倉 本当に筋トレが大好きなのはわかります。最近スパーリングやるんですけど、岩と闘っている気分ですね。
深田 小学校から一緒にいるんですけど、妥協している所を見たことがないですね。本当に人の妥協も許さない(笑)。自分にも他人にも厳しいし、男の中の男ですね(笑)。プライベートは、酒は飲むんですけど、飲むと感情むき出しになるので面白いなと。でも親身になって聞いてくれるんでいい先輩です。
山倉 商学部なので勉強できるイメージですし、まあ単位取れているかはわからないんですけど、でもいろいろ相談できて信頼できる先輩です。
鈴木 いつも寮にいるなっていうイメージですかね(笑)。インドアなんですよね。寮飯は7時から食べられるんですけど、7時10分くらいには飯を食べています。絶対一番に飯を食う妥協しない男ですね。
明治杯でプレーする山﨑
――話題を変えて皆さんの趣味を教えて下さい
山倉 最近ハマっているのがカフェ巡りとギター。カフェ行って課題やるのが最近好きですね。コーヒー飲めるようになったので。
――どこのカフェに最近行きますか
山倉 最近ハマっているのは、ホイッスルカフェですかね
――ギターで弾ける曲はありますか
山倉 なんも弾けないです。始めたばっかりで(笑)。
――それでは山崎さんお願いします
山崎 前からそうなんですけど、自分はアイドルが好きで。日向坂、乃木坂なんですけど、乃木坂は、本当に1年生くらいの時は大好きだったんですけど、今は乃木坂を卒業したメンバーの中で、桜井玲香ちゃんですね。一年生の時も色紙に書かせてもらって(笑)。今もずっと続いているので、生きる糧になっているなと思います。
――ちなみに桜井さんの魅力を一言でお願いします
山崎 可愛い。可愛い。とにかく可愛いですかね(笑)。
――次に鈴木さんお願いします
鈴木 被るんですけど、カフェに行きますね。僕はもうオシャレなカフェというよりも高田馬場のタリーズに居座る感じですかね。
――最後に深田さんお願いします
深田 僕は音楽聞くことですかね。最近好きなのは、マカロニえんぴつですね。人生で初めてライブに行って、めっちゃ楽しかったですね。
――今回のメンバーは、なんだかんだで仲良さそうなんですけど、オフの日に一緒に過ごすことはありますか
山崎 あまりないですけど、今度3年生でディズニー行きます。
――部内で尊敬している選手はいらっしゃいますか
深田 申し訳ないですね。レスリングやる上で尊敬する選手を作らないようにしていて、みんな凄く上手いし、海外のレスリングとかを見て、自分に使えそうなやつだったら、使うみたいな感じですかね。
鈴木 部内では、島谷(侃、スポ3=秋田商業)ですかね。ストイックに練習しているし、減量にしても継続力がある人なので、その真面目さはレスリングの結果にも繋がっていると思うので、そこは尊敬しています
山崎 部内の人じゃなくてもいいですかね(笑)。自分はトレーニングとかも学ばせて頂いている、室伏広治さんです。室伏さんを尊敬、模倣させていただいている部分があって、いろいろ考え方もしっくりくるなと思うので、昔の動画とかを見て、同じトレーニングをやってみたりとかして、体作ってます。
山倉 最近思ったのが、僕は持続力がないんですね。何かを始めることはできるんですけど、それを継続するのが、欠けているのかなと直そうとはしているのですが(笑)。その点で持続力が凄い人は誰かなと思ったら、昨年卒業した梅林太郎さん。太郎さんの持続力は凄くて、長い目で見たときに色々考えているなと思うのが太郎さんですかね。
――辛い時のモチベーションの保ち方を教えていただけますか
深田 辛いのは今だけかなと考えて、この後いいことが起きると前向きに捉えています。
鈴木 僕は辛いと思わないんですよね。辛いと思わないし、思っていても寝たら忘れちゃいますね。
山崎 辛いと感じたことはそんなないかもですかね。悲しいなとかはあるんですけど。自分もあんま考えずに流れていっちゃいますね。運動したら忘れられるので(笑)
山倉 自分の中で受け入れた上で、何かいいことを作っている感じですかね。
――早稲田で今まで過ごしてみていかがですか
山崎 良いことではないですけど、本当に何もできてないなと。自分として目標を上手く持てなかったんで、学校の授業に行かなくて、単位落として苦労して、レスリングだけがちょっと目標を持てたかなという感じです。最近、自堕落な生活を送っているということに気付いて、ようやく生活習慣とか学習面でも持ち直してきて取り組んでいるので、これから頑張っていきたいと思います。
鈴木 高校の延長で3年間過ごしてきてしまったので、ラスト1年なんで、大学生っぽいことだけに特化した1年にしたいと思います(笑)。
深田 中学、高校とタイトルに縁がなかったんですけど、大学で取ることができたので、続けてきて良かったなと思います。
山倉 早稲田ではのびのびレスリングやらしてもらっているなと。レスリング部に入っていろんなコミュニティの人と話すようになって大学生楽しいなというのがありますね。
――天皇杯に向けて強化した部分は
山崎 ずっと膝の怪我をしていて。レスリングができなかったので、自信持って言えることは、フィジカルを強化してきた点です。本当に自分でも感じるくらい、ケガしてから1,2か月くらい筋トレを一生懸命取り組んできたんですけど、力の出力がだいぶ上がったと感じていて。あと1週間なのですが、体力を戻していけばいい所までいけるかなと思います。
鈴木 強化した部分というよりは、楽しくやろうと。インカレ、内閣総理大臣杯は僕らしくない緊張をしてしまったので、楽しくやろうとメンタル部分で変化したのかなと思います。
深田 祥平さんと一緒に筋トレをいつもやっているんですけど、まずはフィジカル面と、後は組手ですかね。相手に合わせないで、自分から動かせるように練習しました。
深田 僕も内閣の時に出た課題がフィジカル面なので、筋トレというよりは持久力を鍛える感じで取り組んでいますね。
――天皇杯での目標は
鈴木 1番は怪我をしないで年越しを迎えることです(笑)。結果に固執しても良いことないんで、目標は低くいってプラスアルファで勝てればいいかなと思います。
山崎 自分も大きい怪我をしてしまって、やってみて、痛かったら即棄権しようと思います(笑)。ちゃんと言うと、ケガの期間で体力は落ちちゃったと思うのですが、筋トレのおかげでパワーの出力が上がったので、重量級ですが相手をバタバタなぎ倒していけるレスリングをしたいと思います。
山倉 僕は出るからには勝ちたいです。注目している選手に日体大の高橋優大選手がいるんですけど、インカレで1点もとれずに負けてしまったので、対策を練って勝ち、気持ちよく年越ししたいと思います。
――試合前のルーティンなどはありますか
深田 僕は決め事はないですね。ただ僕は試合に対して怖がりなので、寝ずにそのまま朝を迎える感じですね。
――天皇杯終わったら何かやりたいことはありますか
深田 ラーメン食べたいですかね。醤油ラーメン。
山倉 成人式と同窓会があるので、勝って気持ち良く行きたいです。
山崎 試合終わってすぐにディズニー行くんで、ある程度結果残して悔いなくディズニーに行きたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 秋田豪、鬼頭遥南)
色紙には思い思いの言葉を選んでくださいました!
◆鈴木歩夢(すずき・あゆむ)(※写真中央左)
2000(平12)年5月1日生まれ。男子フリースタイル70キロ級。埼玉栄高出身。スポーツ科学部3年。相手をいなすテクニックが持ち味の鈴木選手。何よりも、レスリングを楽しむ姿勢を大事にしているのが印象的です。オフでは少しミステリアスな一面もあるそうです。
◆山崎祥平(やまざき・しょうへい)(※写真中央右)
2000(平12)年12月20日生まれ。男子フリースタイル97キロ級。茨城・土浦日大高出身。スポーツ科学部3年。今季は大きな怪我も経験しましたが、離脱期間中に肉体改造に勤しみ、パワーに磨きをかけた山崎選手。非常にストイックで、下級生からの信頼も厚い、頼れる上級生です。
◆深田雄智(ふかだ・ゆうと)(※写真左)
2001(平13)年6月23日生まれ。男子フリースタイル74キロ級。千葉・日体大柏高出身。スポーツ科学部2年。インタビュー等での、個性的でウィットに富んだ受け答えが印象的な深田選手。レスリングにおいても、頭を使ったクレバーなスタイルが持ち味です。今季はインカレで優勝するなど飛躍の年でした。
◆山倉孝介(やまくら・こうすけ)(※写真右)
2001(平13)年9月24日生まれ。男子フリースタイル79キロ級。千葉・日体大柏高出身。スポーツ科学部2年。オフでは物腰の柔らかい気さくな好青年ですが、レスリング面では人一倍負けん気の強い山倉選手。内に秘めた情熱を武器に天皇杯でも躍進を狙います。