4月11日に行われたJOC杯ジュニアクイーンズカップに早大の選手が2名出場した。片岡梨乃(社2=千葉・日体大柏)と伊藤海(社1=京都・網野)だ。片岡は55キロ級、伊藤は50キロ級での出場となった。片岡は1回戦で清岡もえ(高知南高)と対戦。序盤は試合を有利に進めたものの、後半に巻き返されて惜しくも1回戦敗退となった。一方、2回戦から登場した伊藤は、初戦で小林潮音(新宮高)との戦いを制したのを皮切りに、3回戦、準決勝、決勝と破竹の勢いで勝ち進み優勝を果たした。
大学入学後初となる今大会に「自分の実力を見せたいという強い思い」で臨んだという伊藤。初戦から10-0で快勝すると、その勢いは止まらない。続く2試合でも攻勢を崩さず、無失点のテクニカルフォール勝ちで一気に決勝へと駆け上がった。決勝の相手は、昨年の天皇杯全日本選手権でも対戦した坂本由宇(JOCエリートアカデミー)。伊藤は試合序盤から相手を背中から倒し4ポイントを獲得するなど、タックルを効果的に決め得点を重ねた。第1ピリオド終盤にローリングを返し合い2ポイントを奪われたが、その後の反撃は許さず。第2ピリオド終了を待たずして既定のポイント差をつけ、4試合連続のテクニカルフォール勝ちで優勝を飾った。
グラウンドで相手を圧倒する伊藤
一方、片岡は苦杯をなめた。清岡もえと戦った1回戦は序盤から互いに譲らぬ攻防が続く。ポイントが動いたのは試合後半であった。1ポイントのリードで第2ピリオドを迎えると、まずは片岡がバックポイントを奪い3-0とする。しかし、攻撃から相手にカウンターを仕掛けられる展開が続き、残り1分で3-4と逆転を許してしまう。1つでも技を決めたいところであったが、反撃を狙ったタックルも空回りし、さらに2失点。3-6で敗戦を喫した。
劣勢に追い込まれる片岡
片岡は惜しくも初戦敗退となったが、闘志あふれるプレーを見せた。また、今大会が大学デビュー戦となった伊藤は、圧倒的な強さで1位に輝いた。名門の重圧を物ともせずに自分のレスリングをやりきった伊藤のハートの強さは称賛に値する。しかし伊藤が「オリンピックのためにも、もっと強い人に勝てるように精進していきたい」と語るように、今大会はあくまで通過点に過ぎない。これからも勝ち続けるのは簡単なことではないだろう。それでも、片岡、伊藤はともに経験やハングリー精神などそれぞれの強みを持つ選手。今後のさらなる活躍に期待したい。
(記事 秋田豪、鬼頭遥南 写真 秋田豪)
※掲載が遅くなり、申し訳ございません。
結果
女子
▽50キロ級
伊藤 優勝
2回戦 ○10-0小林潮音(新宮高)
3回戦 ○10-0平戸紅葉(三井高)
準決勝 ○10-0河野愛琳(都城西高)
決勝 ○12-2坂本由宇(JOCエリートアカデミー)
▽55キロ級
片岡 初戦敗退
1回戦 ●3-6清岡もえ(高知南高)
コメント
伊藤海(社1=京都・網野)
――まずは優勝おめでとうございます
ありがとうございます。
――試合を終えて、率直な感想をお聞かせください
デビュー戦ということで不安や緊張もありましたが、3試合とも自分のレスリングができたので満足しています。
――圧倒的勝利を収められましたが、勝因は何だと思われますか
大学に入って自分が苦手としていた組み手などの技術を強化できたことが一番大きいです。また、メンタル面での成長や、自分はチャレンジャーであるという意識を持っていたことも勝因です。
――大学デビュー戦ということでしたが、どのような意気込みで試合に臨まれましたか
大学に入りいろいろな人から注目を浴びるようになったので、自分の実力を見せたいという強い思いがありました。
――最後に今後の目標を教えてください
あくまでこれは通過点なので、オリンピックのためにも、もっと強い人に勝てるように精進していきたいです。