2日間に分けて行われた新人戦。初日はグレコローマンスタイルの試合が行われ、60キロ級に谷口虎徹(社1=和歌山北)、82キロ級に玉岡颯斗(スポ1=群馬・館林)が、2日目のフリースタイルの試合には、65キロ級に深田雄智(スポ1=千葉・日体大柏)、79キロ級に山倉孝介(スポ1=千葉・日体大柏)が出場した。深田と山倉は大学入学後初となるタイトルを獲得!玉岡と谷口もそれぞれ2位、3位入賞を果たした。
先月行われた全日本大学グレコローマン選手権から階級を1つ落として出場した玉岡は、初戦で昨年度新人戦3位の樋口徹心(日体大)と対戦。「自分のレスリングを貫くことができた」と終始試合を優位に進め、実力者を相手に7-1と快勝を収めた。続く準決勝では、得意とするローリングを連続で決めて点差をつけ、第1ピリオド(P)の時点でテクニカルフォール勝ち。順調に白星を重ねて迎えた決勝、先制されたものの、その後相手の消極的プレーによるポイントを獲得。ここでもグラウンドからローリングをしっかり返して逆転に成功する。しかし第2P、試合時間残り2分で4点の投げ技を受け、相手にリードを許す展開に。その後は攻めきることができず万事休す。健闘の2位で大会を終えた。
得意とするローリングを仕掛ける玉岡
同じく初日に出場した谷口は1回戦目を不戦勝で勝ち進み、準決勝から登場。第1P序盤から積極的な動きをみせ、テークダウンを連続で奪うと、第2Pに入っても谷口がリードする展開が続く。しかし終盤、相手の攻撃を受けて残り10秒で1点差に。そのまま逃げ切るかと思われた瞬間、4点の投げ技を決められまさかの逆転負け。勝利を目前で逃し、悔しい3位入賞となった。
新人戦2日目、はじめに登場したのは今大会が大学デビュー戦となった深田。初戦を10-0のテクニカルフォール勝ちで突破すると、続く2戦目はパッシブによるポイントの差で辛勝し、準々決勝へと駒を進めた。尻上がりに動きが良くなっていったという深田は、準々決勝、準決勝ともに高い攻撃力を発揮し、無失点で圧巻のテクニカルフォール勝ちを収める。決勝では天皇杯全日本選手権5位の実績を持つ中村勇士(日体大)を対戦相手に迎えた。序盤は攻撃によるポイントこそ奪えなかったもののパッシブによる1点を先制。しかし「少しバテてしまった」という後半はなかなか攻撃をポイントに繋げることができず。試合時間残り30秒のところで2点差まで迫られたが、直後に深田が場外押し出しによる1点を追加し、4-1で勝利。全5試合を戦い抜き、見事優勝を果たした。
大学デビュー戦を優勝で飾った深田
準々決勝から登場した山倉は2戦連続テクニカルフォールで圧勝。足へのタックルからテークダウンを奪う攻撃パターンを中心にポイントを重ねた。迎えた決勝、山倉が先にテークダウンを奪い2-0とするも、その後は膠着(こうちゃく)状態が続く。第2Pでパッシブによる1点を献上し一時は1点差まで詰められたが、ラスト1分、山倉が最後の攻撃を畳み掛けた。場外押し出しやテークダウンを重ね、6点を奪取。最終スコア8-1で、入学後初タイトルを手にした。
出場した4人全員がメダルを獲得するという快挙を達成した今大会。1年生にとって今年度最後の公式戦は、今後に弾みをつける充実した内容だったといえるだろう。快進撃をみせたルーキーたちのさらなる成長が楽しみだ。
(記事 鬼頭遥南、写真 北﨑麗)
結果
グレコローマンスタイル
▽60キロ級 谷口 3位入賞
▽82キロ級 玉岡 2位入賞
男子フリースタイル
▽65キロ級 深田 優勝
▽79キロ級 山倉 優勝
玉岡颯斗(スポ1=群馬・館林)
――今日の試合全体をふり返っていかがでしたか
自分の出来ることはしっかりできていたのですが、相手が強くなるにつれて通じなくなっていくところがあって。得意なことはできました。苦手なことは厳しかったです。
――どのようなことを意識して試合に臨まれましたか
今回は1つ階級を落として試合をしていたので、普段より相手が軽い分、自分から動かして積極的なプレーをして、コーションだったりアクションを取っていこうというレスリングをしていました。あとは自分はローリングが得意なのですが、それをできるように、最初のパッシブをしっかり取ることを意識していました。
――今日見つかった収穫と課題は
練習でできていた技を試合で試すのは緊張するのですが、それを挑戦してみたらできて。でも練習と細かい部分が違ったので、そこを持ち帰ってしっかり修正して。できた部分はそれでよいとして、負けた試合は相手に先に仕掛けられてやられたことが多かったので、それを直すために自分からアタックを仕掛けていきたいなと思います。
――対戦相手について何か意識していたことはありますか
1回戦目はあらかじめ強いということは知っていて。なるべく相手のペースに合わせずに自分のレスリングを貫くことができたので良かったです。
深田雄智(スポ1=千葉・日体大柏)
――優勝おめでとうございます
ありがとうございます。
――どのような気持ちで試合に臨まれましたか
1年以上間が空いての試合で、大学デビュー戦でもあったので、良いスタートを切りたいという気持ちで臨みました。
――緊張はしましたか
あまり緊張はしなかったのですが、良い緊張感はありました。
――今日の試合全体をふり返っていかがでしたか
序盤はあまり動きが良くなくて、練習中と本番のギャップを痛感していたのですが、尻上がりに良くなっていって、後半は良く動けたかなという感じです。
――試合内容には満足されていますか
そうですね。復帰戦にしては上々だったと。
――反省点はありましたか
決勝の後半とかは少しバテてしまったので体力面と、あとは、2回戦が良い内容ではなかったので攻撃力を高めていきたいと思います。
――今後に向けた意気込みをお願いいたします
大学入ってデビュー戦で優勝できたので、このまま無敗で突っ走っていきたいと思います!