米澤が3位入賞!小玉が決勝へ臨む

レクリング

 天皇杯2日目。初戦を迎えたのは山﨑弥十朗(スポ4=埼玉栄)、梅林太朗(スポ3=東京・帝京)、臼池優月(社3=茨城・鹿島学園)、そして小玉彩天奈(社2=高知東)の4人。前日初戦を迎えた吉村拓海(スポ4=埼玉栄)、米澤凌(スポ2=秋田商)、鈴木歩夢(スポ1=埼玉栄)の3人は敗者復活戦へ臨んだ。

 予備選から出場となった山﨑は元全日本王者の白井勝太(日本大学大学院)といきなり初戦にあたることとなった。組み合わせを見たときのことを「びっくりして、ここ勝ったら決勝までいけるなと思って」と話しており、初戦が勝負であった。第1ピリオドは3点差をつけられたが、内容としては均衡していた。しかし、「勝負」と話していた第2ピリオドで相手の猛攻を受けテークダウンを2回とられてしまう。「誤算だった」と省みるようにここでの失点が結果に響くこととなった。山﨑もテークダウンを2度決め巻き返しを図るもあと2点惜しくも届かず。無念の初戦敗退で早稲田のレスリング人生を終えることとなった。79キロ級に出場した梅林もまた厳しい戦いを強いられることとなった。初戦の準々決勝は実力差を見せつけテクニカルフォール勝ちを収めたものの、準決勝では先制点をとった後攻めあぐね続け7点差で敗北。梅林の持ち味である足元への低く素早いタックルが相手に完全に塞がれ得点することができなかった。準々決勝から登場した小玉は2試合とも高い攻撃力を発揮し相手に大きく点差をつけて勝利。快調に決勝へと勝ち進んだ。臼池は全日本学生選手権(インカレ)で大敗を喫した相手とのリベンジマッチでしたが、相手の素早い攻撃に対処しきれずフォール負け。ローリングとテクニカルを決めたものの「タックルを決めていたらというところが一番の反省点」と試合後語ったように、相手を追い詰めることはできなかった。

無念の初戦敗退に終わった山﨑

 敗者復活1回戦から臨んだ吉村は2回戦まで相手を無失点で抑え危なげなく勝ち進んだが、3位決定戦ではインカレ決勝で立ちはだかった早山竜太郎(拓大)相手に攻撃に転じられず敗退。「いまひとつ決め手がなかったかな」と振り返ったようにテクニカルポイントを獲得することができず、昨年の天皇杯と同様5位入賞という結果に終わった。結果について「微妙」と答えた吉村。学生最後の全日本で表彰台にのぼることは叶わなかった。敗者復活戦1回戦をテクニカルフォールの圧勝で突破した米澤は3位決定戦に臨んだ。中村剛士(国士舘大)との3位決定戦は死闘となった。1点差で折り返すと、相手がとれば米澤もとりかえし一歩も譲らない展開が続く。しかし、試合終了30秒前相手の右足に食らいついた米澤がタックルに成功し2点のリードをとる。集中力を切らさずそのリードを守りきり勝利。死闘を制し3位入賞を決めた。ビハインドの状態で追いかける展開となったが、米澤は「焦らなかった」と試合後語った。敗者復活戦1回戦から臨んだ鈴木は東日本学生秋季選手権優勝者に敗北。テクニカルポイントを獲得できず悔しい敗戦となった。

悔しい5位入賞となった吉村

 早稲田で最初に決勝に進んだ小玉は、明日インターハイ2位の相手に臨む。「絶対優勝」の目標を達成し2019年を気持ちよく締めくくれるか。梅林は3位決定戦へ臨み表彰台を目指す。また、明日からは57キロ級の岩澤侃(スポ4=秋田商)、65キロ級の安楽龍馬(スポ2=山梨・韮崎工)、グレコローマン67キロ級の宇井大和(スポ4=和歌山・新宮)、そして女子50キロ級の須﨑優衣(スポ2=東京・安部学院)が登場する。全員が五輪階級という強敵たちがひしめくなか早稲田の戦士はどこまで勝ち進むことができるか。

(記事 北﨑麗、写真 林大貴)

3位入賞で表彰台に立つ米澤

結果

男子フリースタイル

▽79キロ級

梅林 準決勝敗退 3位決定戦へ

▽86キロ級

山﨑 予備選敗退

敗者復活戦

▽61キロ級

吉村 5位入賞

▽70キロ級

米澤 3位入賞

鈴木 敗者復活戦1回戦敗退

女子フリースタイル

▽57キロ級

臼池 準々決勝敗退

▽62キロ級

小玉 決勝進出

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コメント

山﨑弥十朗(スポ4=埼玉栄)

――組み合わせを見たときにどのように思われましたか

1回戦から元全日本チャンピオンとあたるということでびっくりして、ここ勝ったら決勝までいけるなと思ってここで一発勝ちたいなということだったんですけど、結果的に負けてしまって残念でしたね。

――初戦が勝負所であったと

そうですね、もう初戦勝てばもう流れでいけるだろうと。

――初戦の第1ピリオドを振り返っていただけますか

正直後半勝負だと思っていたので、最初はできるだけ失点少なく、返せるところ返そうと思っていました。まあよかったんですけど、第2ピリオドで失点重ねてしまって、そこがちょっと誤算だったところですね。

――第2ピリオドのラスト10秒でテークダウンをとって惜しくも追加点を獲得できませんでした。そのときの戦いを振り返っていただけますか

後半は相手がもうバテているとわかっていたので、そこで勝てるなと確信していたんですけど、ちょっと時間が足りずに終わってしまいました。自分の勝ちパターンであったはずなんですけど、とれなかったのは非常に残念です。

――悔いが残りましたか

いや、全力というか自分の最高のパフォーマンスはできたので、悔いというよりも次回への課題に向けての取り組み方がわかったので、すごく将来に活きる試合になったなと思います。

――次に早稲田での4年間についてうかがいます。早稲田の4年間で出会った人々は山﨑選手にとってどのような存在でしたか

入学して高校時代の練習環境と比べて違くて、考え方も変わって。どのように対応していいかわからない部分もあったんですけど、それもだんだん先輩たちのおかげで順応してきて、1年目からインカレとれたりしたので、早稲田大学というのはどの選手でも強くできる環境であるなというのを感じました。4年間振り返ってみるとやっぱり、最後負けて終わってしまったんですけど、いい先輩後輩同期にめぐりあえて、今後とも一緒に頑張っていけるようなチームだったと思うので、よかったなと思います。

――早稲田が他大学と比べてよい点というのはどこにありますか

チーム自体のメンバーが少ないけど、個々の力が強い。一人ひとりの力を最大に引き出せる練習ができるというのが他の大学と違う部分かなと思いますね。意見を言い合ったり、どういう方向性で向かっていくというのが明確であるのがよいと思います。

――主将として過ごした1年はどのようなものでしたか

結構プレッシャーもあって大変だったんですけど、それでも主将として苦というよりも勉強させてもらった部分があって、自己の成長ができたと思うので、とても有意義な1年間であったと思います。

――後輩たちに期待したいことはありますか

もっと自分の存在をアピールしていってくれたらもっといいチームになるのかなと。今はまだちょっと自信が足りないというか、もっとチーム内でオープンにして和気あいあいとした環境をつくってくれればいいチームになると思うので、チームワークよくやってほしいと思います。

吉村拓海(スポ4=埼玉栄)

――学生最後の天皇杯でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

最後に早稲田の選手として優勝したいという気持ちを持って挑みました。

――組み合わせを見た際のの印象としてはいかがでしたか

自分の中では結構いい組み合わせだなと思いました。

――昨日の戦いを振り返っていかがでしたか

負けた相手の選手はインカレ以来出ていなくて、インカレの時の動きを見ている感じだといけるなというのが頭にあったんですけど、実際に組んだ瞬間にその時とは明らかに違う圧力を感じてしまって、「どうしよう」となってしまった部分がありました。

――きょうの敗者復活戦を振り返っていかがでしたか

体の調子も良くて、前に圧力をかけるっていう自分のスタイルは貫けたんですけど、いまひとつ決め手がなかったかなと思います。点数が取れなかったので、自分の持ち味である『ガンガン行く』ということがまだできていなかったのかなと思います。

――結果についてはどのように捉えられていますか

昨年も同じ5位で、微妙だなという印象です。

――早大での四年間を振り返っていただいて、ご自身成長した点はありましたか

日々の練習に対する心構えであったり、食事の面で、どういう風に体を調整していくかっていうのは早稲田に入ってからできるようになったなと思います。そういうところをしっかりとできないと勝っていくのは難しいなと思ったので、そこが成長できたのは良かった点だと思います。

――ご自身の中で印象に残っている試合はありますか

1年生の時のリーグ戦で日体大戦に出場させてもらって、そこで勝った時ですね。入ったばからだったんですけど、1番印象に残っています。

――なぜその勝利が印象に残っているのでしょうか

その時勝ったことのない相手だったので、その相手に初めてそこで勝てたというのもあるんですけど、やはりチームで勝ち取れた1勝だと思ったので、今でも印象に残っています。

――早大レスリング部でこれまで多くの方々との出会いがあったと思います。その方々の存在というのは吉村選手にとってはどのようなものでしたか

この四年間は濃いものでした。でも、すごく早く過ぎてしまったので、密度の濃い四年間を過ごさせてもらったなと思います。これからの人生で「この四年間は良かった」と言える四年間でした。結果はあまり残せなかったんですけど、早稲田のシングレットを着て戦う試合はすごい楽しかったです。

――最後になりますが、後輩たちに何か残すメッセージがありましたらお願い致します

自分たちが為し得なかったリーグ戦と優勝と内閣の団体優勝を果たしてほしいなと思います。あとは天皇杯でも明治杯でも全日本をとれるような選手になってもらいたいなと思います。

米澤凌(スポ2=秋田商)

――3位という結果についてはどう受け止めていますか

目標に届かなかったので、悔しいですね。全日本の表彰台は初めてですけど、悔しさが大きいです。

――3位決定戦を振り返っていかがですか

この前の大会でも対戦をした人で、2回目だったんですけど、この前は見合ってしまってロースコアで終わってしまったので、今回はしっかり攻めて勝ちにいこうという気持ちで行きました。

――カウンターを受ける場面もあり、ビハインドの状況が続きました。焦りはありませんでしたか

逆転したのが残り1分ぐらいだったので、そこまで焦りはなかったですね。残り30秒とかだったら、焦っていたかもしれませんが、今回は終始落ち着いてプレーできたと思います。

――勝因としてはなにが挙げられますか

しっかり攻めにいったことだと思います。カウンターを食らった後も恐れずにプレーできたところかなと思います。

――きのうの準々決勝を振り返って

あれは最悪でしたね。流れも悪かったですし、メンタルもやられてしまって。勝てると思ってプレーしていた中で、取れると思ってやっていたらどんどん時間が過ぎていって、焦ったところにカウンターを食らって。最悪な流れだったと思います。

――ここから大会がない期間が続きますが、どのような取り組みをしていきたいですか

何回も言っているんですけど、フィジカル面ですね。長い期間空くので、ここでしっかりやらないと勝ち切れるようにならないと思いますし、守ってくる相手もこじ開けることができないと思うので、ちゃんとフィジカル面を強化しないといけないなと思います。

――1年生の頃に比べて体は大きくなっている印象は受けますが

体重が変わらないんですよね。食が細いので(笑)。レスリングを離れてでも体づくりをしないといけないのかなと思います。

――今年1年を振り返っていかがですか

JOC、リーグ戦といい調子だったんですけど、上がったり下がったりでしたね。悔しい思いをした後は納得できる結果を残せたこともあったり。逆に納得のいく試合の後に落ちるような試合もあったので、もう少し安定性を高める必要があるとこのシーズンは思いました。

――3年目のシーズンへ向けての抱負は

来年はリーグ戦で優勝を目指して、個人では学生と全日本で優勝できるように頑張ります。

臼池優月(社3=茨城・鹿島学園)

――自身初の天皇杯をむかえて、どのようなお気持ちでしたか

まずはやっと出れる舞台だったので楽しみたいなというのがありました。でも組み合わせを見たときにインカレの準決勝で1分くらいでボコボコに負けた相手で。全日本を楽しみたいという気持ちはあったのですがそれは一旦置いておいて、リベンジというかポイントを取ってやろうという気持ちに切り替えました。

――今まで経験された大会と全日本大会を比べて、何か違いはありましたか

最初はワクワクした気持ちがあったのですが、全日本というだけで緊張感がいつも以上にありました。いつものようにマットだけの平坦なところで試合をするのとは違って、階段を登って高いところでやるのは違う感覚でした。

――きょうは相手の攻撃を受けながらもテクニカルポイントを獲得できました。それについていかがでしたか

相手は強い方なので、インカレのときに比べてポイントを取ることができてよかったのですが、そこでしっかり何回も攻撃を続けられていたら結果が変わっていたのではないかと思うと、たらればですがちゃんとやっておけばよかったなと。悔しい気持ちがあります。

――反省点を挙げるとしたらどこですか

一番はそこですかね。タックルが決まっていたら試合結果が変わっていたのかなと思えるので、タックルを決めていたらというところが一番の反省点です。

――来年4年生ということで、最後の1年をどのような1年にしたいですか

来年新入生も例年以上に入ってきますが、今の1年生の代は女子がいなくて女子が続かなくなるのがすごく不安だったんですよ。でもそのような中で自分の高校の後輩だったり強い女の子たちが早稲田に入りたいと言って目指してくれて、(入部も)決まったので、強い後輩たちをいろいろな形で引っ張って行けるように努めたいと思います。