ワセダが誇る女子ルーキーコンビが世界にその実力を見せつけた!9月の中旬にスロバキア・トルナバで行われた世界ジュニア選手権。4月のJOCジュニアオリンピック杯とジュニアクイーンズ杯の優勝者に出場権が与えられる今大会で、女子50キロ級の須﨑優衣(スポ1=東京・安部学院)と62キロ級の小玉彩天奈(社1=高知東)がそろって優勝を果たした。男子グレコローマンスタイルで出場した松本直毅(スポ3=神奈川・横浜清陵総合)は2回戦で敗退となったものの、国際大会での経験に手応えを感じていた。
★2回戦敗退も確かな手応えを得た松本
JOCジュニアオリンピック杯の王者として臨んだ松本はグレコローマンスタイル97キロ級で出場。試合は2回戦、相手のパッシブにより先制に成功したものの、その後有利な体制から技を決めきれず。課題としているスタンドからの崩しも不発に終わり逆転負けを喫するかたちとなった。1つは勝つことを目標にしていただけに満足できる結果ではないと振り返った松本だが、一方で、「自分が思っていたよりも戦えた。フィジカルの部分では劣っているとは感じなかった」と世界の舞台で確かな手応えも感じていた。課題として上がったスタンドの技に磨きをかけ、今後控える全日本大学グレコローマン選手権や内閣杯全日本大学選手権における早大の主力としての活躍に期待だ。
★女子ルーキーコンビがそろって優勝!
ワセダが誇る女子ルーキーコンビの須﨑と小玉は世界にその実力を示した。シニアの女王として臨んだ須﨑は女子50キロ級で出場。2回戦から決勝にかけて全て10−0のテクニカルフォールで勝利し、世界女王の格の違いを見せつけた。これによりカデット、ジュニア、シニアの3部門を制するという離れ業を達成した須﨑。「(取り組んできたことが)今大会では結構使えることができたので、いい感覚を持って世界選手権に臨めると思います」と、直前に迫る世界選手権での連覇へ向け、弾みを付けた。
「最近は海外でも国内でも勝てていなかったので、世界ジュニアはなんとしても優勝したいという気持ちで臨みました」という小玉。不安やプレッシャーも感じていたというが、「日本のチームでみんなで声を出し合って試合をしていく中で少しずつ自信が出てきた」と2回戦から準決勝までこちらも全てテクニカルフォールで勝ち進む圧巻のパフォーマンスを披露。決勝は相手選手の棄権による不戦勝となり、小玉もカデット、ジュニアの世界女王の座を手中に収めた。「今回の試合は自分から攻めるレスリングができたので、すごい成長できた大会だった」と今大会での充実ぶりを振り返った小玉。次に目指すはU23、そしてシニアの世界女王だ。
優勝を果たした須﨑(左)と小玉(右)
(記事、写真 林大貴)
※フリースタイルは10点差がつくとテクニカルフォールで試合終了となる
結果
男子グレコローマンスタイル
▽97キロ級
松本 2回戦敗退
女子
▽50キロ級
須崎 優勝
▽62キロ級
小玉 優勝
コメント
松本直毅(スポ3=神奈川・横浜清陵総合)
――世界ジュニア選手権はどういった位置付けで臨みましたか
あまり国際大会の経験がないので、まずはどんなものかっていうのを知ってみるというのと、自分の腕試しというか、世界においてどのくらいの位置付けで戦えるのかっていうのを考えて、試合に臨みました。
――実際戦ってみての手応えはいかがでしたか
自分が思っていたよりは戦えたかなと思っていて。2回戦も勝てない相手ではなかったので、課題も見つかったんですけど、それも収穫かなと思っています。
――手応えを感じた部分は具体的には
まず海外の選手はフィジカル面が非常に強いという印象を持っていたので、そこでもう負けているかなと思っていたんですけど、最初にパッシブを取ることができて、その部分ではあまり劣っているなとは思いませんでした。
――見つかった課題というのはどういった部分でしょうか
攻める方ですね、時間内に回すことができなかったという結果だったので、もっと決めるところを早くすることが1つあって。あとはいつものスタンドからの技ですね。相手に取られたところから取り返せる技を1つ身につけないといけないなと思います
――今大会はどのように今後に生きてくるでしょうか
自分には技がないので、練習でも少しずつなんですけど、スタンドの技を仕掛けるようにはなってきたので。一番近い大会は国体なんですけど、その大会で自分の本来の階級ではないので、格上の選手ばかりなんですけど、思い切って技を仕掛けられたらなと思います。
須﨑優衣(スポ1=東京・安部学院)
――今大会はどういった位置付けで臨んだのでしょうか
世界選手権の1ヶ月前の大会ということで、自分がプレーオフが終わってから課題として練習してきたことをどれだけ世界で通用させられるかということと、世界選手権の前に1回大会に出て、試合の感覚を得ることで世界選手権につなげられると思って出場しました。
――プレーオフ以降意識している練習というのは、崩してからのタックルでしょうか
そうですね。そこからスタンドからのグラウンドにつなげることを意識して、タックル以外の技でもポイントを取れるようになることを意識して取り組んできました。
――その部分は今大会はいかがでしたか
今大会では結構使えることができたので、いい感覚を持って世界選手権に臨めると思います。
――今大会を振り返って見ていかがですか
今回は気持ち的にもジュニアの世界選手権ということで、楽しみな、わくわくするような気持ちが大きくて。世界選手権前ですし、絶対に優勝して世界選手権に臨みたいと思っていたので、心身ともに充実していました。そういった部分が今回のいい結果につながったのかなと思います
――久しぶりの実戦だったと思いますが、調子の方はいかがでしたか
2ヶ月ぶりの試合だったんですけど、練習してきたことも発揮できましたし、調子としては良かったと思います。
――これでカデット、ジュニア、シニアの3部門制覇となりましたが、率直なお気持ちは
1つ1つの大会で優勝するっていう意識が、3部門の世界チャンピオンという結果につながったのだと思います。これからも1つ1つ目の前の大会で優勝するという目標を達成していければ、おのずとそういった記録にもつながると思います。ただ、記録のことは気にせず、目の前の大会で1つ1つ優勝していくという意識をこれからも持って
――まもなく2連覇をかけて世界選手権へ挑みますが、意気込みのほどをお願いします
今回の世界選手権は去年の世界選手権よりも厳しい試練を乗り越えて掴んだ出場権ですし、このチャンスを絶対に自分のものにして、必ず2連覇して東京五輪につなげたいと思います。
小玉彩天奈(社1=高知東)
――今大会はどういった意気込みで臨みましたか
最近は海外でも国内でも勝てていなくて、あまりいい成績を残せていなかったので、インカレでもベスト8で終わってしまいましたし、世界ジュニアはなんとしても優勝したいという気持ちで臨みました。
――結果としては見事優勝を果たしましたが、率直なお気持ちは
本当にうれしかったです。
――全てテクニカルフォールでの優勝でしたが、振り返っていかがですか
最初は本当に不安で、メンバーもすごい強いメンバーがそろっていて、自分だけ負けたらどうしようとか不安ばっかり浮かんでいたんですけど、やっぱり日本のチームでみんなで声を出し合って試合をしていく中で少しずつ自信が出てきて、そういった部分も優勝につながったかなと思います。2回戦の相手はアジア・ジュニア選手権で3位に入賞している強い選手だったんですけれども、気持ちだけは負けたくないと思って。接戦になる相手だと思っていたからこそ、テクニカルフォールで勝つまでは手を抜かなかったり、そういった部分が勝因だと思います。
――ケガの方の経過はいかがでしょうか
ケガはドクターやトレーナーの方にも色々お世話になって、万全の状態で戦えました。
――これでカデット、ジュニアの2部門制覇となりました
うれしいですけど、U23の世界選手権の大会もできたので、目標としてはU23の世界選手権でも優勝して、最終的にはシニアの世界選手権でも優勝したいです。
――今大会で得られたものはありますか
自分から攻めるのはあまり得意ではなくて、相手が攻めてきたところをカウンターだとか、受け身な戦法に頼っていた部分があったんですけど、今回の試合は自分から攻めるレスリングができたので、すごい成長できた大会だったと思います。今回の優勝を糧にしてこれからも攻めるレスリングをやっていきたいと思います。