学生日本一を決する大一番・全日本学生選手権(インカレ)が開幕した。初日はグレコローマンスタイル(グレコローマン)ベスト16までの試合が行われ、早大からは6選手が出場。その中で、青木祐聡(スポ3=岐阜・岐南工)、本日試合がなかった堀江一馬(社3=富山・高岡商)が2日目へと駒を進めた。
59キロ級の青木は2回戦から登場。第1ピリオド(P)後半で投げ技からフォールに持ち込み、幸先の良いスタートを切った。迎えた3回戦では相手に4点のリードを許す苦しい展開に。そんな中、青木も反撃を見せ2-4で勝負の後半へと突入した。第2Pでは積極的に攻め、優勢に試合を進める。相手を場外に出し1点差まで詰め寄ると、残り1分ほどでバックポイントを決め逆転。さらにローリングで加点し、一気にたたみかける攻撃で圧倒した。7-4で勝利を収め、この日出場した選手で唯一あすへの切符を獲得。4回戦以降は強敵が立ちはだかるが、自身の実力を存分に発揮し専門のフリースタイル(フリー)へとつなげたい。
ローリングで逆転勝利を決めた青木
初戦をテクニカルフォールで突破した59キロ級・吉川航平(社3=秋田商)。2回戦では全日本大学グレコローマン選手権2位の実力者・井上征洋(拓大)と対戦した。開始30秒で背後を取られると、そこから4点技を決められ0-6の劣勢に立たされる。第1P終了間際には再びバックポイントを奪われ、テクニカルフォール負け。強豪選手に力の差を見せつけられる結果となった。2回戦に進んだ98キロ級・土赤耕陽(スポ3=山形商)はポイントにつながる動きができず、試合はこう着状態となる。第2Pには消極的とみなされ相手に1点を与えると、場外へ出てしまい2点差に。その後1点を返したものの、決定機を逃し2回戦敗退に終わった。
吉川はなすすべなく試合をあとにした
「だいぶ物足りない」と山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)が語るように、課題が多く残った1日目。全ての選手にとって、3日目以降に行われるフリーに臨むためには修正が必要となる。あすはグレコローマンに加え、女子の試合が行われる。59キロ級・世界ジュニア選手権2位の香山芳美(スポ2=東京・安部学院)と全日本社会人選手権優勝の髙橋海寿々(スポ1=東京・大森学園)が共に63キロ級に出場するなど見どころは満載。学生最高峰の舞台で、早大勢はどれだけ実力を示すことができるのか。頂点への挑戦はまだ始まったばかりだ。
(記事 谷田部友香、写真 後藤あやめ)
結果
男子グレコローマンスタイル
▽59キロ
青木祐総(スポ3=岐阜・岐南工) 4回戦進出
藤川聖士(スポ3=埼玉栄) 2回戦敗退
吉川航平(社3=秋田商) 2回戦敗退
▽66キロ
丸山大三郎(教3=埼玉・早大本庄) 1回戦敗退
▽71キロ
斎藤隼佑(スポ1=群馬・館林) 棄権
▽75キロ
今村聖(スポ4=群馬・太田商) 棄権
▽80キロ
堀江一馬(社3=富山・高岡商) 1回戦進出
▽98キロ
土赤耕陽(スポ3=山形商) 2回戦敗退
コメント
山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)
――きょうを振り返って
全体を振り返るとだいぶ物足りないという感じですね。
――全日本大学グレコローマン選手権2位の強豪相手に敗れてしまった吉川選手(航平、社3=秋田商)の試合を振り返って
内容を吉川から聞くと、良いところなく終わったということで、ちょっと残念だったかな、と思います。相手が強いことはわかっていて、上に行くための最初の勝負かなというふうに思っていたのでどういう試合をしてくれるか楽しみにしていたんですけど、残念ながら敗れてしまいました。
――青木選手(祐総、スポ3=岐阜・岐南工)の試合を振り返って
祐総も諦めずに点を取りにいった部分は勝ちにつながりましたね。まあいろいろ修正しなきゃいけないところというのはあるんですけど、試合に勝つことが大事なので最後まで点を取りにいったのは良かったかな、と思います。
――全体の改善点は
自分がどうやって点を取るかというところや、どうやって試合に勝つかというところですね。普段取り組んでる技であったり崩しであったりが試合の中では出し切れておらず中途半端になっている感じを受けたので、みんなにも言ったんですけど、いまでもやっていないわけではないんですけれど、もっと突き詰めてやっていく必要があるということですね。あとやっぱり体力的な面もまだまだ足らず、気持ちの面でもまだ足りないので前に進んでいかなきゃならないと思いました。
――あすは女子の試合がありますが、帰国後すぐの出場になる香山選手(芳美、スポ2=東京・安部学院)について
行く前から、帰ってきてすぐにインカレ(全日本学生選手権)に出るということは考えているので、厳しい日程の中ですが彼女なりに仕上げてきてくれているものと思って楽しみにしています。
――同じ階級で出場する髙橋選手(海寿々、スポ1=東京・大森学園)についてはいかがですか
海寿々はジュニアクイーンズカップで負けている相手と当たるのでまずそこをリベンジして、芳美と決勝をやってもらいたいです。芳美も、世界ジュニア選手権に行く前にインカにレ出るかどうか確認したときに海寿々と決勝をやりたいと言っていたので、ぜひ二人でやってもらいたいですね。