今回の舞台はスペイン・マドリッド。世界各国から学生選抜のメンバーが多く参加した。そんな大きな大会にワセダからは学生二冠王の多胡島伸佳(スポ3=秋田・明桜)が挑戦。世界チャンピオンも出場しているハイレベルな争いではあったが、フリースタイル70キロ級で見事銅メダルを手にした。また、多胡島にとっては国際大会での初のメダル獲得となる。前回のデーブ・シュルツ記念国際大会では敗者復活2回戦敗退を喫しているだけに、レベルアップが目に見えるかたちで証明されたと言えるだろう。
フリー70キロ級には7選手が出場し、多胡島はまず準決勝に臨んだ。しかし、米国の選手を相手に全く歯が立たず、スコア0-7で黒星を喫してしまう。3位決定戦に回った多胡島だったが、今度は一転しカナダの選手にテクニカルフォール勝ちを決めてみせた。堂々の3位。重みのある銅メダルを胸に、この結果は大きな自信になったに違いない。多胡島は、国際レベルで入賞に食い込めるまでの実力を示したのだ。
来年のリオデジャネイロオリンピック、その先の2020東京オリンピックを見据え、世界レベルの選手たちがしのぎを削った今大会。多胡島は実りある結果を残し、世界での自分の位置を確認することができた。ゆくゆくは日本チームを引っ張る存在となるべく、さらなる高みを目指していきたいところだ。一方で、世界で得た経験をいかにしてチームワセダに還元できるか、ということも代表としての使命となってくるだろう。まずは8月下旬の全日本学生選手権。国内でも牙を剥けるか。多胡島は今後もワセダを背負い、戦いを続ける。
(記事 寺脇知佳)
結果
▽フリー70キロ級 多胡島 3位