社会人対象の大会にオープン参加として、ワセダからも女子選手が2名参加。2年の須崎麻衣(スポ2=千葉・鎌ヶ谷)は出場予定だったもののケガのため無念の棄権となり、1年生2人がそれぞれの戦いを見せた。6月下旬の東日本女子学生選手権を制した髙橋海寿々(スポ1=東京・大森学園)は、続いて今大会でも優勝に輝く。一方の小林奏音(スポ1=長野・佐久長聖)は1回戦敗退という結果に終わったが、実戦を通して課題と向き合うことができた。
58キロ級に登場した小林。今大会に向けてはいかに自分のレスリングを出せるかを課題としていた。ゲームは序盤から相手のペースで進行しなかなか自分の見せ場をつくれず、ポイントを奪えないまま第2ピリオド(P)へ。東日本女子学生選手権ではテクニカルフォール負けを喫した小林だったが、今回はなんとかフルタイム6分間の試合を遂げる。しかし最後まで1ポイントも取り返すことができずにゲームセット。9-0での敗戦となった。「相手のペースに全部持って行かれてしまったのが敗因」と試合を振り返った小林。課題は変わらず、自分のスタイルを確立させるのみだ。
小林は自分のスタイルの安定が課題に
63キロ級の髙橋は初戦の準決勝でフォール勝ちを決めた。そのまま決勝へと駒を進め、歳上の相手・津田香耶(自衛隊体育学校)と対戦する。第1Pこそ思うように試合は動かなかったが、第2Pでは背後を取ったりと差を広げる。そして開始1分27秒、またもフォールでの快勝。最終的には5点リードの1-6。試合終了後には笑顔もこぼれた。全日本にも出場している相手であっただけに、「すごく自信になりました」と髙橋。しかし以前からの課題はつぶしきれていなかったようだ。「自分から攻めて点を取ることができず、いつまで経っても克服できていない」(髙橋)。「いつまで経っても」と髙橋は強調した。すぐに克服できることではない要素であるだけに、時間をかけて練習を積んでいきたいところ。勢いに乗り、全日本学生選手権(インカレ)でも優勝を目指したい。
歳上相手に勝利した髙橋
東日本女子学生選手権から2週間後に開催された今大会。しかし次戦のインカレまではおよそ1ヶ月半と、少し期間が開いてしまう。それまでどう気持ちを保ち、どう課題を修正していけるか。夏の大一番に向け、鍛錬の時が来た。
(記事、写真 寺脇知佳)
結果
女子
▽48キロ級 須崎 棄権
▽58キロ級 小林 1回戦敗退
▽63キロ級 髙橋 優勝
コメント
髙橋海寿々(スポ1=東京・大森学園)
――きょうを振り返って
自分から攻めて点を取ることができず、いつまで経っても克服できていないというのがきょう試合を通して思ったことです。決めるところはしっかり決めれるようにはなってきたかな、という手応えは感じてきました。
――収穫点は
決勝で当たった選手は歳上のかただし、いつも全日本に出ている選手で、勝てる勝てないじゃなくて胸を借りてどこまで自分の力が通用するかを確かめようと思ったので、そこで勝つことができてすごく自信になりました。でもそれと同時に出てきた課題というのはいつまで経っても変わらなくて、自分から攻めて点が取れなかったりとか、相手を崩しきれてないとか、中途半端なところもあるので、あすからの練習で直していきたいです。
――山方監督(隆之、平4人卒=福岡・築上西)からは何かアドバイスはいただきましたか
決勝で2回押さえたんですけど、1回目にしっかり決め切れなかったところと自分から攻めて点数が取れなかったところは惜しかったからまた次に生かしていこう、とおっしゃっていただきました。
――全日学生本選手権(インカレ)に向けて
インカレはまた時期が空いてしまうので気持ちを切り替えて、4月に同じ大学生に負けているのでそこでしっかり勝てるように、優勝目指して頑張ります。
小林奏音(スポ1=長野・佐久長聖)
――きょうを振り返って
まだ自分から相手を動かすことができていなくて、相手のペースで試合が進んでしまったのがすごい残念です。相手のペースにぜんぶ持って行かれてしまったのが敗因だと思います。
――東日本学生女子選手権から改善できた部分はありましたか
足を動かそうとは意識したのですが、それでも自分のスタイルが確立していなくてまだまだなので、自分のスタイルを確立させたいです。
――今後はどのような練習を中心的に行う予定ですか
あまり力任せなレスリングはしたくなくて、できるだけ動きでレスリングしたいので、合宿などでは自分の得意なことを安定させていきたいです。
――山方監督(隆之、平4人卒=福岡・築上西)からは何かアドバイスはいただきましたか
徐々に成長が見られているとはおっしゃっていただいたんですけど、まだ自分のスタイルが確立してないところがまだまだこれから、ともおっしゃっていただきました。
――一方で収穫点は得られましたか
一応フルセットはできる体力はついたかな、とは思います。
――全日学生本選手権(インカレ)へ向けて
まだまだ全然自分の満足のいく試合が全くできていないので、先輩がたの指導もいただいて、自分らしい自分のペースで行うレスリングができるように、インカレまで一生懸命練習したいです。