香山優勝、幸先の良いスタートを切る!

レクリング

 今シーズン初試合となる今大会。早大からはジュニアの部に51キロ級の須崎麻衣(スポ2=千葉・鎌ヶ谷)、59キロ級の香山芳美(スポ2=東京・安部学院)、63キロ級の髙橋海寿々(スポ1=東京・大森学園)が出場し、香山は見事優勝を果たした。

 準決勝までフォール勝ちを決めるなど、順当に駒を進めた香山。迎えた決勝の相手は、昨年負けを喫した高校生・入江くみ(小倉商)だ。リベンジを果たすべく、序盤から果敢に攻めの姿勢を見せると、1ピリオド後半にローリング等で9点の大量得点。しかし、テクニカルフォール勝ちまであと1点というところで相手に点を許してしまう。後半でも反撃にあうが、そのまま逃げ切り試合終了。9-6で金メダルを手にした。

連続でローリングを決めた香山

 デビュー戦となった63キロ級・髙橋は積極的な戦いを繰り広げるも、体力面に課題が見られ、1-3で準決勝敗退。51キロ級の須崎は2回戦で惜しくも判定負けとなるが、粘り強さの光る試合内容となった。

粘り強く戦い抜いた須崎

 「シーズン最初の試合で良いスタートを切ることができた」と語るように、幸先の良いスタートダッシュを見せた香山。5月にはシニアでの初めての試合となるアジア選手権が控えており、さらなる躍進が期待される。今回であらわになった個々の課題をいかに克服できるか、早大レスリング部の挑戦は続く。

(記事 後藤あやめ、写真 三佐川唯)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽51キロ級 須崎 2回戦敗退

▽59キロ級 香山 優勝

▽63キロ級 髙橋 準決勝敗退

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――デビュー戦となった髙橋選手の印象はいかがですか

入学してすぐの大会で、生活の環境が変わったこともあり、見えないプレッシャーもあったと思います。試合を見ると、体力的にやはり足りない。高校のときに勝っている相手だったのですが、相手は大学に入って練習しています。まだ1年生で、高校のときのようには最初は勝てないということをしっかりと理解した上で、体力の方をつけていかなければなりません。

――今後まずは体力作りがメインですか

そうですね。まずは体力です。試合を見ていても、力負けしている部分がありました。技術はともかく体力をつけていかないといけません。

――優勝した香山選手の試合を振り返って

今まで負けていた相手に勝って優勝したということは、1年間やってきたことが着実に身についてきているということだと思います。きょねんは体力的なことが足りなくて、勝ち切れない試合が多くありましたが、きょねん後半から大分伸びてきて、力が出せるようになりました。なので、今回も優勝できました。

――1年間通して香山選手は成長したということですね

そうですね。練習に取り組む姿勢というものもしっかりしていますし、コーチが言わなくても、自分で考えて、自分がやらなければならないことに取り組んでいます。ただ、まだ試合中に雑な部分があったり、課題はたくさんあるので、それを克服するように練習に取り組んで行ってもらいたいです。

――須崎選手はいかがですか

きょねんは試合に負けては泣いてばかりの1年間でした。今回もう少しだった部分もあり、同じく1年間通して身についているという印象がありました。今回の試合も負けて泣いてはいましたが、きょねんまでの涙とは意味が違う涙なのかなと私は思っています。

太田拓弥コーチ

――須崎選手の試合を振り返っていかがですか

そうですね、きょねん1年間いい結果が残せなかったので、結果的には負けてしまいましたけど、最後まで諦めずいい勝負をしてくれたのでその点では成長したなと思います。

――ご本人が、この1年間の練習を通してスタミナがついたとおっしゃっていました

もちろんそうですね、力も体力もついてきました。一生懸命練習もやっていますし、それがでていますよね。内容的にも悪くなかったと思いますが、あの接戦をものにしていって自信もついてきますし、きょねん1年間のことを思えば悪くなかったなと思います。この試合で少し自信が付いて、次のJOCにつなげて欲しいですね。

――新入生の髙橋選手についてはいかがですか

なかなか、組手で相手にリードされたりタックルを処理しきれなかったり、ポイントにつながるチャンスをなかなか得点にできなかったりきょうの反省を踏まえて基本的なことをしっかりやって、身につけて次の大会に臨んで欲しいですね。

――優勝された香山選手についてお願いします

きょねんの6月の試合でフォールで負けてる相手だったので、その選手に対して前半もテクニカルフォールに持ち込むまでに実力ついたと思いますが、もっともっとこうすれば楽に勝てるとか、時間を少なく勝てるくらいの実力が彼女にはついてきてるので、試合中に私に何もアドバイスさせないような姿を見せて欲しいですね。タックルを入られた後の守り方だったり、グラウンドのディフェンスのときに相手に手を取られたりだったり、まだまだ改善できるところはあるので、工夫をしていけばさらに楽に勝てるようになるとおもいます。とりあえず負けた相手に勝ったことで自信もついたでしょうし、アジア選手権の日本代表にも選ばれているので、そこでも今回の反省を生かしてアジア選手権で優勝を獲ってきてもらいたいです。

香山芳美(スポ2=東京・安部学院)

――優勝しての率直な感想をお願いします

今大会は、以前に負けている相手が2人同じ階級にいました。5月の始めにシニアのアジア選手権の代表に内定していて、国内のジュニアのレベルに勝てなければ、行っても仕方ないと言いますか、ここで負けていた相手にしっかり勝ってから行きたいという思いがありました。2人と戦うことはできませんでしたが、決勝で勝つことができての優勝だったので、良かったかなと思います。

――シーズン最初の試合で優勝できたことは自信につながったのではないでしょうか

そうですね。シーズン最初の試合で良いスタートを切ることができました。今大会はことしで最後なので、ここでしっかり勝ってシニアの大会につなげていくことができました。課題もたくさん最初に見つけることができたので、発見できたということをプラスに捉えて、今後に生かしていきたいと思います。

――決勝の試合を振り返って

最初に大量点を取れたので、あそこで終わらせてしまいたかったというのはありました。あれだけ点差をつけられたから勝てたというのもあると思います。差がついたから気持ちが緩んでしまったというのもあり、必要のない点を相手にあげてしまったのもありました。シニアの世界ではこんなにうまくは行かないと思うので、しっかりできるようにしたいです。

――具体的に課題とは

どの試合でもやっぱり相手にあげる必要のない点を与えてしまった、技術面であったり、自分のミスがありました。フォールチャンスで相手を逃してしまったり、あと1点のところで取り切れなかったりというのがあったので、自分の苦労する試合運びにしてしまいました。

――次戦への意気込みをお願いします

今回の課題を修正して、5月にはシニアの大会に出るので、このチャンスを生かして、世界でもしっかり活躍できるようにしたいです。

須崎麻衣(スポ2=千葉・鎌ヶ谷)

――試合を振り返っていかがですか

1試合目は実力差とかあって、得意のタックルとかも出すことが出来て良かったなと思いますが、2試合目は同点になってからのポイントが全然なくて、逆に見合っちゃったりして、でも、最後に投げが決まったところは良かったかなと思います。その後にポイント取り返されて甘さがでてしまいました。

――収穫と課題がそれぞれ見つかったのですね

そうですね、課題については1試合目は崩しが全然なくて、飛び込んだタックルばかりだったので崩しを中心にやらなくてはいけないというのと、2試合目は自分が差した後から全然ポイントがつなげられなかったので、その後も取りに行くというのが課題です。

――逆に収穫は

力とスタミナは結構付いてきたと思います。タックルでポイントを取りきれたことも多かったので、自信がつきました。

――次戦への意気込みをお願いします

2週間後にJOCという大きな大会がまたあるので、今回で見つかった課題を克服して、次は勝てるようにしたいと思います。

髙橋海寿々(スポ1=東京・大森学園)

――今大会の位置づけは

大学入って初めての試合だったので、優勝を獲れるように頑張ってきました。

――試合を振り返っていかがですか

勝てる相手に勝てなくて、自分が出来ることも出来なくてすごい悔いの残る試合で、満足のいく動きもポイントも無かったので、悔しいです。

――見つかった課題は

技術面の問題でも改善点は見つかりましたが、まずそれ以前の問題で体力が、本当に持たなかったので減量方法など見直していつもいい動きができるようコンディションを整えていきたいです。

――見つかった収穫は

無理矢理に点を取りに行くのではなくて、少し崩すということが試合で出来たのが良かったと思います。

――大学での生活には慣れましたか

いまはまだ寮生活が始まって1ヶ月くらいで、食生活とか生活のリズムに慣れていないので、少し自立してコンディショ二ングも自分で持っていけるようにしたいです。

――大学と高校の違いは

環境ですね。食事とかは一番親が考えてくれていたので自分で負担することが難しいです。

――次戦への意気込みは

次は勝ちます。

――在学中の目標は

国際大会に常に出られるような、国内でも敵がいなくなるような選手になりたいです。名誉挽回というか、王座奪還というか、目指します。