全日本学生選手権(インカレ)の2日目が行われ、早大からは女子3選手と前日の男子グレコローマンスタイル(グレコローマン)の準々決勝まで勝ち上がってきた5選手が出場した。グレコローマン66キロ級では花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)が優勝し、4年生にして自身初のタイトルを獲得。一方、96キロ級で3連覇の期待がかかった大坂昴主将(スポ4=秋田商)は惜しくも準優勝という結果に終わった。また、60キロ級の池田圭介(スポ4=群馬・館林)、66キロ級の中井堅太(社3=南京都)は準決勝で敗退し、3位。同じく、2連覇を目指した女子51キロ級の田中亜里沙(スポ3=埼玉栄)も内容が伴わずに3位という結果に終わった。
初タイトルを決め、コーチと握手する花山
4年生にして初のタイトル獲得。花山は監督・コーチ、OB、そして部員への感謝の言葉を口にする。「普通に優勝しか考えていなかった」という花山の優勝への強い思いは、言葉だけでなくプレーからも見てとれた。きょうの2試合目の準決勝、試合開始早々に幸先よく4ポイントを先取。しかし、第1ピリオド(P)途中に、2つの反則をきっかけに5ポイントを奪われる。第2Pも終盤に差し掛かり、万事休すかとも思われたが、残り2秒でバックポイントを決めて勝利を収めた。「勝ちたいという気持ちが強かったから最後に技が出た」のだと、太田拓弥コーチも語る。そして、勢いに乗って臨んだ決勝。第1Pでは1ポイントを先取されるも投げ技を決め、試合を優位に運ぶ。「しんどかった」という第2Pでは反則でポイントは与えたものの、その後3ポイントを加えて勝利し、見事にインカレ優勝を果たした。
一方で、その他の選手は優勝には手が届かなかった。女子51キロ級の田中は2連覇が期待されたが、「少しびびってしまった」と準決勝で自分の持ち味を出し切れずにフォール負け。さらに、グレコローマン96キロ級の大坂主将は3連覇が大いに期待されたが、決勝で相手のフィジカルの強さに圧倒され、1ポイントも取れずに0対1と惜敗した。
大坂は3連覇ならなかった
しかし、大坂主将の言葉は力強く前向きで、すでに気持ちは全日本大学グレコローマン選手権と内閣総理大臣杯の2冠に向けられていた。また花山の4年目にして初の優勝というのは、これからのワセダの1、2年生への良い刺激になるはずだ。このようなリーダーのブレない姿勢と下級生への刺激が今後のワセダをもう一回り大きく成長させてくれることは間違いないだろう。
3位以上の早大グレコローマン3選手
結果
▽グレコローマン
60キロ級 池田 3位
黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園) 4回戦敗退
66キロ級 花山 優勝
中井 3位
96キロ級 大坂 2位
▽女子
51キロ級 田中 3位
金子和(社2=群馬・大泉) 2回戦敗退
55キロ級 小黒真愛(法4=埼玉・早大本庄) 2回戦敗退
コメント
太田拓弥コーチ
――初日の全体を通しての感想は
内容も含めて、もう少し勝ちにこだわってほしかったかなと思いますが、勝ち残った者ときょう負けちゃった者は実力にちょっと差があるかなと感じました。勝ち残った者は力もありますし、ポイントを取る技がおのおのあると思うので、きょう勝ってあしたにつなげることができたと思います。
――上級生は大体順当に勝ったという印象でした
そうですね。ただ4年生の上田(上田昂希、商4=三重・高田)が、大学から競技を始めて最後のインカレだったので、最低でも表彰台にあげたかったというのが一番悔やまれる試合でした。
――一方で下級生はいかがでしょうか
黒澤(黒澤翔、スポ2=茨城・鹿島学園)は体の柔らかさを武器にしてよく勝ち残ったと思います。しかし、それ以外の1、2年生が内容的にもちょっと物足りないところがあったので、今後の課題として強化していかないといけないと感じました。
――課題とは具体的にはどういった点ですか
グラウンドのディフェンスであったり、最初の当たりで押し負けているので、そういったフィジカル的な所です。
――あしたの決勝に向けてどういったことを期待されますか
最低でも4年生が3人優勝して、できれば66キロ級は3年生の中井(中井堅太、社3=京都・南京都)と4年生の花山(花山和寛、社4=愛媛・八幡浜工)の同じチーム同士で決勝当たってもらいたいかなと思います。
山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)
――グレコローマンスタイルについて、優勝1人という結果になりましたがどう受け止めていらっしゃいますか
花山(花山和寛、社4=愛媛・八幡浜工)は4年でやっと勝って、4年間の努力が報われて良かったなと。気持ちが出ていた試合だったので、結果も出て安心しました。大坂(大坂昂主将、スポ4=秋田商)は3連覇というものがかかって、去年とは違う主将という立場の中で勝ってほしいなと思ったいたのですが、いろいろなプレッシャーもあったのか、結果として残らず、ちょっと残念な点はあります。あと4年の池田圭介(スポ4=群馬・館林)も優勝を狙って取り組んで、夏合宿でも自分で追い込んだ練習をしていたので、やはり結果を残してほしいと思ったいたのですけど、3位という結果に終わってちょっと残念だったと。それから中井(中井堅太、社3=京都・南京都)は3位になったのですが、準決勝はもうちょっと中井らしさを出してくれればと思う試合でした。自分の足りない部分と言うのがわかったと思うので、来年にむけてというか、ことしもまだ残っているので、克服に向けてまた取り組んでもらおうかなと思っています。
――下級生では黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園)選手が2日目に残りましたが、いかがでしたか
2日目に残って良い試合をしていたのですが、最後はやはり体力的に負けたと思います。元々グレコはそんなにやっていなかったので、その中ではよくやってくれたと思います。フリーに通じるもの、生かせるものがあるのでそういうものをまたつかんでくれたんじゃないかなと。またあしたからのフリーにも期待したいと思います。
――その他の1、2年生はいかがでしょうか
全般的にまだまだ体力がついていないので。1年生は着実に、入学して半年経っていない中で練習していることは少しずつでも進歩していると思いますが、試合で勝とうとするのはまだまだ体力が無いというのがまず第一。技術よりも体力をつけていかないと勝負できないということも、各自またわかったと思うのでそれはまた取り組んでもらえればと。黒澤以外の2年生はもう一回自分に厳しく取り組んでいかないといけないとわかったと思うので、いつまでも惜しいと言っていたらあっという間に終わってしまうので、見つけた課題をどう克服するのかもう一歩踏み込んで取り組んでくれればなという風に思います。
――一方で女子はどうでしょうか。田中亜里沙(スポ3=埼玉栄)選手などは残念な結果でした
亜里沙は気持ちに左右される部分がまだまだ多いので、のってくればどんどんいけるのですが、のりきれなかったという部分があって。当然優勝できるというだけの実力を持っているし、またしなければいけない位置にいるというのを自分で自覚して、気持ちの波をどう克服するか。また絶対勝てるような技を身につけることをもう一回取り組んでもらいたいと思います。4年生の小黒(小黒真愛、法4=埼玉・早大本庄)にしても最後のインカレなのでもう少しと思ったのですが、まだ攻撃の仕掛けが遅くて相手のペースにはまってそのまま終わっちゃうという悪いパターンの試合になってしまいました。もう一回、また試合があるので、最後の最後の年に4年間やってきたことを出せる、結果として残せるような練習をしてほしいなと思います。それから金子和(社2=群馬・大泉)はやはりまだ体力が無い、2年生になってもまだまだ体力が無いので、タックルに入るタイミングが良くても取りきれない。タイミングが良くても引きつける力が無いと(決まらない)。組手でも押さていて無理やりタックルに入っていると。やっぱり体力をもっとつけないと優勝というのはなかなかできないという気がしました。
――あしたはフリーが始まりますが、フリーの選手に期待することは
花山が4年間で初めて勝ったということを良い刺激にして、気持ちの出た試合をしてくれたので、大坂が負けましたけど良い雰囲気にはなっています。あとは1つ1つ自分のやってきたことを出し切って、気持ちでは絶対負けないような試合をしてくれれば結果はついてくるのかなと思って期待しています。
太田拓弥コーチ
――まず優勝した花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)選手ですが、大きな大会で優勝するのは初めてでした。どう評価されていますか
特に準決勝などはよく追いついて、逆転しましたし、試合に懸ける勝ちたいという気持ちが強かったから最後に技が出たと思います。普段から練習していることが試合でもよく出ていましたし、そこが勝てた要因じゃないかと思います。
――その準決勝ですが、反則を取られて失点をしてしまいました。どういった反則だったのでしょうか
あれは自分で投げにいって抑えたのですが、その時に自分の足を触ってしまいました。グレコローマンはたとえ自分の足でも、足を触ってはいけないので。抑えるためのテクニックとしてフリーだったら足を触るのですが、それを無意識のうちに触ってコーションを取られて。後はグラウンドで持ち上げられた時に、足を使ったようには見えなかったのですが、足をちょっとひっかけて技を防いだという反則ですね。
――決勝の戦いについてはいかがですか
最初にポイントを取られましたけど、その後投げて無難に勝ってくれたかなと。試合の流れとしてはドタバタするところは最初くらいで、あとは良いレスリングで試合運びができたのかなと思います。
――一方で大坂昂主将(スポ4=秋田商)は残念な結果に終わってしまいました
そうですね。3連覇がかかっていたのですが。(決勝は)ちょっと押されていましたね。おそらく向こうの体重がけっこう重いというのもあると思うのですが、それを押し返すだけのテクニックであったりパワーであったり、そういったものが気持ちの面も合わせて相手の方に、ちょっとだけリードされていたかなと思いますね。
――3位に終わった池田圭介(スポ4=群馬・館林)選手、中井堅太(社3=南京都)選手はいかがでしょうか
中井は最低でも決勝までいってもらいたい選手だったのですが、ちょっと準決勝でモタモタしちゃって、最後の最後まで噛み合わなくて負けてしまったという感じでした。池田は松澤(日体大)に勝てなければ大学でチャンピオンにはなれないと思うので、ここで勝って優勝を決めてもらいたいという思いがあって。でもあとちょっと、紙一重の差で負けてしまったので、大学グレコ選手権(全日本大学グレコローマン選手権)までにはこの差を何とか埋めて、総合優勝を狙いたいかなと思います。
――女子はいかがでしょうか
花山とかに比べると何が何でも勝つという気持ちの面が、小黒にしても田中にしても金子にしてもタックル入ったら何が何でもポイントにつなげるというのが正直無かったですね。タックル入ってポイントを取っていればという場面で、ポイントにつながらなかったりして、そこらへんがちょっと勝ちにつながらなかった理由の一つかと思います。
――田中亜里沙(スポ2=埼玉栄)選手は連覇がかかっていましたが、準決勝で登坂(至学館大)にフォール負けでした
試合前にアクシデントがあって、気持ちに波のある選手なので、底にいっちゃったような感はありました。広島での大会(全日本社会人選手権)での大会で優勝したり、上り調子の選手だったので、それをうまくプラスに変えてやってくれると信じていたのですが、やはりちょっと波があって気持ちが入っていなかったですね。
――アクシデントというのは
ウォーミングアップ中に相手の膝と自分の頭が当たったみたいです。それで軽い脳震盪のようなものが起きたようなのですが、1試合目が終わった時点で、今どうやってポイントを取ったかというのを全部わかっていたので(大丈夫だろうと)。軽い脳震盪を起こすと「試合何やってたかわからないです」ということが多いのですが、それでちゃんと受け答えできたので問題ないかと思っていました。でもやっぱりそれを引きずっていたのが試合にも出たかなと思いますね。
――あしたのフリーへ向けて、どんなことを期待されますか
普段の練習からやっている事を常に信じて、それをぶつけるだけだと思います。それをぶつけてくれたのが花山だと思うので、花山と同じように今までやってきたことを信じて貫き通していけば、十分複数の階級で優勝する力は持っていると思います。それを信じて、1人でも多く表彰台にあげたいと思います。
大坂昴主将(スポ4=秋田商)
――3連覇を目前に負けてしまいましたが、試合を振り返ってみて
実力で負けてので、もう今は10月に行われる全国グレコで優勝することしか頭にないです。負けは負けなので、それを受け入れていかなければ次に進めないと思うので、結果は受け入れています。
――1ピリオド(P)に1点取られて、2Pに入りましたが攻めにくい感じはありましたか
表彰式の前に話を聞くと、決勝の相手は96キロ級で104キロぐらいから減量しているらしく、見るからに僕の体のほうが小さくて、僕は100キロ無いくらいで、やっと体重増えてきたぐらいなので、やっぱり力の差は感じましたね。相手もパワーでガンガンくるタイプだったので、僕自身パワーがないので上手くさばこうと思っていたのですが、僕の技術が足りなくて取られたわけで。まあ1点取られてもまだ3分あるから大丈夫だと思っていたのですが、結果、僕もばててしまって、点数につながらなかったというのはありますね。
――フィジカルの差が出てしまったということですね
そうですね。僕自身もいろいろ海外にも行かしてもらっているのですが、フィジカルの差をすごく感じていて、技術云々もあるのですが、それが課題ですね。
――主将として、きょうまでを振り返って
5月のリーグ戦(東日本学生リーグ戦)が終わって、やっぱりちょっとチームの士気が下がっていたところがあって、僕自身もどうやってチームを盛り上げていけばいいのかっていうのがあって、また全日本合宿とかユニバーシアードとかがあり、チームを空ける時期があったのですが、そのなかでどうやってチームを盛り上げるかが課題だなと思っていました。そこで、やっぱりなかなかチームの士気を上げることができなかったのですが、試合に近づくにつれてだんだんみんなの士気が上がってきて、これなら大丈夫だなという感じでした。
――最後に秋には団体戦がありますが、それに向けて一言
リーグ戦の決勝で悔しい思いをしたので、あと2つの全国グレコローマン(全日本大学グレコローマン選手権)と内閣総理大臣杯(内閣杯全日本大学選手権)は最後のシーズンなので絶対優勝したいっていう気持ちがありますし、僕自身も専門のグレコで負けてしまったので、今のままではまた同じようなことを繰り返してしまうので、僕自身の目標は内閣総理大臣杯とグレコローマン選手権で両方とも優勝してチームを優勝に導けるようにしたいです。
花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)
――優勝した感想を教えて下さい
自分は4年なのですが、今までタイトルを取ることが出来ていなかったので、とりあえずタイトルを取れてほっとしています。
――今大会の目標は何でしたか
目標は普通に優勝しか考えていませんでした。
――調子はどうでしたか
最初からあまり良くなかったです。自分の中のテーマが「レスリングを楽しむこと」だったのですが、初戦から準々決勝まで方向を間違えてしまっていて、「楽しむ」というより悪く言えば相手をなめてしまう戦い方をしていました。そのため普段通り、練習通りの動きを出すことが出来なくて苦戦しました。しかし準々決勝を終えた後にOBに田村さん(田村和男、平23社卒)という方がいらっしゃるのですが、その方に技術面、精神面ともに悪い点を指摘していただきました。自分は相手に押されてしまうと腰が高くなってしまうのですが、そうすると脇が甘くなってさされてしまいます。準決勝からその指摘された点を意識すると良い試合が出来たと思います。
――第1ピリオドは相手にバックポイントで先制されましたが
自分は先制点を取られてしまっても全体で支配してしまったら関係ないと思っているのであまり考えなかったです。そこはあまり意識していなかったです。
――相手の反則で1ポイント入ったのでしょうか
ルールが改正されてから曖昧な部分が多くどこでポイントが入ったのか選手自身も判断することが難しく、相手が投げそれを押さえバック技をかけローリングして攻めたとしてもリスクのルールがあるんです。失敗して点が入ることもあるし、入らないこともあり基準が曖昧な状態なので、どっちに転ぶか自分でもよく分からないです。
――第1ピリオドは4-2でリードして折り返しましたが第2ピリオドで意識されていたことはありますか
意識しているのはコーチ陣に言われた技術面のことだけで、後は粘ったら勝てると思っていました。いつも練習してもらっている選手はみんな強いので、負ける要素はないのじゃないかと思っていました。自信を持って、強気でいけました。
――第2ピリオドはリードした分、自信に加えて気持ちに余裕はありましたか
ポイントは見ていません。首投げの技が決まったことは分かっていましたが他の部分はすごく曖昧です。しんどかったです。
――警告が2回で相手に1ポイント取られましたが
自分としては攻めているつもりだったのですが、反則として取られたのは仕方ないです。確かに相手から下がっていたような気もします。
――反則を取られた場面でも4-3でポイントでは勝っていましたが余裕はなかったということですか
どの場面でも余裕は感じられなかったです。
――インカレをきのうから振り返って良い点、悪い点、課題をお願いします
悪い点は相手をなめてかかっていつもの動きが出せなかったことです。良い点は今大会すごく周りのサポートが良かったと感じていて、監督・OBの方々は精神面をサポートしてくれて、コーチ陣は技術面をサポートしてくれて、部員はいてくれるだけで安心して試合が出来ました。周りのサポートが良いなと試合をしながらこんかいの試合では感じられました。気持ちの切り替えが出来た準決勝から自分の持ち味が出せた、練習してきたことが出せて良い試合が出来ました。
――次の試合に向けて目標をお願いします
こんかいの試合で見えた課題があって、要所で技を決める、精神面でも甘い部分があったのでそこをまたつめていきたいと思います。
池田圭介(スポ4=群馬・館林)
――インカレを3位で終えたいまのお気持ちは
悔しいですね。その一言です。
――インカレに向けてどのような調整をしてきましたか
ルールが変わって、僕はグラウンドが得意なのですが、スタンド重視のルールになったということで、スタンドでポイントが取れるように練習してきました。
――そのなかで準決勝まで順調に勝ち進みました。ご自身のなかで手応えはありましたか
そうですね。練習の成果が少しは出ているのかなとは感じましたが、結局優勝しなければ全然意味がないのでまだまだこれからですね。
――その準決勝の相手が昨年優勝の松沢選手(日体大)でした。対戦した印象は
昨年のインカレでも僕はベスト8で松沢選手と試合をして負けていました。ただそのときはスタンドで押されていたのですが、今回はそのときよりは良くなったと感じる部分が自分の中であるので、全グレ(全日本大学グレコローマン選手権)に向けてあと2ヶ月頑張っていきたいです。
――「ルール変更」のお話がありましたが、実際に試合を通して戸惑いを感じる部分はありましたか
僕はきょねんインカレ前、目標を書いたときに『グラウンド勝負』と書いたのですが、グラウンドがなくなってしまってスタンド重視のルールになってしまったときは、「わー」っという気持ちもありました。それでも切り替えてやっていかなければならないということで、なかなかルール変更は自分の中で大きなことでした。
――4年生として最後のインカレも終わってしまいましたね
本当に4年間いろんな人に支えていただいて感謝の気持ちでいっぱいなのです。次の全グレでは最後優勝という形で恩を返せるようにしたいです。
――応援の際にも大きな声を出している様子が見受けられました。意識していることありますか
人一倍楽しくやろうということは意識していて、負けたとしても楽しかったと思えるようなレスリングをしたいと思っています。見た人が楽しんでくれるようなレスリングができているのかなと思います。
――きょうは同期の花山選手が優勝しました。どのような思いで見ていらっしゃいましたか
本当に嬉しかったですね。嬉しい半面、悔しさもちょっとありましたが、やっぱり嬉しい気持ちの方が大きいですね。普段はずっと一緒に練習しているので。階級が一つ違うのですが、それでも花山は体が大きくて僕はいつも歯が立たないんです(笑)。それでも一緒に練習してきた仲間が優勝してくれたことは嬉しいです。
――次は全グレになると思いますが、目標や意気込みを教えてください
僕は大学4年でレスリングは引退しようと思っているので、最後の最後で優勝できるように頑張りたいと思います。
田中亜里沙(スポ3=埼玉栄)
――どのような意気込みで今大会に臨みましたか
きょねん優勝している大会だったので、2連覇目指して臨んだのですが、内容は伴ってこなくて、自分の甘さを感じた大会になりました。
――2連覇ということは意識していましたか
そうですね。でもきょねんに比べて確実に今回レベルが高くて、全日本(選手権)チャンピオンも2人いて、全日本レベルの大会でした。私も全日本優勝を目指しているので、このインカレ(全日本学生選手権)で勝てないと全日本も獲れないと思っていたので、悔しいですね。
――準々決勝までは余裕があるように見えましたが
そうですね。安定したレスリングができていたので、調子自体は悪くなかったのですが。でも準決勝では、相手の選手が強いっていうのがあって、やる前から少しびびってしまっていた部分があったので、もっと自信持って戦えばよかったです。
――準決勝で攻めきれなかった要因は
確実に勝てるだろうっていう相手と、ここは勝負だろうっていう相手がいて、(準決勝で)ここは勝負だなと思ったら急にレスリングが小さくなってしまったというか、慎重になってしまいすぎて思いっきり踏み切れなかったというのがありますね。
――自分の力を出しきれなかった分、悔しさが大きいということでしょうか
そうですね。反省とか課題ももちろんいっぱいあるのですが、その前にこれをやって勝負していこうっていうのができなかったので、反省や課題以前の問題で、何もできなかったっていうのが悔しいですね。
――今回の反省を今後どのように生かしていきたいですか
一つ一つの技を丁寧に、確実にポイントにつなげられるようにしていきたいと思います。
中井堅太(社3=南京都)
――今日の結果をどのように捉えていますか
正直ショックですね。決勝をワセダ同士でやりたいというのを試合前からずっと言っていましたし、第1シードでしたし準決勝で情けない試合をしてしまいました。後悔しています。
――準決勝の試合を振り返ってください
(ビデオ判定で)ポイントが取り消しになったのは、ラッキーでした。その後、ポイントを取って第2ピリオドに入りましたが、体力不足ですね。それだけです。
――体力面は今後の課題になりますか
そうですね。今大会で分かったのは体力ですね。日体大の選手は前への押しなど、技術ではない基礎体力の面でも優れていました。そういう部分でも負けていたかなと思います。次の大会である、2か月後の全グレまでには克服しなくてはならない課題になりました。自分が出場するかどうかは分かりませんが、団体戦なので、もし出場するとなれば、足を引っ張らないようにこの2か月間特訓して、体つくりをしていきたいです。
――同階級の花山選手の優勝はどう映りましたか
僕が準決勝で負けた日体大の選手に対して、花山さんは圧勝していました。力の差は感じました。
――次戦へ向けての意気込みをお願いします
次は団体戦なので、チームの足を引っ張らないように優勝を狙っていきたいと思います。