大学個人戦の中で最大規模の試合である全日本学生選手権(インカレ)。初日のきょうは男子グレコローマンスタイルが行われた。ワセダからは13人の選手が出場し、あしたの試合には大坂昴主将(スポ4=秋田商)をはじめとする5選手が勝ち残った。
投げ技をかける中井
96キロ級の大坂主将は今大会2連覇中。2試合ともに相手にポイントを許すことなく、組手で流れをつかみ、ローリングを決めるなど終始優位な試合を展開した。66キロ級の花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)は2試合目の第1ピリオド(P)前半、相手を倒し込むようにバックポイントを先取。その後ローリングと2回目のバックでポイントを重ね、危なげなく次の試合に勝ち進んだ。同じ階級の中井堅太(社3=南京都)は2試合目の第1Pで相手に先制ポイントを奪われ苦しい展開に。しかし第2Pで技を決め追いつく。同点のまま試合終了となり、最後にポイントを獲得した中井が競り勝った。60キロ級の池田圭介(スポ4=群馬・館林)は2試合ともに主導権を握り、相手に果敢に詰め寄る素早い攻撃でテクニカルフォールをとる圧勝。相手を寄せ付けない強さだった。
圧勝で2日目へ進んだ池田
池田と同じ階級の黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園)は、活躍が光る上級生に劣らず、下級生で唯一勝ち残った選手。積極的に前に出て、3試合目には相手の投げ技をうまくかわしバックポイントを取り、その後相手を持ち上げ投げる3ポイントの大技を決める。体の柔軟性を活かした攻撃がさえていた。しかし、きょう出場した他の1、2年生は敗退し次の試合に勝ち上がることはできなかった。
上級生と下級生の実力差が明確に分かれた初日の試合だった。上級生では4年生の大坂、花山、池田を中心に優勝争いに期待したい。一方、敗退してしまった下級生の選手は後日行われるフリースタイルにもエントリーしている。きょうの試合後に太田拓弥コーチが指摘した「グラウンドでのディフェンスや最初のあたりなどのフィジカル面」の課題を克服し、次の試合に臨む。
◆結果
▽55キロ級
青木祐聡(スポ1=岐阜・岐南工) 3回戦敗退
▽60キロ級
池田 4回戦進出
黒澤 4回戦進出
吉川航平(社1=秋田商) 3回戦敗退
丸山大三郎(教1=埼玉・早大本庄) 2回戦敗退
▽66キロ級
花山 4回戦進出
上田昂希(商4=三重・高田) 2回戦敗退
中井 4回戦進出
▽74キロ級
北村公平(教4=京都八幡) 棄権
今村聖(スポ2=群馬・太田商) 2回戦敗退
▽84キロ級
洞口幸雄(スポ1=岐阜・岐南工) 2回戦敗退
堀江一馬(社1=富山・高岡商) 3回戦敗退
▽96キロ級
大坂主将 4回戦進出
土赤耕陽(スポ1=山形商) 3回戦敗退
◆コメント
太田拓弥コーチ
――初日の全体を通しての感想は
内容も含めて、もう少し勝ちにこだわってほしかったかなと思いますが、勝ち残った者ときょう負けちゃった者は実力にちょっと差があるかなと感じました。勝ち残った者は力もありますし、ポイントを取る技がおのおのあると思うので、きょう勝ってあしたにつなげることができたと思います。
――上級生は大体順当に勝ったという印象でした
そうですね。ただ4年生の上田(上田昂希、商4=三重・高田)が、大学から競技を始めて最後のインカレだったので、最低でも表彰台にあげたかったというのが一番悔やまれる試合でした。
――一方で下級生はいかがでしょうか
黒澤(黒澤翔、スポ2=茨城・鹿島学園)は体の柔らかさを武器にしてよく勝ち残ったと思います。しかし、それ以外の1、2年生が内容的にもちょっと物足りないところがあったので、今後の課題として強化していかないといけないと感じました。
――課題とは具体的にはどういった点ですか
グラウンドのディフェンスであったり、最初の当たりで押し負けているので、そういったフィジカル的な所です。
――あしたの決勝に向けてどういったことを期待されますか
最低でも4年生が3人優勝して、できれば66キロ級は3年生の中井(中井堅太、社3=京都・南京都)と4年生の花山(花山和寛、社4=愛媛・八幡浜工)の同じチーム同士で決勝当たってもらいたいかなと思います。