インカレ初日は12選手が勝ち残る

レクリング

 学生レスリング界最大の個人戦、全日本学生選手権(インカレ)が29日まで4日間の日程で開幕した。初日はフリースタイル(フリー)で、125キロ級のみ2回戦まで、それ以外の階級は3回戦までが行われる予定だったが、試合進行の遅れのため125キロ級は1回戦のみ、その他は2回戦までが実施された。早大選手は13選手が出場した中で12選手が初日を通過し、決勝まで行われる2日目に臨む。

 ことしのインカレ開催地は岐阜県岐阜市。この地でインカレが開かれるのは今回が初めてとあって、地元出身の2選手が躍動した。特に86キロ級の洞口幸雄(スポ3=岐阜・岐南工)は1回戦、2回戦ともにフォール勝ち。2試合の合計試合時間が2分に満たない圧勝だった。昨年はケガなどもあって目立った成績を残せなかったが、3年目の飛躍に期待がかかる。もう一人の岐阜出身者、57キロ級の青木祐聡(スポ2=岐阜・岐南工)も3回戦に進出。2回戦はやや苦戦したが、昨年の4回戦敗退を超える成績が期待される。

圧倒的な力を見せた洞口

 また今回、首脳陣が驚く結果を残したのが新入生の57キロ級・矢野富三家(スポ1=島根・隠岐島前)。太田拓弥コーチが「正直に言うと実力差があるのかなと思っていた」という1回戦で逆転のフォール勝ち。2回戦は先制した後に追いつかれたが再び引き離し、最後は10点差をつけてのテクニカルフォール勝ちで3回戦へ進んだ。その他、優勝候補に名前の挙がる70キロ級・多胡島伸佳(スポ2=秋田・明桜)、125キロ級・前川勝利(スポ4=茨城・霞ヶ浦)も初戦をテクニカルフォール勝ちで飾った。70キロ級は今大会屈指の激戦区で、125キロ級は『カザフスタンの黒船』こと、山梨学大のボルチン・アレッグが君臨している。2日目はし烈な戦いが繰り広げられそうだ

矢野は1分弱でフォール勝ちを収めた

 初日は幸先よく、多くの選手が勝ち進むスタートになった。しかしこの日は試合進行の変更もあり、まだ強豪同士が激突する段階まで進んでいないのも実情だ。太田コーチが「(2日目は)きょうのような内容だと100%勝てません」と厳しく指摘する選手もいた。一つでも順位を上げ、学生王者となるために、積んできた練習を信じ、自らの実力を出し切ることが求められている

(記事 三尾和寛、写真 谷田部友香)

結果

男子フリースタイル

▽57キロ

青木                3回戦進出

藤川聖士(スポ2=埼玉栄)     3回戦進出

伊藤奨(スポ1=長崎・島原)    3回戦進出

矢野                3回戦進出

▽61キロ

黒澤翔(スポ3=茨城・鹿島学園)  3回戦進出

吉川航平(社2=秋田商)      3回戦進出

丸山大三郎(教2=埼玉・早大本庄) 2回戦敗退

▽65キロ

桑原諒(スポ4=静岡・飛龍)    3回戦進出

▽70キロ

多胡島伸佳(スポ2=秋田・明桜)  3回戦進出

▽74キロ

今村聖(スポ3=群馬・太田商)   3回戦進出

▽86キロ

洞口                3回戦進出

堀江一馬(社2=富山・高岡商)   3回戦進出

▽125キロ

前川                2回戦進出

コメント

太田拓弥コーチ

――初日をまとめてみてどうですか

丸山大三郎(教2=埼玉・早大本庄)以外は全員残ることができたので内容はともかく、良かったなと思いますね。伊藤奨(スポ1=長崎・島原)は負けそうなところで逆転して勝ちましたし、矢野富三家(スポ1=島根・隠岐島前)は正直に言うと実力差があるのかなと思っていましたがしっかり押さえてフォール勝ちに持っていけましたし、そういう面では良かったと思います。

――指摘された試合内容についてはどうですか

桑原(諒、スポ4=静岡・飛龍)、伊藤、堀江(一馬、社2=富山・高岡商)、青木(祐聡、スポ2=岐阜・岐南工)、今村(聖、スポ3=群馬・太田商)は試合が接戦だったんですけど、もうちょっと楽に勝てる試合だったと思いますね。もうちょっと実力差があってもおかしくない内容でしたが、いろんな要素があって固くなっている部分があったと思います。あしたからはそういうところを許してくれる相手ではなくなってくるので、きょうのような内容だと100%勝てません。結果的に勝つことができましたが、優勝するにはまだまだだなと。ただ、夏合宿の成果や東日本学生リーグ戦や新人戦の反省をふまえれば良いスタートが切れたと思います。

――あしたの試合に向けて一言お願いします

学生にも言いましたが目の前の敵をどう倒すか、やってきたことをどう出し切るかにかかってくるので、それを貫き通せる者が勝ち進んでいけると思います。上位進出を果たしてグレコに良いかたちでつなげていってほしいと思っています。