保坂主将、4位に終わる

レクリング

 明治杯全日本選抜選手権の初日が行われ、ワセダからは男子フリースタイル70キロ級・保坂健主将(スポ4=埼玉栄)と60キロ級・香山芳美(スポ1=東京・安部学院)が出場した。優勝の期待もかかった保坂主将は4位。一方、香山は1回戦敗退に終わり、2人とも力を出し切れない結果になった。

 香山の初戦の相手は高校生・入江くみ(小倉商)。1ピリオド(P)前半から相手に優勢に試合を進められ、次々と得点を奪われる展開に。2分30秒過ぎでバックをとり2ポイントを返すものの、その後は思うように攻撃できず2-6で1Pを終えた。巻き返しをはかりたい2Pであったが、中盤に相手にタックルを決められ、そのまま肩を付けられ初戦敗退。太田拓弥コーチは敗因として「力任せにいってしまうこと」を挙げた。大学入学後はなかなか結果を残せずにいる香山。自分のスタイルで試合を進めることができず、今回も悔しい敗北となった。課題の基本的な動きについてはまだまだ修正に時間がかかりそうだ。

フォール負けを喫した香山

 保坂主将はシード権により2回戦からの出場となった。1Pは序盤からお互いの探りあいが続き警告を受ける場面も。だが、後半は落ち着いて相手の動きを見ることができ、2Pでも2回背後にまわり準決勝進出を決めた。続く準決勝は小島豪臣(中原養護学校教員)との対戦。開始直後に場外に出てしまい点を奪われる。そこから相手の試合運びに乗せられ、1分を超えたときにビッグポイントの投げ技を決められた。何とか体勢を整えようとしたが1分45秒で再び投げられて4失点。一方的な展開となり最後は力尽きフォール負け。その後行われた3位決定戦では惨敗し4位という結果に終わった。しかし、同階級のアジア選手権代表であることから全階級の決勝戦後に行われた代表選考プレーオフにまわり小島選手との再試合に。保坂主将は準決勝のビデオを見直し相手の分析を行ってから試合に臨む。前半はその成果からか相手のすばやい動きに反応を見せた。だが攻略するまでには至らず1分過ぎの投げ技で突き放され、その後1分50秒でフォール負けとなった。

試合後ぼう然とする保坂主将

 保坂主将は試合の主導権を握れなかったことが敗因となった。実力のある選手なだけに今回の結果は満足できるものではなかっただろう。日本のトップ選手が集まった今大会で得られた経験を今後の成長につなげたい。

(記事 戸田郁美、写真 高畑幸、三尾和寛)

結果

▽男子フリースタイル70キロ級 保坂 4位

▽女子60キロ級        香山 1回戦敗退

コメント

太田拓弥コーチ

――香山芳美(スポ1=東京・安部学院)選手の初戦を振り返ってみてどうでしょうか

高校の時からのクセが抜けていません。力任せにいってしまうことが敗因です。基本的なところができていません。これは保坂(健主将、スポ4=埼玉栄)にも言えることですが、そこから試合をつくることができていません。

――保坂主将の準決勝の試合はどうですか

相手の小島豪臣(中原養護学校教員選手)の試合さばきがうまかったです。体の
使い方や横にくっついてからの動きなど相手が上でした。リーグ戦でも見られたことですが、組み手の使い方がまだまだ甘いですね。そこからあのようなかたちで攻められて負けとなったと思います。

――プレーオフでも小島選手と再試合となりました

気持ちを切り替えて最初の1分、入り方は良かったと思います。時間が空いてその間に分析していて試合でも攻撃しようとする姿勢が見られました。しかしそこから追い上げることができませんでした。2試合ともフォール負けと内容も伴わなかったですね。委員会の決定によるのでどの大会に派遣されるのか今のところ分かりませんが基本的なところが改善点で挙げられます。