成長見せた田中がV 天皇杯へ前進

レクリング

 8年目を迎えた全日本女子オープン選手権。この大会はことしから年齢区分が変更され、大学生は全てシニアの部に出場することとなった。今回早大からは3人の選手が出場。そのうち51キロ級で田中亜里沙(スポ3=埼玉栄)が優勝し、同級の金子和(スポ2=群馬・大泉)も3位に入った。

 田中は初戦となった2回戦でテクニカルフォール勝ち。続く準決勝もテクニカルフォールに切って取って決勝進出を決める。その試合のすぐ後に同じマットで始まったのが金子と矢後佑華(日大)による準決勝のもう1試合だった。この勝負は1ピリオド(P)から互角の展開になり、金子は敗れてしまったものの6分間戦い抜いた。その試合後には「こういう技をやってきますというのを(金子に)言われました」と田中。矢後を十分に研究して決勝に臨んだ。

接戦を制した田中

 決勝は田中が先制点を奪って、以降も終始リード。1P中盤には3ポイントの投げ技も決めた。しかし矢後も粘りを見せ、1P終わって8-6。2Pはタックルを多用して逆転を狙ってくる。この展開になると「勝っている状況からがいつも課題で、逆転負けというのが多かった」と自ら語る田中だが、この日は違った。攻められて苦しい場面はあったが、2分30秒過ぎに相手のタックルを受け止め、ニアフォールでポイントを挙げてダメ押し。ポイント10-7で優勝を決めた。なお田中はシニアの部の優秀選手賞を受賞。日本代表監督の栄和人からトロフィーを授与されると笑みがこぼれた。

栄日本代表監督から優秀選手賞を授与された

 これまでの課題であるリードしてからの勝ちきり方を田中は見せた。しかし今回の相手は一つ下の階級の選手。本番は51キロ級の強豪がそろって出場するであろう天皇杯全日本選手権だ。日本レスリング界の頂点目指して―――。あと2ヶ月、再び鍛錬の日々だ。

(記事、写真 三尾和寛)

結果

▽51キロ級
田中 優勝
金子 3位
▽55キロ級
小黒真愛(法4=埼玉・早大本庄) 1回戦敗退
※田中はシニアの部優秀選手賞を受賞

コメント

田中亜里沙(スポ3=埼玉栄)

――優勝して率直なご感想は

素直に嬉しいですね。内容とかは悪かったのですが、ひとまず勝つということはできたので、素直に嬉しいです。

――決勝の相手の矢後選手は48キロ級で実績のある選手でしたが、準決勝などを見てどういう印象を持っていましたか

準決勝は後輩の金子が試合をしていて、金子は私も一度負けてますし強い相手なので、練習でもやっていて実力は感じているので、その金子に安定した力で勝っていたので。矢後選手はタイミングなどがすごく上手くて、金子にも試合終わった後にアドバイスというか、こういう技をやってきますというのを言われたので、そういうところを警戒して、自分の技を出そうと。

――実際戦ってみていかがでしたか

ポイントが接戦で、どちらかというと私の方がリードしていて、その後ですね。勝っている状況からがいつも課題で、逆転負けというのが多かったので、気を引き締めることだけ意識していました。後半ちょっと攻められ気味になったのですが、しっかり守り切れたというところを良しとして、本来であれば自分からもっと攻めて取らないといけないのですが、勝ちというのにこだわれたのかなと。それが結果につながってくれたかなとは思います。

――次は天皇杯全日本選手権になりますが、そこへ向けて一言お願いします

しっかり勝っていきます